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夏生詩集3

四面楚歌少年

作者: 夏生

それはちょっとしたこと

たいわいないこと

あいつの口先がトンガって

僕をつついた

それだけのこと


怒って言ったよ

何度も何度も

それでも笑うんだ

あいつもみんなも


何が楽しい?

何がちょっとしたこと?

僕は嫌なんだ

本当に嫌なんだ


知ってる言葉じゃ

僕の気持ち伝えられない

泣くしかないなんてあんまりだ

ぶっても蹴っても

それが枕じゃ意味なくて


恥ずかしいなんて

くやしいなんて

感じない生き物になりたい

泣かない生き物になりたい


僕はあいつを睨んだ

あいつも僕を睨んだ

みんなが僕を睨んでくる

怯みそうな足を椅子に縛って


はじめて知った

誰も守ってくれないと

守れるのは自分だけなんだと


学校へ行きたくない

母さんに告げたよ

どうして、何があったの

もう何回も言ったのに

僕の背中になんでをぶつけてくる


こもっても何も変わらない知っている

一人でいても楽じゃないことも


どこかの誰かは消えてしまったけれど

消えるにはくやしい惜しいこの世界

どうせならあいつをぶん殴ってやろうか

拳握り締めても何か違う


僕を睨んだみんなの後ろであの子が

心配そうに僕を見つめていた

ヒラヒラのスカートの裾を握りながら


あの子の笑顔、また見たい

あの子の声をまた聞きたい

好きだ、と気持ち伝えたい


僕は涙拭いてもう一度カバンを背負って

ドアを開けたよ

あの子に会うために




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