第13話「同じ顔」
3:00。
亜久津は少しの吐き気に襲われた。
パチンコ屋の近く、駅の前にある大きな木で3つの死体がぶら下がっている光景を見て平常心でいられる方がおかしい。
自分たちの不始末だろうか?いや、上の指示だ。それも違うか、上は一応場所を最後に教えてくれた。だが、こんなギリギリで言われたって何ができるというのだろう。
どうにか警察のミスだということを隠す言い訳を頭の中で探し続けた。
少したって、死体の処理が始まる。
急がなければ、死体の穴という穴から色んなものが流れ出てしまう。そうなれば処理が面倒になってしまう。
そして最も大切なのは見られないようにすること。どうにか隠すことができればいいが、さすが東京。東京の中で田舎の方と言っても人は何人かいる。写真を撮られ、ネットに載せられてしまうのも時間の問題であろう。そうなればマスコミも黙ってはくれない。こっちはクソ忙しいと言うのに。
首の縄を取って、遺体を降ろし、運ぶ。すぐに済む作業ではある。それなのに、長く感じてしまう。警察だからといって死に直面するのに慣れているわけではない。
これからもこういった場面に遭遇しなければいけないのかと考えると警察官ながら少しキツイなと感じてしまう。
一緒に来ていた小山も今は何も話さない。
それにしても、一気に3人死ぬとは思わなかった。何故か感じる違和感。その時、木の影から奥の景色が見えた。
少し離れた場所に誰かいる。何故だろうか、その人物には見覚えがあったのだ。顔だけじゃない、格好も…
今回収した死体と同じ姿をした人間がそこにいたからだ。




