第20話 いつも先輩を想っている後輩の美少女JK。
お昼休み。
わたしは教科書をしまいながら考えてた。
(キス……。せんぱいとわたしがキス……)
朝、ママに言われたその言葉が気になって授業の内容はまるで頭に入ってこなかった。
先輩とキスしてしまった……。
そのこと、わたしぜんぜん覚えてない。
先輩に感謝の気持ちを伝えなくちゃって、そう思ったことだけは覚えてるんだけど。
熱でぼーっとしちゃってたから、昨日あれからどうなったか。
正直そこまで思い出せない。
でもキスか……。
先輩とキスしちゃったんだ、わたし。
なんかそのことを考えると、胸がドキドキしてきて、息をするのも苦しくなって。
(うん。やっぱりちゃんと会って確認しよう)
なんでそんなことしたのか、先輩の気持ちを聞きたい。
それにちょっと文句だってある。
あんなことされて風邪ひいちゃったんだし。
☆★☆
いつものように2年生の教室へ。
でも佐藤先輩を見つけることはできなかった。
おかしいな。
昼休みに先輩が教室にいないなんて。
ぼっちだからいつもスマホ見てひとりで過ごしてるはずなんだけど。
近くにいた女子の先輩に声をかけてみる。
「あのぉ、すみませーん。佐藤先輩って今日見ました?」
「あっ、ひまたこだー。エスパちゃんのダンス動画見たよ? ちょーバズってたね」
「あざたこでーす♪」
「うちらも色々上げてるんだけど、ぜんぜんバズんなくて」
「運よくおすすめに乗ってるだけですよぉ~。それで、佐藤先輩っていますか?」
「あー佐藤? あの陰キャなら今日休みみたいだけど?」
「え、休み……ですか?」
「あんさ。いつも気になってたんだけど、なんであんな陰キャといつも一緒なの? ひまたこのためにもあんまよくなくない?」
「……ごめんなさい、失礼しますっ!」
わたしはお辞儀をしてその場を後にした。
これまで佐藤先輩が学校を休んだことなんて一度もなかった。
どれだけクラスで浮いててもバカにされても、不登校にならなかったのが先輩だ。
すぐにLINEでメッセージを送る。
『せんぱぁ~い。なんで今日休んじゃったんですかー?』
それから授業中も連続で何度も同じ内容のメッセージを送ったけど既読はつかず。
なんで?
わたしのLINEぜったいにすぐ見てくれるのに。
(なにかあったんだ)
気付けば放課後になってた。




