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第43話 先物買い

 俺達は飲食コーナーに移動した。

 6人掛けの席にオルガさんと並んで座った。

 そしてDランクパーティ『餓狼猫のミーニャ』の3人と向き合う。 

「まず私から自己紹介します」

 そう言うとエメリナさんの自己紹介が始まった。


「私はエメリナ、15歳。剣士で雉虎キジトラ猫族です。おでこや頭頂部を撫でられるのが好きです」

 なんだエメリナさんて15歳、俺と同じだったんだ。

 やはりこの世界の人は、独り立ちが早いせいなのか大人びて見える。

 茶色ベースの髪に耳や尻尾は黒い縞模様が入っている。


 次の女の人は明るい灰色の髪の色をしていた。

「私はマルガ。14歳。狩人で鯖虎サバトラ猫族です。私は耳の付け根、後頭部、首まわりが好きです」


 最後の1人は白地に茶と黒の毛が混じった髪の色をしている。

「私はシュゼット。15歳です。剣士で三毛ミケ猫族。感じるところはあごの下、背中、特に尻尾の付け根です!!」


 う~ん。結局、彼女達が言っている~猫族て柄模様の事だよね?

 オルガさんの虎猫族もトラ柄と、言うことだし。

 猫族が違う柄同士で結婚して、出来た子供の柄が違ったらどう言うんだろう?

 その子の名乗る種族も柄の名前に変るのかな?

 でも聞けないな。




「それでエリアス様は…」

 エメリナさんが俺に聞いてくる。

「エリアスで良いですよ」

「そ、そんな、オルガさんがいる前で、いきなり呼び捨てなんて」

 この人は、なにを言っているんだろう。

 お見合いでもないのに。


「では俺の自己紹介をします。エリアスです15歳。Eランクです」

「まあ、私達の同い年だなんて。もっと若く見えました」

「エリアスはこの国では珍しい黒髪だ、それに童顔だからな。10~12歳くらいに見えたのかな」

「それはひどいよ。オルガさん」

「まあ、身長があるから、さすがにそうは思わないだろうけどな」


「それではエリアス君と呼ばせて頂きます」

「はあ?」

「エリアス君の、空きはまだありますか?」

「空き?」

「はい、空です」

「まだ彼女達の入る余地があるか聞いているのさ」


「えっ?!だってオルガさんが居るんですよ」

「だから空きがあるのか聞いているのさ」

「どういう事でしょうか?」


「エリアスは本当に世間知らずだな。この国は一夫多妻制なんだよ」

「一夫多妻制?」

「そうだ。経済力がある男は、家を守るためにも複数の女性を娶るのさ」

「でも俺は守る家も無いですよ」


「後は経済力がなくても、これから伸びそうな男には唾を付けておくことさ」

「でも俺には…」

「エリアスにとって何でもないことが、人によっては魅力的に映るものさ」

「それにオルガさんは、それでいいのですか?」


「あぁ、それで構わない。お前を独占できるとは思えないからな。それにこの国では好きな男ができて、結婚しても仕事が無くて生活できないことが多い。生活を考えたら第二夫人でも愛人でも構わないのさ」

「なんだか浮気を公認されているみたいですね」

「勘違いするなよ、浮気ではなく本気なら構わないと言う事さ」

「なんだか、良く分かりません」

「獣人族は自分より強いものに引かれる。エリアスは、私より強い。だから私を大切にしてくれるなら構わない」





 えっ!!

 Aランクのオルガ姐さんより、Eランクのエリアス君の方が強いなんて?!

 まだ知られていないと言う事?

 私の勘に間違いはなかったわ。

 やっぱり先物買いね。

 なんとか隙間を見つけておかないと。



 私は雉虎キジトラ猫族のエメリナ。


 冒険者ギルドにきたら、久しぶりにオルガ姐さんがいた。

 私は嬉しくなって近寄った。

 隣にはこの国では珍しい、黒髪の10~12歳くらいに見える少年がいた。


 聞くとこの華奢な少年と2人でパーティを組み、一緒に暮らしていると言う。

 そのエリアスとか言う少年から、姐さんの匂いがプンプンしている。

 姐さんは少年趣味だったのかと思ったけど、よく見るともっと年上かもしれない。


 私の敬愛するオルガ姐さんが、なんでこんな少年と思っていたけど…。

 解体依頼でマジック・バッグから出された、2m級の巨大なワイルドボアに驚かされた!!

 その巨大なワイルドボアを倒したのは、オルガ姐さんだと言うのは納得できる。


 でも問題なのはそのマジック・バッグの容量だ。

 流通しているマジック・バッグのほとんどが古代遺跡から発掘されたものだ。

 そして大半が1m四方くらいの収納能力しかない。

 

 その程度のものでも貴重品を仕舞うには重宝する。

 しかしそれでもDランクの私達では手が出せないほどの高級品だ。

 それが2m級のワイルドボアを収納できるなんて。


 その上ビッグベア1匹、シルバーウルフが5匹。

 キラービー(蜂)8匹、キラーアント(蟻)6匹、センチピード(ムカデ)5匹を出すなんて!!

 馬車1台分の容量があれば、国宝級と見なされその価値は計り知れない。


 なぜ、これほどのバッグをこんな少年が…。

 もしかしたら、この少年はどこかの御曹司様。

 


 オルガ姐さんはエリアス君のことを、世間知らずと言っていた。

 世の中のことを勉強するために冒険者をやる彼を、オルガ姐さんは守りつつ親しくなるなんて。

 さすがは姐さんだわ。


 それなら話が分かる。

 オルガ姐さんが魔物を倒し、エリアス君がそれを収納する。

 魔物の討伐は回収が問題になる。

 どんなに価値のある魔物を倒しても、持ち帰れなければ売れないからだ。

 その点、彼のマジック・バッグがあれば…。


 そして世間をオルガ姐さんが教えていくうちに2人は相思相愛になり、いつしか2人は御曹司様と冒険者の禁断の恋に…。 

 キャァ~~?!素敵!!


 しかも隙間に冒険者ギルドの受付アリッサさんが、いつの間にか入ってきている。


 しまった!

 もう少し早く出会っていれば、1人分の隙間はあったとう事だ。

 なんとかしてもう1人分、いいえ、狭くても良いから3人分空かないかしら。

 だって冒険者なんて不安定な仕事、できるならやりたくない。


 私達3人は12歳で村を出た。

 村は貧しく私達を食べさせるだけの余地がなかった。

 アレン領で冒険者を始めた時に、世話になったのがオルガ姐さんだった。

 何も知らない私達を一から教えてくれた。

 そのおかげで今の私達がある。

 

 でも冒険者の仕事はいつ死ぬかもわからない。

 

 だから経済力がある相手を見つけたいの。

 良い男はすでに虫が付いている。

 でもエリアス君ならまだ間に合いそうだわ。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 創生魔法、面白いですね! 生産系のお話が好きなので、楽しく読ませて頂いてます。 [気になる点] 『ハーレム』タグがない作品でhitして読み始めたのですが、、 女性キャラがガツガツしてる描写…
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