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第81話・卒業旅行へ出発!

 小梅どのも無事に卒業が決まり、3月の中旬、大学の卒業式があった。

これで、学生というのが最後となる。感慨深いものがあるが、式が終わったら小梅どのと冬馬どのはすぐに出発だと言っておった。

感傷に浸る暇も無いな…


「一足先に行って待ってるね!」

「また現地でな。」


翌日、残りの4人が出発となった。秋人どのの撮影はもう少し後だと言っておったが、撮影に合わせると冬馬どの達とずれてしまうので、前乗りするそうだ。


「かぐやちゃん達は何処に泊まるの?」

「インフィニティグアムホテルだ。」

「そっか!私達はショッピングモールの近くだよ♪確かインフィニティには歩いて行けるくらいの距離だから、遊びに行くね!」

「小梅どの達も歩いて5分位と言っておったので、皆で遊べるな。」



 グアムまでは飛行機で四時間程であった。

ホテルに着き、スイートルームに入って直ぐに小梅どのから電話が入った。


「こっちはもうビーチで満喫してるよ!冬馬くんなんて焼き過ぎて真っ赤になっちゃったよ!」

「ふふ。想像出来るな。」

「それで明日も一緒だけど、今日の夕食も一緒にどうかなぁと思って。一回行ってみたかった店があるんだ!」

「分かった。ではその店で待ち合わせをしよう。」


松乃どの達にも連絡をしてくれると言う事で、電話をすぐに切った。店はアメリカの映画がテーマになっておる所だと言っておった。



 店の前で皆と待ち合わせをしておったところ、冬馬どのと小梅どのがやって来た。


「よう。」

「冬馬どの、現地の人かと思ったぞ。」

「はは。俺も焼き過ぎたと思ってるところだ。帰国したら別人と思われて、友馬に泣かれそうだよ。」


程なくして、秋人どのと松乃どのもやって来た。


「冬馬、どうしたの?現地の人みたいじゃん!」

「かぐやにも同じ事を言われたよ…」


思わず苦笑いした。


店は、秋人どのも行ってみたかった所だそうで、店内に入っていきなり秋人どのと小梅どのが興奮しておった。


「お!これはあのハリウッド俳優のサインだ♪」

「こっちは映画で使われた本物のコスチュームが飾ってある!」


「ふふ。本当に二人とも来てみたかったのだな。」

「そうですね。あのはしゃぎぶりを見ているだけで楽しくなりますね。」


そして、注文した飲み物が届き、皆で乾杯した。


「みんな、卒業おめでと~♪」

「乾杯!」

「小梅ちゃんもギリギリ間に合って良かったね♪」

「冬馬くんが付き合ってくれて、卒論の添削をしてくれたから、中々いい物が出せたんだ!」


「冬馬、いい旦那さんしてるな。」

「ま、まぁな。って春樹も親族会議の承認貰ったらすぐに旦那になるんだろ?」

「そのつもりだけどな。思った以上に道のりは遠いよ。」

「何かあるのか?」


「披露宴もビジネスの場になるらしく、招待客が軽く見積もって300人になるそうだ。結婚には半年以上はかかりそうだな。」

「え?!300人?流石に違うな…」

「冬馬たちみたいに、親しい人だけを呼びたいんだけど、披露宴は無理だって言われてな。」


それを聞いた秋人どのが、ニヤッと笑った。


「披露宴は無理だって言われたんでしょ?結婚式は別でしちゃえばいいじゃん♪」

「そうだな、その手があったよ!流石は秋人だ!」

「でしょ~♪何なら二人っきりの結婚式でもいいしね!僕達だけでも参加するよ♪」

「ちょっと気楽になったよ!ありがとう。」


そんな話をしている間に、注文したステーキが届いた。


「って、この国の者は、このボリュームを一人で食べるのか?」

「ピザも大き過ぎだね!みんなで分けて少しずつ食べない?」

「松乃どのの言うとおりだな。その方が多く食べれそうだ。」


皆で頑張って完食出来たが、食べ終わった頃にはぐったりしてしまった。


「この国は、ふくよかな者が多いと思っておったが、この食事の量なら分かるな…」

「そうですね。明日からは少し気を付けて頼むようにしましょう。」


「明日、水着になるのが怖いよ~!」

「松乃ちゃん、大丈夫!どんな松乃ちゃんでも最高に可愛いからね♪」

「ありがとう~!秋人♪」


久々、目のやり場に困るな…


そして明日は、皆でインフィニティホテルのビーチで遊ぶ事となり、解散した。

春樹どのと二人でインフィニティホテルに戻り、プールサイドのバーでジュースを飲むこととなった。春樹どのはカクテルで、私はノンアルコールカクテルというものを注文した。


「秋人からいいアイディアを貰いましたし、親族会議の承認が下りたらすぐに結婚式を挙げましょうね。」

「ふふ、まずはお父様とお母様にその承認を頂いた後であろうな。」

「二人なら反対はしないと思いますよ。」


春樹どのは私の肩をそっと抱き寄せた。


「卒業してしまいましたし、週末しか会えない日が続くと思うだけで、寂しいですね。」

「そうか、そうなってしまうのか…だから婚姻を急いでおったのだな。」

「ふふ、かぐやさんも寂しがって貰えますか。」

「当たり前だ。」


春樹どのが私の顔を覗き込んだかと思うと、顔が傾き、チュッ!と音を立てて口付けされた。


「は、春樹どの!ここは外であるぞ!」

「かぐやさん、周りを見て下さい。」


周りに目を向けると、あらゆるところで口付けをしておった。中には濃厚な口付けをしておる者達もおる。


「す、凄いな…」

「海外ではこのくらいの愛情表現は当たり前です。むしろ何故恥ずかしがるのかが、不思議に思われてしまいますよ。」

「そういえば春樹どのは中学生まで海外に住んでおったのだよな。」

「はい。」

「ここに居ると、春樹どのが普通に思えてくるな…」

「ふふ、そうかもしれませんね。」


南国の風を感じながらのんびりと喉を潤しておった。だが、ジュースを飲み終わったと同時に春樹どのに抱き上げられた!


「うわっ!」

「では、更に踏み込んだ愛情表現を行いますか。」

「は、春樹どの!酔っておるであろう!」

「いいえ。でも日本よりオープンな気分にはなっています。諦めて下さいね。」


にっこりしておるが、有無も言わさぬ笑顔だ。もう、既に諦めておる…

そのまま部屋に戻り、更に踏み込んだ愛情表現を心行くまで実行されてしまった。


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