表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【連載版】魔女の汚名を被ったとしても ~聖女の姉を救うため、過去へ戻り偽聖女と神殿への復讐を誓う~   作者: shiryu


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

19/21

第19話 魔女からの反撃


「――魔女がいるからです!!」


 眼鏡の神官は、わざとらしく指を突きつけた姿勢のまま、ぐるりと周囲を見回した。

 兵士たちの強張った顔も、神官たちの怯えと嫌悪の入り混じった目も――全部、彼の期待通りだ。


(そうだ、その顔だ)


 胸の奥が、ぞくりと高鳴る。


「闇魔法などという忌まわしき術を振るう魔女が、この場にいたからこそ、魔物たちは闇に惹かれ、ここへ押し寄せてきたのです!」

「お、押し寄せてきた……」

「あれだけの数が、治療テントを狙ったのも……」

「魔女のせいで……」


 周りの兵士達や神官がざわめきだす。


(お前たちは今、「魔女のせいで魔物が来た」と自分の口で言い出した。そうなれば、あとは簡単だ)


 周囲の神官たちが、すぐさま声を揃え始める。


「聖女様の御側に、魔女がいるなどあってはならない!」

「このままでは辺境が闇に覆われてしまう!」


 兵士たちの反応は、さすがに神官ほど一色ではない。

 何人かは黙り込み、何人かは戸惑い、不安げに眉をひそめている。


「……でも、さっき助けられたのも事実だろ」

「だが、闇魔法ってのは……」

「魔物が興奮してたのも本当だしな……」


 それでも、揺れている心に「魔女」という言葉を繰り返し叩き込めば――人はすぐに傾く。

 それを眼鏡神官は、嫌というほど知っていた。


(これで、魔女狩りへの土台はできた)


 心の中で、薄く笑う。


(あとは、あの小娘をゆっくりと火炙りにするための薪を積み上げるだけ――)


 そう思った瞬間。


「じゃあ、確認してみましょうか」


 静かな声が、ざわめきを切り裂いた。

 視線が、一斉に一点へ集まる。


 黒髪の少女――レイナが、血で汚れたコートの裾を払いつつ、ゆっくりと顔を上げた。


「私がこの場から離れれば、魔物は来なくなるんですよね?」


 淡々とした口調。

 挑発も、怒りも、表には出さず。

 ただ「確認」と言う。


 眼鏡神官は、一瞬だけ言葉を失った。


(……何を言い出すんだ)


「ど、どういう意味ですか」


 慌てて声を出す。


「あなたはさっき、『魔女がいるから魔物が呼び寄せられた』とおっしゃいましたわ」


 レイナは、彼をまっすぐ見た。


「じゃあ、私が別の場所に移れば――魔物は、もうここには集まらない。そういう理屈になりますわよね?」


 周囲が、ざわ、と揺れた。


「……そ、それは」


 眼鏡神官は一瞬たじろぐ。


(まずい。余計な確認など――)


 口を開きかけたとき、ミネルヴァがすっと前に出た。


「レイナ様」


 相変わらず、柔らかな笑みのまま。


「お気持ちはわかりますわ。でも、そんな危険な真似は――」

「危険なのは、ここも一緒ですわ」


 レイナがあっさり遮った。


「狙われたのは治療テント。お姉様たちがいる場所ですもの。もし本当に、私のせいで魔物が集まったのなら――その『原因』を離した方が安全でしょう?」


 言って、治療テントの布越しに、エリシアへ視線を送る。


「お姉様。仮に私がいない場所にも魔物が来るなら、そのときは――魔女のせいじゃないって、信じてくれる?」


 エリシアは一瞬だけ迷ったように目を伏せ、それからゆっくり頷いた。


「……レイナがそうしたいなら。私は、あなたを信じているわ」


 その言葉に、ミネルヴァの笑みがほんの僅か、歪んだ。


(信じる、ですって……? こんな状況で?)


 だが、表には出さない。

 聖女の仮面は、そんな簡単には剥がれない。


「では――実験、といきましょうか」


 レイナは肩をすくめた。


「ヴァルト様。別の仮設テント、空いているところはあります?」

「ああ、少し離れたところにあるな」


 ヴァルトが短く答える。


「俺と聖女エリシア様、それからレイナはそっちに移動する。ここには、ミネルヴァ様と神官たち、それに何人かの兵士を残せばいい」


「なっ……」


 眼鏡神官の喉がひくりと動いた。


(ミネルヴァ様を残す、だと?)


 ミネルヴァも一瞬、瞳を見開いたが――すぐに取り繕う。


「わたくしは構いませんわ」


 ふわりと微笑んでみせる。


「どこであれ、神の御心のままに――傷ついた人々を癒すだけですもの」


 内心では、声を荒らげていた。


(ここは魔物誘引の草がある……でも今ここで嫌です、なんて言えば)


 こちらの言い分の「魔女がいたから魔物が来た」というのが通じなくなる。

 それは、彼女と眼鏡神官が最も避けたいことだった。


(……いいわ。どうせ魔物は、もう来ないはず)


 誘魔草――正確には「魔誘花まゆうか」と呼ばれる乾燥花を焚いたのは、さっきが初めてだ。

 カルディスからは「一度焚けば、短時間で一斉に魔物を引き寄せる」と聞いている。

 効果の持続時間までは細かく聞かされていないが――少なくとも、同じ場所に続けて群れを呼び寄せるほど長くは続かないはずだ。


(それに、もし第二波が来るとしても……魔女はもういない)


 そのときは、こう言えばいい。

 ――魔女の残した穢れが、まだ残っていたのだ、と。


 そう心の中で言い訳を積み上げながら、ミネルヴァは微笑を深くした。


「では、わたくしはこちらで。皆さま、どうかご安心を」


「おお、さすがミネルヴァ様……」

「神の御心に従ってくださる……」


 兵士たちの何人かが、安堵したように息を吐く。

 魔女がいなくなるというだけで、彼らの表情は目に見えて緩んでいく。


「魔女は、あちらへ行かれるそうですからな」


 眼鏡神官も、わざとらしく肩をすくめてみせた。


「これで、ここは安全でしょう」


(そう、安全なはずだ。魔物はもう――)


 不安を押し殺しながら。


 レイナ、ヴァルト、そして旧聖女のエリシアは、別の仮設テントへ移動していった。

 彼らの背中が遠ざかるたびに、ミネルヴァの心臓は妙に早く脈打つ。

 それを悟られないように、杖を握る指にさりげなく力を込めた。


 魔女が別の仮設テントに移ったあとも、治療は続いていた。

 エリシアは、汗をにじませながらも次々と兵士の傷に光を流し込んでいく。

 ヴァルトとレイナは、そのテントの周囲で監視を続けていた。


『私がこの場から離れれば、魔物は来なくなるんですよね?』


 あの言葉が、本当に正しかったのか。

 それを証明する時間が、静かに流れていく。


「どうやら、本当に静かですね」


 しばらく経って、エリシアがそう呟いた。


「ええ。さっきまで鼻を刺していた甘い匂いも、ここにはないわ」


 レイナが答える。


「にしても、よくあの場でああ言えたな」


 ヴァルトが呆れたように笑った。


「魔女だ魔女だと騒いでる奴らの前で、自分から実験を提案するとは」


「だって、その方が早いでしょう?」


 レイナは肩をすくめる。


「言い訳だけしても信じませんもの、ああいう人たち」


 その頃――。


 元の治療テントでは、別の緊張が高まっていた。


「……なあ、本当に大丈夫なんだよな?」


 兵士の一人が、そっと眼鏡神官に尋ねる。


「何がですか」


 眼鏡神官は、やや不機嫌そうに返した。


「いや、その……さっきは『魔女がいるから魔物が』って……。でも今は、もうその魔女は別の場所に行ったんだろ?」


「そうですとも」


 彼は即座に答える。


「ここには、神の光を司る聖女ミネルヴァ様と、敬虔なる神官たち、それに立派な兵士諸君だけがいる。闇など、欠片もありませんよ」


「だといいんだが……」


 まだ完全には不安が抜けない様子の兵士を横目に、ミネルヴァが小さく囁いた。


「……本当に、もう魔物は来ないのですよね?」


 いつもより抑えめな声、眼鏡神官にだけ聞こえる声。

 その瞳の奥には、張り詰めた光が宿っている。


 眼鏡神官は、その視線から逃げるように空を見上げた。


「神殿長からは、魔誘花の『効果時間』までは具体的に聞いておりませんが……」


 曖昧な言葉が、口をついて出る。


「一度、あれだけの魔物を呼び寄せました。しばらくは、辺り一帯の魔物の数も減っているはず。問題はないでしょう」


(……はず、だ)


 自分で言いながら、その頼りなさに内心で舌打ちする。

 ミネルヴァは、その曖昧さを敏感に嗅ぎ取った。


(この男、本当にどこまで聞いているのかしら)


 それでも、今さら引き返すことはできない。

 自分たちで「魔女のせい」と宣言してしまった以上、ここで何も起こらなければ――魔女の呪い論は成立する。

 あとは、「何も起こらないこと」を願うだけ。


 ミネルヴァは、祈るふりをして両手を組んだ。


 ――だが、その願いは長く続かなかった。


「魔物だ!!」

「また群れが――!」


 喉を裂くような叫びが、再び前線の方から響き渡ったのは、それからそう時間が経たないうちだった。


「なっ……!?」


 眼鏡神官は、思わず顔を上げる。

 丘の向こうから、さっきと同じような黒い影が押し寄せてくる。

 数こそ第一波より幾分少ないが、それでも十分に「群れ」と呼べる規模だ。


「こっちに向かってます!!」


 斥候が叫ぶ。


「なぜだ……!」


 兵士が青ざめる。


「こっちには、もう魔女がいないのになんでだよ!!」

「さっき、『魔女がいるから』って言ったばかりじゃねえか!」


 悲鳴と怒号が入り交じる。

 ミネルヴァの心臓が、どくん、と跳ねた。


(嘘でしょう……!)


 額にうっすらと汗が滲む。

 さっきまで「安全の証」だった言葉が、今や自分の首を締め始めている。


「お、落ち着きなさい!」


 眼鏡神官が慌てて叫ぶ。


「か、神は試練をお与えになるだけです! 聖女ミネルヴァ様が光をもたらしてくださる!」


 ミネルヴァは仕方なく一歩前に出た。


「皆さま、落ち着いてくださいませ」


 声を張る。


「わたくしがいる限り、ここは神の御加護のもとにありますわ」


 そう言いつつも、魔物たちの目に宿る凶暴な光が視界に刺さる。

 さっきより、さらに焦点が合っていない。

 狂騒じみた足取りで、まっすぐこのテントを目指している。


「構えろ!」

「テントを守れ!」


 兵士たちが盾と槍を構える。

 しかし、さっきの戦いで疲弊している者も多い。

 武器を握る手が震えている兵士もいた。


「う、こ、こないで……」


 テントの中で、負傷者が怯えたように呻く。


(こんなところで、わたくしが襲われでもしたら……)


 聖女の威光に傷がつく。

 それだけは避けなければならない。


「や、やはり闇の穢れがまだ残っているのです!」


 眼鏡神官が、自分を鼓舞するように叫んだ。


「さきほどまで魔女がいたせいで、この地は穢されている! だから魔物が――」


 言葉の途中で、柵が弾け飛んだ。

 猪型の魔物が、怒涛の勢いで突っ込んできたのだ。


「うわああっ!」

「押し込まれるな!」


 盾が軋み、兵士が弾き飛ばされる。

 その隙を縫って、狼型がテントに向かって走る。


「きゃっ――!」


 ミネルヴァは思わず後ずさる。

 足がもつれ、椅子に躓きかける。


(だめ、こんなところで転んだら――)


 それでも、狼型の牙は容赦なく迫ってくる。

 腰が抜けたように、その場から動けない。

 眼鏡神官もまた、青ざめた顔で杖を握りしめることしかできない。


(ま、まずい……このままでは私が……!)


 魔物の赤い瞳が眼前に迫った、その瞬間――。


「――『影縫い』」


 低く、冷えた声が響いた。

 地面に落ちていた狼型の影から、黒い糸が伸びる。

 狼の四肢を一瞬で縛りつけ、そのまま地面に叩きつけた。


「ギャンッ――!」


 悲鳴を上げる隙もなく、その影から槍が生え、狼の喉と胸を貫く。

 飛び散る血糊が、ミネルヴァの頬にかすかにかかった。


「……っ」


 視線を上げる。

 そこには、黒髪の少女――レイナが立っていた。

 さっきとは別のテントに移ったはずの彼女が、いつの間にかここに戻ってきている。


「遅くなりましたわね」


 レイナが、肩越しにヴァルトへ声を投げる。


「間一髪だったな。まあ、これで疑いは晴れただろうが」


 ヴァルトが、魔物の群れへ向けて炎槍を放ちながら答えた。


「残り、片付けるぞ」


 再び戦いが始まる。

 だが、今度は様相が違った。

 ヴァルトの放つ炎槍が、群れの中心を次々と焼き払う。

 レイナの闇の槍が、突破しようとする個体を片端から串刺しにする。


「う、うおおおっ……!」

「エインズワース卿が来たぞ!」

「さっきの魔女も一緒に戦ってくれている……!」


 兵士たちは、混乱と安堵の入り混じった声を上げる。

 だが、戦力が増えたことだけは確かだった。


 やがて、第二波の群れも、じわじわと数を減らし――最後の一体が影槍に貫かれたところで、ようやく静寂が戻ってきた。


「……ふう」


 ヴァルトが炎を収め、肩を回す。


「本当に、厄介な騒ぎを起こしてくれたもんだな」


 レイナは、荒い息を整えながら周囲を見渡した。

 負傷者は確かに増えている。

 だが、致命傷は――エリシアが、駆けつけて次々と癒やしていた。


「大丈夫ですか?」

「っ、聖女様……」

「光が、温かい……」


 ミネルヴァは、その光景をテントの端から見つめていた。

 足がまだ震えている。

 さっき、自分に向かってきた狼の牙を思い出すと、背筋が冷たくなった。


(危なかった……本当に、あと少しで……)


 そのとき。


「……やはり、魔物誘引の草を使ったか」


 ヴァルトの低い声が、テントの外から聞こえてきた。

 ミネルヴァの心臓が、どくり、と跳ねる。


(なっ――)


 眼鏡神官も、顔を引きつらせる。


「い、いったい、何の話です?」


 無理やり声を絞り出す。


「さっきから、妙に甘ったるい匂いがすると思っていたがな」


 ヴァルトは、鼻先に指を当てながら歩いてくる。


「魔誘花――だろう。乾燥させて焚けば、魔物を興奮状態で引き寄せるやつだ」


「魔物を……誘う……?」


 兵士たちの顔色が変わる。


「さっきの群れも、今の群れも――動きが自然じゃなかった。まるで匂いに引きずられてるみたいだったからな」


 レイナが一歩前に出る。


「匂いの源は、まだ残っているはずですわ」


 そう言って、軽く目を閉じた。


(――『感覚鋭化』)


 闇魔法で嗅覚を研ぎ澄ます。

 甘い匂いの筋道が、空気の中にくっきりと浮かび上がった。

 それは――テントの中へと続いている。


(やっぱり……)


 レイナは、迷いなくテントへ入っていった。

 兵士たちが慌てて道を開ける。


「ちょ、ちょっと、何を――」


 眼鏡神官が慌てて声を上げる。


「匂いの元を探しているだけですわ」


 レイナは淡々と答える。


 向かった先は――ミネルヴァの荷物が置かれている一角だった。


「や、やめなさい!」


 ミネルヴァの声が鋭くなる。


「勝手に人の持ち物を――」

「ここから、一番強く匂いますもの」


 レイナは、構わず手を伸ばした。

 上等な布で包まれた小さな巾着袋。

 見た目は、ただの香り袋のように見える。


 だが、巾着の口を開けた瞬間――むっとする甘い匂いが、さらに濃く広がった。


「……やっぱり」


 レイナの瞳が細められる。


「これですね。魔誘花」


 巾着の中には、乾燥させた薄い花弁が幾枚も詰められていた。

 白かったはずの花弁が、乾燥と薬品処理のせいか、わずかに灰がかった色をしている。


「そ、それは……!」


 眼鏡神官が青ざめる。


「ミネルヴァ様の持ち物です! 聖女様の私物を勝手に――!」


「へえ、ミネルヴァ様の持ち物でしたのね」


 レイナは、敢えてその部分だけを強調した。

 ミネルヴァの顔色が、さっと変わる。

 兵士たちの視線が、一斉にミネルヴァへ向く。


「魔物を引き寄せる花を、聖女様が……?」

「さっきから、ここの周りだけ妙な匂いがしてたのは、それか……」

「待てよ……じゃあ、魔物は本当に――」


「ま、待ちなさい!!」


 眼鏡神官が、顔を真っ赤にして割って入った。


「これは、きっと魔女の影響が残っていたからだ! ここにはさっきまで魔女がいたのです! 闇の穢れが残り、そのせいで魔物が――」


 必死の言葉は、途中で切り裂かれた。


「じゃあ次は、ミネルヴァ様にその花を持ってもらって」


 ヴァルトが、ぼそりと呟く。


「レイナは町の中に引っ込めて試すか?」


 静かだが、よく通る声だった。

 兵士たちが、はっと息を呑む。


「そ、そ、それは――」


 ミネルヴァの喉が震える。


 ヴァルトは、冷えた視線で彼女と眼鏡神官を見据えた。


「魔女の影響が残ってるって言うなら、今度は『魔女抜き』で試せばいい。花を持つのはミネルヴァ様。場所は、さっきと同じ前線近くのテント。魔物が集まるかどうか――それで、どっちの言い分が正しいか、すぐにわかる」


「な、なんてことを……!」


 眼鏡神官が叫ぶ。


「聖女様を危険な場所へ――」


「さっきは、聖女エリシア様もここにいたが?」


 ヴァルトの声が、さらに冷たくなる。


「危険な場所に聖女様を連れてきたのは、お前たち神官だろう。違うか?」


 言葉が、喉に詰まる。


「……そ、それは……」


 ミネルヴァの唇が、震えた。

 兵士たちの視線が、一斉に二人へと向けられる。

 さっきまで「魔女」へ向けられていた疑いと恐怖が――今は、別の標的を探している。


(やめて……こっちを、見るな)


 ミネルヴァは、必死に笑みを作ろうとした。

 だが頬の筋肉がうまく動かない。

 喉が乾き、声が出ない。


「……続けますか?」


 レイナが静かに言った。


「『魔女がいるから、魔物が呼び寄せられた』って話」


 その瞬間、追い込まれていたのが誰なのか――はっきりと、場の全員が理解した。



面白かったら本編の下の方にある☆☆☆☆☆から評価を入れていただけると嬉しいです!

ブックマークもしていただくとさらに嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ