先輩の卒業!…
時間は一瞬で過ぎていく。
いくら願っても、止まってはくれない。
もうすぐ出先輩になるのか… 私はため息をついた。
そこまですごいことではない。
だが、悲しいのだ。
岸田先輩は卒業していくのだ。
星田先輩も。
「先輩~…」私はしょんぼりしたまま先輩のところに行った。
先輩はいつものように生き生きとしていた。一緒じゃなくなるのが、そこまで気にならないことなのだろうか。
「ん?どうしたんだ?」先輩はきょとんとして私を見てきた。
私は涙目で先輩に飛び込んだ。
先輩は驚いていた。そりゃあ、驚くだろう。
私の勘違いに。
「離れるの、いや~」
だが、先輩はきょとんとしたままこっちを見てきた。
「離れるって…何の話だ?」私もきょとんとし返した。
「だって…卒業が…」どういう意味なのかが分かったらしく、先輩は吹き出してから、笑い始めた。
先輩は笑いきれなかったのか、それから少しの間は笑っていた。
笑いを止めたのはただ単に、息が切れたからだ。
「いや、僕はまだ高2だよ、なんで入学…じゃなくて卒業するの?」私は目を点にした。
私はどういうことか気づき、顔を赤くした。そういえば何年生なのかを知らなかったのだ。
それは普通、おかしなことだが、私は知らなかった。それは事実だった。
私はあまりにも焦りすぎて、その場から逃げていった。
私は自分の教室に入ると、ササッと自分の席に座った。
「…」私は自分の席で頭を掻くした。
顔が熱かったからだ。
少しすると、冷たいものがほっぺたに冷たいものが当たった。
びっくりして飛びのこうとしたときに、頭を打った。
ゴン! 誰だったのかはすぐにわかった。
私は頭を抱えていた。「だ、大丈夫?」そこにいたのは岸田先輩だ。
先輩は申し訳なさそうに私の頭をさすった。
その手をのけることができなかった。
なぜかというと、先輩の手が冷たかったからだ。
それに私が気づいたのを見て、先輩はにやりと笑った。
「ついさっき、冷やしてきた」どうやら冷たい水に浸して、氷のような温度にしたらしい。
「こうなるのは予想外だったけど…」先輩は苦笑いをしてから私を見てきた。
だが、何かを放すこともなかった。ずっと静かなままだったからだ。
「???」私は先輩の顔を見て。首をかしげた。
先輩は私が見ているのを見て、咳払いすると、何かを言った。
「とりあえず、僕は卒業しない。星田は別だけどね、今度は僕が部長になってやる!乗っ取るぜ!」
彼がワーワーと告げていた時、私は顔を真っ青にして先輩を見ていた。正確には、先輩の後ろを見ていたのだ。
「ん?どうしたんだ?」先輩は私を眺めてきた。
「誰の何を乗っ取るだって?」先輩の後ろには星田先輩がいたのだ。
「へ?」先輩は後ろを見ると、顔を真っ青にして逃げようとした。
だが、どうやらそれはできなかったらしく、教室から引きずり出されていった。
「ああぁ…」私は見送るしかなかった。
星田先輩は私を見て、にっこりして手を振ってきた。
私は小さく手を振り、見送ったのだった。
その後、向こうのほうから大きな声が聞こえてきた。
多分、星田先輩が岸田先輩にワイワイ言っていることだろう。
1年生はなんだ?というように見ていたが、2年生と3年生は見向きもしなかった。
理由は、もう慣れている、かららしい。




