第14話「続編」
「4ページ目ですね。」
何事も無かったかのように工藤が話し始める。
「待ってくれ、ピノッキオ役はもう死んだ。次にどんな話があるんですか?」
「常田さん。ピノッキオの冒険はさっきの部分で1度完結しているんですよ。しかし、かなりのバッシングを受けたらしいです。それもそのはず、あんなバッドエンドで終わるなんて。だから、急遽続編を作った。ピノッキオを生き返らせ、新たなストーリーを作ったんですよ。」
「しかし、あなたが仕込んだピノッキオ役はもう既に死んでいます。この他にまだ人が死ぬと?」
工藤の表情はいかんせん動かなかった。感情がまるでない。
警察の負けで終わると思っていた。逆に終わって欲しさがあったのだが、まだ続くとかとため息をつきたくなってしまう。しかし、ポジティブに考えれば、救える命があるかもしれない。
だが、どうだろう。コイツが既に死体を用意しているとしたら。それだったら無駄足、警察側が圧倒的に不利になる。
工藤の話に耳を傾けること以外は何も出来ないのに変わりはない。今は少しの音さえ敏感に聞こえる。後ろで話したことをタイピングする音でさえも。
「常田さん。僕って捕まるんですか?」
「あなたが共犯だと分かれば、捕まる可能性が高いですね。」
「なんでですか?僕は何もしていませんよ?ただ、童話を話しているだけなのに、なんで捕まるんですか?」
イラッとした。コイツは人の命を弄んで、楽しんでいるくせに、それを1ミリも悪いと思っていないんだ。
「この件に関しては別に、誰も悪いことはしてないと思いますよ。強いて言うなら、悪いのはあなたがた警察なんじゃないんですか?」
この瞬間だけ、ニコッと笑った駆動に対して怒りを抑えきれなかった。手を出さなかったのは長年の経験からくるもの。
しかし、顔や仕草では怒りを隠し切ることは無理だった。警察のどこが悪い?殺しを見過ごしてしまったからか?あぁ、ごもっともだ。でも、お前には言われたくない。元凶のくせに。
怒りを顕にしている常田を前に、工藤は気にすることなく話を進める。
「生き返ったピノッキオは今度こそ学校に行こうとするんですが、とあるものに魅了されてしまうんです。馬車に乗った子どもたちがピノッキオのことも誘って遊びの国へと行くんです。そこでは子どもたちは何をしても怒られたり注意をされたりしない。これが、悪党の狙いだとも知らずにね。ピノッキオはそれに気づかずに乗ってしまい。彼らは連れていかれました。これが4ページ目です。」
次の場所はどこだ?
子どもたちが遊んでいて、何をしても怒られないような夢の国。そうか、この近くにはとあるテーマパークがある。しかし、そこは東京という場所ではない。
それに、最初の家から1番近い場所。遊べるようなところといえば…葛西臨海公園、でいいのか?
すぐに新井に連絡を取った。
今回は先走るのが怖くて、おそらくは指示をしていないだろう。結果はその通りだった。
葛西臨海公園に警察官を向かわせるように指示をした。
葛西臨海公園は確かに子供も楽しめる場所ではある。しかし、本当にこの場所であっているのかという保証は無かった。
少ししてから新井からメールが届いた。
『伊藤成弥さんには1卵性の兄弟がいました。おそらく、次の犯人はその人です。伊藤さんの家には既に警察を向かわせています。』
これこそが、生き返ったピノッキオ役。
時刻は3:15。




