第10話「先回り」
警察官である亜久津弘文はとあるパチンコ屋の操作に向かっていた。
隣の席には自分と同期ぐらいの警察官が乗っている。名前は小山龍斗。
なぜパチンコ屋なんかに操作をするのか分からなかったが、上からの指示だそうだ。
自分たちのような警察官にな重要な情報は回ってこない。
「なんでまた、パチンコ屋なんかで殺人が起きるかもしれないんでしょうかね。」
「分からないですね。でも、新井がそう言ったらしいですよ。」
「新井?」
「あれ?知らないの?俺らとほぼ同期だよ。アイツはかなり優秀な方だから、すぐに刑事になったし、無理もないけど。」
意外と話してくれると安心した。同期だという理由だが友達になれそうだなと感じた。
新井、そんな人がいたような居なかったような。
「新井とはまぁそれなりの仲だから、聞いてみたけど事件の詳細は教えてくれなかった。マスコミに流れるのを今は阻止したいらしい。だから、俺たちに与えられた任務は殺人が起きる前に止めること。」
「俺らの時期ってもう1人ぐらい新人がいませんでしたっけ?」
「あぁ、居た気がするな。ちょっと根暗そうなやつだろ?名前は忘れちまったが、アイツも今は何をしているのやら。やたらネットに詳しいのは何となく覚えているけどな。」
もしかしたらソイツも既に出世して刑事になっていたりしてな。自分たちが見窄らしいと感じてしまいそうになってしまう。
パトカーを走らせることに集中して気を紛らわせることにした。
しばらくして目的地に着いた。このパチンコ屋は最初の被害者の家から1番近いパチンコ屋だ。近くには駅もある。
今回は店内に入って捜査を行う必要があるとの事。店長に頼み込み中へと入ることができるそうだ。この時間に起こされて店を開けるなんていい迷惑だろうが、人の命が掛かっているんだ、そんなこと言ってられない。
亜久津は中の担当になった。
隅々まで、店の至る所を見て回る。どこに何が潜んでいるかも分からない。
だが、1個前の遺体を見つけた時と同じ状況なのだとしたら、既に被害者は殺されているかもしれない。
外の警備もかなり厳重だ。怪しいもの、こちらに近づくものを1歩たりとも入れたりはしない。
かなり長い時間、操作は続いた。しかし、それらしきものは見当たらない。外の様子も変わらずで怪しい人物は現れない。
上の命令が間違っていないか。そう疑いたくなった。それなら自分たちは無駄足を取らされたことになる。
小山と合流して少し話していると小山の携帯がなった。
「新井からだ。もしもし?」
「小山!捜査中か?パチンコ屋には何もないのか?」
「くまなく探してみたが今のところ何も見つかっていないぞ。」
「なら、近くにデカイ木はないか!?」
時刻は2:59。




