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ワケあり回復術士  作者: 涼鈴
序章:奉仕
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第十三話 幕間です。守護騎士ルガルドII

 村に奇跡が起こった。


 枯れ果てた大地は恵に溢れ、それを聞いた外の人間もそれにあやかろうと集まってきた。


 実った作物は高値で取引され、村は見た事がないぐらいに潤っていった。


 そして、今まで祈っていた女神様への信仰は、より強く、深いものへと変わっていった。


 例に漏れず、自分もその一人であり、より女神様に仕える為に、聖騎士なるものを目指すようになった。


 聖騎士とは統で、四柱の神々の信仰のもと、人々を守る為に戦う騎士だ。その上に聖女様の為に存在する守護騎士という存在もいる様だが、自分には縁遠い話だろう。


 正直剣の腕なんて粗末なものであり、騎士として戦える実力なんてありはしなかったが、女神様への気持ちだけは誰にも負けるつもりはない。


 そして自分は導かれる様に、間を空けず王都へと旅立った。



 *



 家族や村の皆には快く送り出してもらったので、ある程度の路銀は頂戴していたが、王都に着いてからは自分で稼がないとならない。というのも、聖騎士の募集は年に数回行われる形になるので、それまでは他の仕事を熟す必要がある。


 どうせなら腕を鍛えようと、冒険者として働こうと思ったが、残念ながら俺に受けられる仕事はなかった。


 王都の性質上、周りに発生する魔物は王国騎士が片付けており、王都の冒険者組合に来るのは遠方の、強力な魔物の討伐依頼ばかりだ。


 結局俺が始めた仕事は統から受けられる雑事の依頼だった。


 王都には中心部にドーンブライト大聖堂があり、その他にも様々な教会が点在している。その中の一つの教会を頼った形になる。


 老人の世話であったり、重い荷の運搬。そういった細かい依頼を統は募集し、人々に仕事を与えていた。


 ある日、いつもの様に依頼を受けようと教会に向かうと、丁度シスターによる回復魔法での治療が行われているところだった。


 本来なら数日以上の時を経ることで回復する傷も、魔法によって一瞬で回復する。


 村ではこの様な奇跡を目にすることなぞ皆無だったので、自分は酷く興奮していた。


 それに聞くところによると回復魔法は女神様の祝福によるものらしい。


 出来る事なら自分もその力で人を救いたい。そう考えるのは必然だ。


 しかし、シスターに回復魔法を教えてくれないかと頼み込んだが、にべもなく断られてしまう。


 曰く、回復魔法は統に見出された人間しか修める事が出来ないとのこと。


 だが、自分はそんな事で諦める事は出来ない。


 迷惑は承知で一日一回、回復魔法を教えてくれるよう、毎日頼み続けた。


 一月も経たない程度で教会の神父さんが音を上げ、中央の大聖堂への紹介状を認めてくれた。


 単純に回復魔法を教わりたかっただけなのに、いきなり大聖堂に行くことになって酷く緊張したのを覚えている。


 今となってはなんて無謀かつ傍迷惑な行いをしていたのだろうかと思うが、この行動があって今があるため、後悔はしていない。



 *



 その後、日を改めて大聖堂へと赴き、聖堂前の騎士に紹介状を渡すと、怪訝な顔をされながらも中へ通された。


 とあるシスターの前に案内されると、くどくどと「適性がなければ回復魔法を教えることは出来ない」「そもそもあなたの様な年齢から魔法を習い始めても大成はしない」と言ったことを告げられた。


 回復魔法の特殊性に関しては既に聞いていたし、年齢的な問題についても、自分にとっては問題ではなかった。


 少しだけでも、僅かでもいい。感じられる否かは問題ではなく、女神様が自分達人間に与えて下さった祝福をこの身で試してみたい。


 回復魔法を使って人を救えるのなら、それに越したことはないだろうが、女神様の祝福に近づきたい。


 ただそれだけだった。


 そんなありのままの気持ちをシスターに告げると、何かに驚いたのか目を見張り、溜息をついた。



「いいでしょう。貴方が女神様を想うその気持ちに偽りはない。護るべきものを護れるのであれば、許可いたしましょう」



 自分の予想を裏切り、シスターは俺が回復魔法を学ぶ許可をくれた。


 勿論、最初から諦めるつもりなどなかったが、こうもすんなりと事が運ぶとは思っていなかった。


 この時の俺は気づいていなかったが、このシスターは統の中でもそれなりの立場の人間だったらしい。事ある事に恩を着せてくるが、無下にも出来ないため、対処に困っている。


 そんな彼女のおかげで、俺は回復魔法を学び始めた。



 *



 結論から言えば、俺は回復魔法を使える様になった。


 習い始めは魔法行使の初歩である魔力の感知すらおぼつなかい有様ではあったが、聖騎士として登用され、日々の任務と並行して魔法をならい続けて、気づいたら五年が経っていた。


 大した傷も癒せぬ程の効果ではあったが、確かに自分は回復魔法を使える様になっていた。


 件のシスターは自分が回復魔法を使えるようになったことを知ると、驚きのあまり「は?」と声を上げたきり、数分間はろくな反応も返すことも出来ないでいた。


 それほどまでに非常識な例ではあるようだが、俺は確かに女神様の祝福をこの身に受けたのだった。

積んでいた小説を読んだり、新作のゲームをしたり、新生活に慣れる様に努力していたりしていたら、あっという間に時間が過ぎ去っていました。


色々設定の変更とか次の話の詳細を詰めていたりはしていたのですが、遅遅として進んでいないというのが現状ではあります。


書く気はあるので、怠けず書いていこうと思います。

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