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第121話 開拓と訪問者

 朝、俺はアリッサさんとオルガさんに、ちょっと出かけてくることを伝えた。

 夕方には戻ってきてね、とアリッサさんに言われた。

 子供か?

 その内『あまり遠くに行くんじゃないよ』なんて言い出さないよね?


 それから俺は城門の外に出た。

 目指すのはドゥメルグ公爵が言っていた、国が所有していない場所。

『アスケル山脈方面に進み、街から歩いて2時間くらいのところ』だ。

 街から歩いて2時間くらいなら、俺の身体能力なら走れば30分かからない。



 ここら辺から森に入ればいいのか。

 ドゥメルグ公爵から聞いたことを思い出している。


『アスケル山脈方面に進む分には、いくらでも好きにして構わない』と。

 では頂こう!

 ストレージ収容!

 街道から目的地に向け目の前の樹林や土を、ストレージに収容し道を作っていく。

 道幅は馬車が二台通れて、なおかつ人が左右に一人立てるくらいの幅にした。



 街道から入り目的地に着いた。


【スキル】エリアサーチ発動!

 広範囲に鑑定魔法を使って、魔物の魔石を捜す。

 そして魔石=魔物が居るということになる。

 だから魔物を捜したり、逃げたりするには丁度いスキルだ。


 だけど変だ。

 魔物の数が以前よりも少ない気がする。

 まあ、いいか。


 まずは場所造りだからだ。

 最初は分からないから、広さは野球のグラウンド10面分くらいでいいか?


 四角く整地された土地の奥に収容した土で地面を均《なら》し、木、鉱物、岩を使い建物を土地の中心の奥に創った。


 アレン領の本館と同じ構造にした。

 正面は大きな階段があり、左右はフロアになっている。

 一階はホール、大階段、食堂、客間、居間、台所、洗濯場、風呂場。

 二階、三階は部屋が七部屋ずつと各階にもトイレが付いている。


 じょう水場を創り台所に配管を引き、じょう水場経由で川に流れるようになった。

 これでろ過ができ排水、給水は魔道具で行う。


 同時に河川から村に水路を引き、飲み水や生活水に使えるようにしておいた。

照明は全て魔道具に『ライト』の魔法を付与し、屋根には『ソーラーパネル』ならぬ『魔素吸収パネル』を設置した。

 大気中にある魔素を吸収し電力代わりにすることができる。


 氷と風と火の術式を付与し冷蔵庫やエアコンも作った。

 後は住みながら順番に揃えていくしかないか。


 城壁は収納した木々を使い奥行き1m、高さ10mくらいにした。

 このくらいあれば、魔物対策にもなるだろう。


 門も鉱物で創り片側の幅も2m、高3mくらいで創った。

 りっぱな門構えだね。



 そしてここから開墾だ。

 畑予定地に向い両手を広げる。

 ストレージで目の前の土を膝くらいの深さまで収納。

 両腕を広げた三倍くらいのところまで横に範囲を広げる。

 今度はそのまま前に進んで行き10mくらい進み止める。


 ストレージの中で軟らかく砕き、土を元の高さまで埋めていく。

 これを繰り返していくだけだ。


 それから俺は、開墾をしてから街に戻った。





 昼頃、俺が屋敷に帰ると、来客が来ていると門番さんが言う。

 門の中には立派な馬車が止まっていた。

 その馬車には見たことのある紋章が付いていた。

 そして護衛の騎士らしき人もいる。

 あれ?ファイネン公爵家の紋章だよね?

 観光かな?


 本館に入るとアリッサさんが待っていた。

「エリアス君、どこに行っていたの」

「うん、ちょっとね」

「お客様が来ているわ」

「ファイネン公爵様ですか?何のようでしょう?」

「分からないわ。わざわざ遠くから来てくれたのよ」

「そうですね、会いましょうか」


 俺はの客間のドアを開けた。

 するとノエルさんの顔が見え、手前のソファにはファイネン公爵が座っていた。

 ノエルさんが相手をしていてくれたんだ。

 助かります。


「いらっしゃいませ、ファイネン公爵様」

「やあエリアス君、いや『愛し子』様とお呼びした方が良いかな」

「エリアスでいいですよ」

 横を見ると奥様のナタリア様と娘のエリザ様も一緒だ。


「今日はどうされたのでしょうか?観光でしょうか」

「あぁ、それもある。アレン領は素晴らしい。食文化が発展し人がたくさん訪れる。我が領や他の領からも人が訪れているようだ」

「そうみたいですね」

「それから調味料だ。醤油タレは我が領でも、この短時間で料理には欠かせないものになっている」

「ありがとうございます。では我が施設も楽しんでいってください」

「ああ、そうさせてもらおう。また夜に会おう」

 い、いえ、営業は15時までなので夜は…。

 するとノエルさんが頷く。


「分かりました。お話しはその時に伺いましょう。ではこちらにどうぞ」

 そうノエルさんに言われ、ファイネン公爵達は施設の方に歩いて行った。


 門の中にいる護衛の人達は、どうするのかな?

 あのまま?

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