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第101話 お好み焼き

 俺達は住居兼作業場の話で、時間が少し遅くなった。

 遅い朝食を食べに6人で『なごみ亭』に向った。


 忙しい時間帯を過ぎたせいなのか、比較的店の中は空いていた。

 

「おはようございます!サリーさん。6人前お願いします」

「まあ、今日は大勢なのね」

「えぇ、アルバンさん一家も一緒です」

 昨日挨拶に来た時にサリーさんもいたから、アルバンさんの顔は知ってる。


「エリアスお兄ちゃんの嫁のアディです。お兄ちゃんがいつもお世話になってます」

「まあ、かわいいお嫁さんね」

 サリーさんが微笑む。


「なに!エリアスお兄ちゃん。これはどうゆうことよ?!」

『なごみ亭』の看板娘10歳のアンナちゃんがむくれている。


「私はまだ子供だから、オルガお姉ちゃん達のことは仕方ないと目をつむったわ」

 なにを言ってます?


「この女は何よ!私と同じくらいじゃないの?」

「エリアスお兄ちゃん、この女だあれ?」

 アディちゃんが聞いてくる。


「この『なごみ亭』の看板娘、アンナちゃんだよ」

()()アディです。初めましてアンナ()()()

「なにが、アンナちゃんよ!!あんた何歳よ?!」

「9歳よ」

「な、なんですって!!私は10歳よ!!私より年下に手を出すなんて、エリアスお兄ちゃんの節操なし!!」

「それがなにか?昨日から私達は同じ屋敷に住んでいるわ」

「な、なんですって!!」

 いや、だって奴隷だし。

 でも今日から建物が違うから。


「うふふふふ。プラトニックだけでは、男女は駄目なのよ」

 な、何かしましたか俺?


「パコ~~~~ン!!」


 アリッサさんのハリセンがアディちゃんを叩く。

「痛い?」

 アディちゃんが痛くないのに、思わず両手を頭に載せていた。

「ほう、これが『オチ』を付けるということですか?分かりました」

 アルバンさんが感心している。


「おい、なにを騒いでいるんだ?」

 厨房からビルさんが出て来た。

「おはようございます!ビルさん。アルバンさん一家と今日は来ました」

「おお、あんたは昨日の…」

「お父さん聞いて。またエリアスお兄ちゃんが新しい女を連れて来たのよ」

「なにを言っているんだアンナ?」

「アルバンさん親子には昨日から同じ敷地に住んでもらっています。調味料作りを手伝ってもらっているので」

 俺はそう説明した。

「ほう、そうなのかい」

「家族共々、よろしくお願いいたします」

 アルバンさんが挨拶をした。

「こちらこそ、よろしく頼むよ」


「ビルさん、今時間は空いていますか?お話があります」

「あぁ、良いけど話はエリアス君達の料理を出してからだな」

「そうでしたね」

 それから俺達は 朝食を食べた。


 食べ終わった頃、ビルさんがやって来た。

「で、話って何だい?」

 商業ギルドにソース、醤油、マヨネーズ、醤油タレを卸すことを伝えた。

 そして『なごみ亭』でも店頭販売してほしいと話した。

「それは助かるよ!」

「店頭価格は統一しているので、店の取り分は1/3ですけど」

「俺にはそんな難しい話は分からないからな。任せるよ」

 そう言うとビルさんは笑う。



 ソースとマヨネーズがあるなら、食べたいものがある。

「ビルさん、新しい料理方法があります。やってみませんか?」

「おう、教えてくれるのかい?助かるよ」

「ではさっそくやりますか」

 俺はそう言うとストレージから、魔道コンロとフライパンとボウルを出した。


 そしてまな板と材料、キャベツを出し千切りにした。

 ボウルに小麦粉、『味元あじげん』、キャベツを空気を含むようによくかき混ぜる。

 フライパンの上に生地を流しスプーンの角を使って、約2cmの厚みになるように押し広げ焼く。

 

 生地の上にバラ肉を3枚載せる。

 そしてヘラを使い裏返えす。

 そしてまた裏返して焼く!

 ソースをスプーンすくい生地にぬる。

 そしてマヨネーズを網状に垂らして。


 はい、お好み焼きのできあがり~!


 辺り一面にソースのいい香りが漂う!


「食をそそる、いい匂いだ。なんという料理だい?」

「はい、好みの物を入れて焼く。お好み焼きです」

「お好み焼きか!それはいい。さっそく店にも取り入れてみるよ」

「はい俺も後で商業ギルドに、特許を出しておきます」


 



 俺達は屋敷に戻って来た。

「エリアス様、ソース、醤油はどこで作られているのでしょうか?」

 アルバンさんが聞いてくる。

 それはそうだろうな、それらしい建物も屋敷には無いから。


「ソース、醤油はあるところ(ストレージの中)で創って、あるところ(ストレージの中)に収納しています」

「そうでしょうね、私達の作業場を見ればわかります。創る時に一時いっときだけ場所があれば、それ以外はマジック・バッグに収納しておけばいいのですから。あんな大容量のマジック・バッグは見たことがありません」

「そのことは秘密ですから」


「わかっております。私も商人の端くれ、マジック・バッグの価値は分かります」

 こうしてエリアス商会は開店した。



 その後、エリアス商会はたくさんの料理レシピを商業ギルドに申請した。

 開示する金額もとても価格が安く、大勢の人が料理方法を知ることが出来た。


 小麦粉などの粉物を使った料理がたくさん増え、街の人達がソース、醤油、マヨネーズ、醤油タレの味を知るのに時間は掛からなかった。


『なごみ亭』はこれを機に、宿屋を辞め食堂に専念した。

 アレン領は調味料により食の街と呼ばれる程に、多くの料理文化が芽吹いた。

 

 のちの歴史学者によれば、それにはどんな料理にも欠かせない調味料があったこと。

 そしてそれを提供している、エリアス商会の存在が大きかったと言う。

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