里帰り
「何!?」岸田先輩は驚いていた。
そこまで大きなことではないのに、先輩は少し大げさだ。
「来週の月曜日と火曜日がないからおばあちゃんがいる田舎へ帰ろうかと思っただけなんだけど…」私は少しあきれてつぶやいた。
「4日も会えないのか~?おおかみよ、どうしてこんな罰を下したのだ~!」それを見て、私は吹き出した。「何がおかしいんだよ」私は笑いながらもぎりぎり答えることができた。
「だって先輩、それ、今までで一番いい演技ですよ」すると、思った通りの反応が現れた。「演技とは失礼な!本当の心だよ!」私は頷いた。そんなこと、分かっているからだ。
「冗談ですよ~、ふフ、先輩、私が何歳だと思ってるんですか?」先輩は少し考えてから答えた。「えっと…十…歳?」私は違う意味でまた吹き出してしまった。
「15です!なんで10歳が高校に入学してるんですか!」先輩または少し考えた。「なんでって…魔法かな?」一瞬とぼけているのかと思ったが、違った。「先輩…魔法を信じてるんですか?先輩こそ10歳なんじゃ…」先輩の顔が一瞬で真っ赤になった。「そ、そんなわけないだろ!」私はまた笑ってしまった。「何で鳴くんだよ!」だが、私は答えなかった。「内緒」
『今、電話していい?』私は震える手でメッセージを送った。
今はおばあちゃんの家に留まっている、大体あと2日半ほど止まる予定だ。すぐに返事が返ってきた。
だが、返事はメッセージではなかった。『プルルルル…プルルルル…』電話がかかってきたのだった。
「わわわわッ!」私は焦った。とったほうがいいのか、とらないほうがいいのか。
すると、横から手が伸びてきて、通話開始ボタンを押した。「!?」私がびっくりして後ろを見ると、そこにはおばあちゃんが立っていた。
おばあちゃんの顔を見ると、「頑張りな」という優しいが、いたずらっぽい目で見てきていた。
「あの…マシマシ…」もしもしではなく、間違えてマシマシといってしまった。
『マシマシ』反対側から聞こえてきたのは変な人の声だった。
!? 私は固まった。『マシマシ、俺オレ。ちょっとお金を借りたいんだけどさ…』どうやらボイスチェンジャーを使っているようだ。
「誰?」私はひっそりと聞いた。『ダーカーラー、僕だって』急に声が戻った。やっぱり岸田先輩だ。「もー、驚かさないでくださいよー!」
彼はどうやらベッドの上で寝ころんでいたのか、きしむ音が聞こえてきた。『ちょっとボイスチェンジャーをスマホに入れたからさ、使ってみたくて』
「その試しを俺俺詐欺に使う人は先輩だけだと思いますよ!」彼はそれでも笑い出し、私もつられて笑い出してしまった。
「ッじゃなくて!謝ってください!」すると、レンガフェンスの向こう側から顔が現れた。「シー」結局私が近所の人に謝らないといけなかった。
『それで、何の話をしてたっけ?』私はもうため息をついた。「やっぱり何でもない」それから私たちはなん十分も話し続けていた。
どうやらおばあちゃんがそれをこっそりと盗撮していたようだ。「これ、壁に張ろうかしら」おばあちゃんは上機嫌だった。
「やめてー!」




