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第60話 散会

 俺達は朝食を食べ終えた。

 みんなそれぞれ仕事があるので、門まで見送ることにした。

 

「で、いつから始められるのでしょうか?」

 アバンス商会のアイザックさんが聞いてくる?

 いつから?

 なにを??

 

「それは勿論、王都から戻られた後ですよね。失礼いたしました」

「あっ、いいえ…」

「妻にも宣伝しておきますから。きっと人気が出ますよ」

「あっ、ありがとうございます…」

 俺はとりあえず、お礼を言った。



 俺は記念にとワインをお土産に渡すことにした。

 赤ブドウがもう無いので、黄色の白ブドウで白ワインを造った。

 『創生魔法』でガラスでボトルを創り、その中に入れコルクで蓋を栓をした。

 みんなに渡すと、とても喜んでくれた。

 特に商業ギルドのアレックさんと、アバンス商会のアイザックさんは口をあんぐり開けていた。

 いったいどうしたんだ?

 




「では、気を付けて!!」

 俺は門のところまで出て、みんなに手を振り見送った。

 後で商業ギルドにボタンの特許の申請と納品に行かないと。


「さぁ、片付けだ」

 昨夜、焼肉をしたテーブルは、そのままにしてあったからだ。


「そうね」

「早く片付けましょうか」

「洗い物もあるのね」

「食べた後て、大変よね」

「テーブルはどうするのかしら?」


 あれおかしい?

 確か残っているのはオルガさんと、アリッサさんだけのはずなのに…。

 聞こえてくる人の声が多い。


 良く見ると見送る側にオルガさんとアリッサさんの他に、冒険者ギルドのコルネールさん、商業ギルドのノエルさん、Dランクパーティ『餓狼猫のミーニャ』の3人娘がいた。


「みなさん、お仕事はどうしたのですか?片付けは大丈夫ですから、お気遣いなく」


 チッ!!

「エリアス君なら増えても、気づかないと思ったのに…」

 誰かが言う声が聞こえた。

 なに言ってますか?俺をどう言う風に見ているのですか?

 では、お帰り下さい。


 ギィ~~~。

 皆が帰り俺は門を閉めた。


 俺は焼肉をしたテーブルのところに戻り片付けをする。

 と、言ってもストレージに全部収納し、その中で汚れを別に収納する。

 これで魔道コンロもテーブルも綺麗になった。

 洗い物要らずです。


 そして俺達は屋敷に入った。


◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇


 私、アイザックはこの歳まで、これほど驚いたことは無かった。

 商業ギルドのアレック様と、帰り道をご一緒している。

 遅れて屋敷から出て来たノエル様も付いて来ている。


「しかしエリアス様には驚かされましたな、アレック様」

「えぇ、そうですね。あれ程、大規模だったとは」


「しかしこれほどの『レセプション』に招かれたのは初めてです」

「レ、『レセプション』ですか?」


「えぇ、エリアス様は私に『お披露目会』と言っておりましたから」

「そ、そうですね…」


「しかしお店が新規オープンする前に、関係者や友人を集めて開催するのが披露目会ですが、ここまで大掛かりな贅を尽くしたものは初めてです」

「そ、そうかもしれません」


「ワイルドボアとビッグベアの高級肉を頂き、しかも展示販売を兼ねているとは…」

「どう言う…」


「実際に目で見て使ってみて良ければ、我々商人なら購買意欲がかきたてられます」

「確かにそうです」


「そして僅かな間に彼は、アリッサさんを仲介人にして数億を稼いだのです」

「あれはやられました。さすがアリッサさんです」


「しかしあれだけの冷蔵庫、照明の魔道具、魔道コンロは見たことがありません」

「その通りです。まさか、あそこまでとは…」


「そして温泉施設です。あんなふんだんに、お湯を使えるなんて夢の様でした」

「そうですね、普段はお湯さえ沸かすのが大変ですから」


「そして2階の遊戯施設です。ボウリング、ゴブリン叩きゲーム、ベアベアパニックなど。あんな楽しい思いをしたのは初めてです。まるで子供の頃に戻ったようです」

「あんな遊びがあるなんて」


「そして、それを実現できるエリアス様の発想と力が凄いと思います」

「えぇ、あんな屋敷を短期間で造るのですから」


「そして『綿』と言われる生地です。収縮性があり肌に優しく柔らかい。麻やウール生地はありますが、あんなに素晴らしいものは今まで扱ったことはありません」

「確かにそうです。とても着心地が良いものでした」


「そのパジャマとタオルケットを頂けるなんて。確かに一度は着たものですが…」

「気前がいいですよね、まったく」


「それもありますが見本とは思いませんか?」

「見本ですか?」


「実際に一晩着て着心地を体験させ、こんな商品もありますよ、と言うように」

「だから『展示販売』ですか?」


「そうです。エリアス様の凄いところは温泉宿として考えれば、温泉を堪能し遊戯施設で遊び、3階のレストランで休み美味しいものを食べる。これで1回の利用料をお客様から頂けば良いのです」

「そうですね。あの設備なら多少高くても商家のお金持ちから、貴族の方まで来るでしょう」


「温泉として利用し魔道具やタオルは、お金があれば購入することができるのです。そして購入できない人は入浴料を払って使いにくればいい」

「その考えは凄いな、売れればその1点当たりの金額は1,000万円以上にもなる」


「私もドライヤーなど気になるものはありましたが、予算をすでに超えてしまいました。それに王都で売ること前提でしたから、私もコンロや冷蔵庫を購入することができたのです」

「それでもそれだけの価値はあるでしょう」


「アリッサさん達が許可を出せば、施設と同じ住宅も造りそうですな」

「エリアス君は不思議な人だから。常識が我々とは違うらしい」


「そしてある意味、考えは我々の上を行きます。私が思うにはあの施設そのものが、魔道具やタオルを含めて全て売り物だと思うのです!!」

「な、なんと。そんなことが?!」


「私にもっとお金があれば、あの施設と同じ方式で家を建ててほしいと思います」

「夢の家ですね」


「それにお土産に頂いたこの白ワインです。今まで色んなお祝いごとに呼ばれましたが、こんなに豪華な引き出物を頂いたことはございません。この気泡の入っていない、スタイルの良いガラスボトルの綺麗なこと。まるで芸術品です」

「この白ワインを売ったら数百万、いいえマニアなら1千万で買うかもしれん」



「そ、そんなにするんですか?」

 いつの間にか追い付いたDランクパーティ『餓狼猫のミーニャ』3人娘がいた。


「それに近い金額で売れます。価値があるのは中のワインではなくボトルですから」

「ど、どうしよう!!こんな高価な物をもらって…。それに焼肉を食べると聞いただけだから、手ぶらだったし」

「大丈夫です、それは私達も同じですから」

「でも…」

「それにみなさん、いい記念になりましね。ボトルを見てください」

「えっ?!」

 


 ボトルの下の方に今日の日付が刻まれていた。


 『ジリヤ国西暦1192年6月29日』


 よく見ると見方によってはこう見えた。


 1192(いいくに)29(つく)6(ろう)月と。

 読んで頂いてありがとうございます。

 今は『1192(いい国) つくろう 』ではなく、『1185(いい箱)』みたいですね。

 どんな箱だろう?

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