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第23話 後輩の美少女JKだけがいつもそばにいてくれて。

「……んっ……」


 冷たい。

 おでこがひんやりとしてる。


 冷えピタかなぁ……。


「あ、起きました?」


「……ひ……め、たに……?」


「だいじょうぶですか? 息苦しくないですか? ダルくないですか?」


「……ぅ、ん……なんか、ちょっと体調、よくなった……気がする……」


「実はお薬飲んでもらいました。もしものときのためにってママから渡されてたんです。ルルア〇ックEX。これ、陽葵も昨日飲んでよくなったんで効き目は保証しますね」


「ぁ……そぅ、だったんだ……ありがとぉ……」


 ちらっと窓を見る。

 もう外は真っ暗だ。

 

 いま何時だろう……。


「ひめたに……おまえ、帰らないと……」


「なんで帰るんですか? 陽葵、今日はずっとせんぱいについてますよ」


「でも……こんな部屋にいたら……風邪移っちまうんじゃ……。それに、おまえ……今日バイトあったろ……」


「それなら休んじゃいました♪」


「……っ、なんで……」


「だってせんぱいと同じシフト入れないならバイトしてる意味ないですし」


 なんだよ、あのときの言葉は本当だったのか。

 

「てんちょーすごく怒らせちゃいました。というか、陽葵クビって言われました。せんぱいも同じみたいです。てんちょーが伝えろって」


「そっ、か……」


「ごめんなさい。陽葵のせいです。同時にシフト休んだりしたから」


「なんで……姫谷が謝るんだ、よ……」


「だってせんぱい。バイト代必要だったじゃないですか。ほら、VTuberのスパチャとか」


「もう、いいんだ。あれは」


「え?」


「んはは……姫谷の言う通りだったし。一生関わりないって、ほんとそのとおりだったよ」


 いくらスパチャ送っても、るしらちゃんが実際に俺になにかしてくれるわけじゃない。

 本当に俺を助けてくれたのは……。


「えっ、せんぱい? なんで泣いてるんですかっ!?」


「泣いてなんか、いねーけどさ」


 そう口では言っても熱い涙が溢れてくる。


 どうして俺はこんなにも捻くれてるんだろうな。

 身近に俺のことをこんなにも思ってくれるやつがいたっていうのに。


「ごめんなぁ……おまえに、バカなことしちゃって……」


「バカなこと……。たしかにそうですけど。いまでも湖のこと意味分かんないですけど。でも、許してあげちゃいます。だって陽葵。せんぱいのかわいいかわいい後輩ですから♪ 陽葵の慈愛はえぐいですよー? せんぱいをずーっと愛しちゃうんです」


「……おま、それおかしいじゃん……」


 人間として最低のクズ野郎にどうしてそこまで言えるんだよ。


 姫谷なんか陽キャのイケメンと付き合って、しあわせになってなきゃいけねーだろ。


 なんで俺みたいな陰キャのド底辺といつも一緒にいるんだよ。

 こっちこそ意味分かんねーって……。


 でも、姫谷は俺の目をまっすぐに見つめてきて。


 その瞳は暖かな光をたたえていた。

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