表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
109/254

第109話 目標

 夕方になり俺は、アリッサさんとオルガさんに呼ばれた。

 商業ギルドのノエルさんを、迎えに行く時間になったからだ。


 3人で商人ギルドに向かう。

 中に入るとノエルさんが、ギルドの人に挨拶をしていた。

 帰るだけなのに大げさだな?


 ノエルさんは振り向き俺に気づく。

「エリアス様、お待たせいたしました」

 そう言った。

 俺は今来たところですけど…。

 アリッサさんとオルガさんは頷いている。


 俺達はノエルさんと一緒に商業ギルドを出た。


「私の泊っている宿屋はあそこです」

 そう言われみんなで宿屋に入ってい良く。

 

 この国は賃貸で家を借りるより、宿屋に寝泊まりした方が安く食事も付いてくる。

 自炊しなくても良いので、宿屋暮らしの人が多い。

 

「この部屋です」

 そう言われ俺達は中に入る。

「荷造りはしておいたので…」

 ノエルさんに言われ部屋の中を見ると、風呂敷の様な布の中に服が入っていた。

 

「エリアス君、頼むわ」

 アリッサさんに言われ、俺は首を傾げた。

 うん?


「その荷物をエリアス君の()()()()()()()()で収納してほしいの」

 あぁ、そう言うことか。

 ノエルさんはストレージのことは知らないからね。

 俺は言われた通り荷物をストレージに収納した。


「さあ、行こうか」

 オルガさんが言い、みんな後に続く。

 ノエルさんは宿の人と別れを惜しんでいる。

 あれ?

 これからノエルさんは、どこに行くのかな?

 

 アリッサさんを先頭に4人で歩いている。

 このままいくと、俺達の屋敷だけど…。

 あぁ、やっぱりそうだ。


 本館の中に入り俺達の部屋がある三階に上がる。


「私達はエリアス君の両側の部屋だけど、ノエルさんはどうする?」

「では私はエリアス様の向かいの部屋で…」

 二階、三階は各七部屋ある。

 階段がある関係で三部屋ある向かい側が四部屋だ。

 俺は三部屋の真中に住んでおり、その両側がアリッサさんとオルガさんの部屋だ。

 では四部屋側の向かいの部屋がノエルさんか。


 でもどうしてだ?

 あっ!わかったアパート経営だ。

 部屋は余っている。

 それを利用して、人に貸そうと言う事か。

 なんだ、みんなも言ってくれればいいのに。

 

「エリアス、ノエルさんにも家具のセットを出してあげてくれないか」

 オルガさんに言われ、ストレージの中で『創生魔法』で言われた物を創った。

 ベッド、テーブル、椅子4つ、タンス、三面鏡ドレッサーと椅子のセットだ。


 ノエルさんは三面鏡を見て、とても嬉しそうに眼を輝かせていた。

 そして俺はストレージに仕舞っていた、ノエルさんの荷物を出した。


「明日は寝具を買ってこないとな。まあ、今日は良いけど」

 なんてことを言うんだオルガさん。

 寝具の無いベッドで、ノエルさんに寝ろと言うのか。

 

「今夜はノエルさんの歓迎会ね。なごみ亭に美味しいものを、食べに行きましょう」

 アリッサさんがそう言う。

 そして4人で『なごみ亭』に向った。


「こんばんは!」

「あら、いらっしゃい!!」

 サリーさんが迎えてくれる。

「4人前でお願いします」

「わかったわ。空いている席に座ってね」


 席に座って待っているとこの店の看板娘、10歳のアンナちゃんがサリーさんと一緒に食事を持ってやってきた。

「お待たせ、エリアスお兄ちゃん」

「ありがとう、アンナちゃん」

「ねえ、エリアスお兄ちゃん。その女の人は()()()?」

「あぁ、ノエルさんだよ」

「そういうことを言っている訳ではないのよ?!」

「では、どう言う?」

「また女の人が増えたの?て聞いているのよ」

「いや、そう言う訳では…」

「じゃあ、どう言うことよ。エリアスお兄ちゃんは体力馬鹿なの?奥さんが2人も居てまだ足りないの?そんな無駄な体力があるなら、他のことに使いなさい!!お父さんなんてお母さん1人で、へた…」

 モゴ、モゴ、モゴ、

 見るとお母さんのサリーさんが、鬼の形相でアンナちゃんの口を手で塞いでいる。


「アンナ、何言っているのかな?ちょっと、こちらに来なさい」

 ズル、ズル、ズル、

 そう言うと奥にアンナちゃんを引きずって行った。


「かわいい子ね」

 ノエルさんが笑っている。

「おませさんなんですよ」

「人気があるのね、エリアス様は」

「そんなことはないですよ」

 俺達は夕食を済ませ屋敷に戻った。



「美味しかったわねオルガ」

「そうね、アリッサ。エリアスの調味料を使って、料理のレシピも教えているもの」

「さすがアンテナショップね」

「アンテナショップとは、なんでしょうか、オルガ様」

「なんだっけ?エリアス」

「俺が代わりに説明します。口で美味しいと言っても伝わりません。特に調味料や料理はそうなります。そこで試しに販売してもらい、お客の反応を見ることです」

「それはいい考えです、エリアス様」

 ノエルさんは感心している。


 そこからみんなで他愛の無い話をした。

「それでは、そろそろお風呂に入りましょうか」

「そうねアリッサ。エリアスみんなで入ろうか?」

「な、なにを言っているのですかオルガさん。ノエルさんも居るのですよ?」

「いいじゃないか。別館はこの時間、お客がいないんだから」

「いえ、そういう問題では…」

「あぁ、そうか。エリアスは後でじっくり楽しみたいタイプか」

 な、何を言っているのかな?

 オルガさん?


 俺達は入浴を楽しみ部屋の前まで戻って来た。


「それじゃあ、お休み~」

「おやすみなさい。エリアス君、ノエルさんに優しくね。お手柔らかに」

 そう言ってオルガさんとアリッサさんは、自分の部屋に入って行った。


 優しくて。

 するとノエルさんは、自分の胸辺りで両手をモジモジしている。

「こ、今夜からよろしくお願いします」


 こ、こう言うことか!

 寝具が無くても、良いと言うのは。


 そして今夜は俺と…。

 頭一つ背が低いノエルさんを、俺は抱きしめた。





 この世界に転生してきて3ヵ月。

 現実味がまるでなくて、ゲームの世界に居るようだった。

 だから無茶もできた。


 でもこれは(まぎ)れもない現実だ。

 そしてこの人達とこれから俺は生きて行こう。


 それには目標をもとう。

 この世界で俺にしかできない大きな目標を…。





 と、日記に書いておこう。

 つけてないけど。


 (=^・^=)ミャオ~~~~~~~~ン!!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
読んで頂いてありがとうございます。
もし面白いと思って頂けたら、★マークを押して応援して頂けると今後の励みになり、とても嬉しいです。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ