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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

超常的オカルト現象研究探索記録

嘘の噂

注意※分かりにくい表現、誤字脱字があるかもしれません。「そんな駄作見たくねぇよケッ!」と言う人は見ないでください。


ご了承下さい。

 私には一つの趣味がある。まだ中学生の弟にテキトーに考えた噂を流し込んで中学校に流すことだ。


 特に最近は怖い話を。やはりそう言う噂は一瞬で広がるのだ。皆刺激的な話題を求めているし、それを聞きたがっている。


 私がやっていることを簡単に説明すれば、需要と供給だ。噂話と言う廃れることの無い需要を、うら若き中学生共に供給してやっている。立派な趣味だと自負している。


 今回流したのは、私でも傑作だと思っている。何せ文才が無い私がここまで事細かに設定を作れたのだ。十分な自信作。


 それは、とある箱の話。コトリバコをパクった……では無く、オマージュした傑作だ。


 ある中学生の女の子、まあAちゃんとしよう。何の捻りも無くて済まない。Aちゃんは友達のTくんとKちゃんと一緒に山の上の神社に遊びに行った。そこには神主の意向でブランコがあったからだ。田舎の村だとそう言う遊具も少ない所為で、何時もの遊び場と化していた。


 すると、Tくんが遊びで神社の縁の下に潜り込むと、ある箱を見付けた。びっしりと漢字が黒い墨で書かれている紙が貼られている不気味な箱だったらしい。


 Tくんがそれを開けようと札をびりびりと破り、地面に敷かれている砂利の石で箱を叩いた。ようやく穴が開くと、Tくんが中を覗いた。


 すると、感嘆の声をあげると同時に、そのままずっと中を覗いたまま目を離さない。心配になったKちゃんが話し掛けると、笑いながらKちゃんにも中を覗く様に促した。


 すると、今度はKちゃんもその箱の中を興味深そうにじっくりと見詰め始めた。Aちゃんは不気味に思い、決して覗こうとはしなかった。むしろ「そのちんけな箱を見るのは辞めて遊ぼうよ」と言っていた。


 だが、相変わらずTくんとKちゃんは笑いながらその箱を互いに渡して見て、渡して見て、更には奪い合って殴り合いの喧嘩を始めた。


 流石にAちゃんもおかしいと気付いたのか、神社の神職の人を奥から呼んだ。宮司の人はぎょっとした顔をすると、二人の喧嘩を力付くで抑え込み、その箱を奪い取った。


 破り捨ててあった札と一緒にその箱を持ちながら宮司の人は拝殿の奥へ走って行った。


 すると、TくんとKちゃんは突然泡を吹いて倒れてしまった。それでもずっと笑いながら、目をぐるぐると回しながら、腕をびくびくと動かしながら、悶えていた。


 その時、Aちゃんは辛うじて見えた。その二人を両腕で抱えている、黒い靄の姿を。それはすぐに霧散して姿が見えなくなってしまったが、確かに見えたのだ。


 その後は良く分からない。宮司の人にAちゃんは帰され、次の日に出会ったTくんもKちゃんも何も話してくれなかった、いや、何も覚えていなかったから。


 ……と、まあ、怖さと言うか、未知の恐怖を再起させる話を作った。もう噂が広まっている頃だろう。ふっふっふ……今頃噂は中学校中に広がるだろう……。


 さて、高校に遅れない様に急がないと――。


 ――私の趣味はもう一つある。噂を流した後に弟から中学校の噂の広がり具合を聞くこと。


 話を聞く限り、どうやら順調に流れているらしい。自分でも驚く程に。同時に今日の放課後に神社に探検しに行った大馬鹿者もいるらしい。


 ……ただ、少し妙なことが一つある。どうやら本当に箱が見付かったらしい。噂は本当だったんだと大賑わい状態らしい。


 そして、見付けた弟がその箱を持って来たらしい。色々大丈夫だろうか?


 渡された箱は、確かに私が作った噂話と同じ。貼られている札に書かれている漢字は……「南無大師遍照金剛」


 南無阿弥陀仏では無く南無大師遍照金剛。ネットで簡単に調べてみると、「弘法大師空海に帰依する」と言う意味らしい。


 ……何で? いや本当に何で? と言うかこの箱、何?


 疑問がぐるぐる回る。弟から箱を奪い取って自室で色々調べてみた。


 どうやらこの箱に貼られている紙は、市販の接着剤っぽい? それに箱の作りも粗末だ。こう思うと、多分中学生が面白がって作って神社に隠したって所か。


 驚いた。まさか偶然にも本当なのかと思っていたが、どうやらこれは悪戯好きの中学生による悪巫山戯の可能性の方が高そうだ。


「……開けて、みる? いやでも……まあ、大丈夫でしょ」


 何せ薄い木の板だ。ドライバーで何度か突き刺せば穴の一つでも開くだろう。親の工具箱からドライバーを拝借し、何度か力強く突き刺した。


 何度か回せば、簡単に貫けた。小さな小さな穴からは、吸い込まれる様な闇が見えた。……覗いてみようか。箱を振ってみると、からからと中から何かが当たる音が聞こえる。何か中に入っているのだ。


 ……覗くくらいはきっと大丈夫だ。だってこれは私が作った噂の物では無い。覗くくらい、きっと大丈夫だ。


 そーっと、静かに、若干の好奇心を心に染み渡らせながら、貫いた穴を覗き込んだ。……中が真っ暗で見えない。えーと、懐中電灯何処にしまったかな……。


 懐中電灯を探し出し、引っ張り出して、懐中電灯で中を照らしながらまた覗いた。……うーん、何か入っている様な気がするが、分からない。


 小さな影は見えているが、それが何なのか分からない。形状は、丸い。真ん丸だ。


 もう少し抉じ開ければ取り出せるだろうか。ドライバーでもう少し抉じ開けてみた。


 まだ取り出せない。いや、もう少しだ。もう少し穴を広げれば……うーん、お、取れそう。


 何度か振ってみると、ようやく出て来た。床のカーペットに落ちたそれを拾い上げ見詰めてみると、ようやく正体が分かった。


 人形の目だ。それも精巧な作りで、しっかりと瞳孔も虹彩も描かれている。大きさは私の掌より小さい程度。これを付けていた人形の大きさと精巧さが良く分かる。


 だが、何でこんな物が? 悪巫山戯にしては妙だし、気が狂っているとしか思えない。


 何だか笑ってしまう。不思議と笑いが込み上げて来る。だって、こんなに可笑しい。


 つい笑ってしまって、その人形の作り物の眼球を握り潰してしまった。すると、握り潰した眼球の中から、黒い虫がいっぱいに溢れ始めた。


 私の手を這って腕まで上がって来るそれ等を振り払い、すぐに距離を取った。床に落ちた多くの小さな小さな虫達は、私に素早く走り始めた。


 背筋に嫌悪感が張り付いて、すぐにその場から逃げ出した。そうしないと本当に駄目だ。あれから逃げないと、何か嫌な予感がする。


 部屋から飛び出すと、誰かが私の首を掴んだ様な感覚がした。


 誰!? この部屋には私以外誰もいないはず……!!


 首を締め付けるその感触は、まるで火を触ってしまった様に熱く、焼ける様な痛みが首に広がる。


 嫌だ。笑いたくない。笑っている暇は無い! 速く、早く、疾く、逃げないと、死ぬ……!! ああ……嫌だ……! 振り向いたら駄目だ!


「ははっ……ははは……あははははは!!」


 何で笑ってるの! 嫌だ嫌だ嫌だ!


 私の頭は少しずつ後ろにいるであろう、何かを見ようと、動いていた。


 見るな! 見るな見るな見るな!


 私の意思では無い。私の意思なんかじゃ無い。だってこんな……!


「あれは嘘です! だから違うんです! 私が流した嘘の噂なんです……!! だから……!! あはははははっ!!」


 見るな見るな見るな! だって――。


「縺頑ッ阪&繧」

「ちがっ……! ちがう……そんなんじゃない……!」

「縺頑ッ阪&繧、縺頑ッ阪&繧」

「だからちがう! はははは!」

「縺頑ッ阪&繧薙□縲ゅ%縺」縺。縺ォ譚・縺ヲ縲ゆク?邱偵↓陦後%縺??」

「あはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!」


 あははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは――

















『未明、自室で、橋爪綾さんが焼死体で発見されました。火災が起こった痕跡は無く、綾さんは体だけが焼けており、衣服には一切燃え移った痕跡もありませんでした。現在警察は詳しい原因を調――』


『橋爪綾さんの弟、橋爪斗真君にインタビューを――』


『嘘は吐かない様に』

『噂話は程々に』

『呪いは返る』

『呪いは孵る』

『呪いは変える』

『呪いは帰る』


「嘘は程々に。初めはきっと、君だから」

最後まで読んで頂き、有り難う御座います。


ここからは個人的な話になるので、「こんな駄作を書く奴の話なんて聞きたくねぇよケッ!」と言う人は無視して下さい。


気を付けて下さいね。怪異はいるのでは無く、産まれるので。


いいねや評価をお願いします……自己評価がバク上がりするので……何卒……何卒……

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