目覚め
暗闇の中を彷徨う
上も分からず下も分からない
ここが現実なのか夢なのか分からない
ここは思考をする事が気怠く怠惰になる。
何処と無くから声が聞こえてくる。
聞き慣れた声だ
仲間の………仲間の声だ。
どこだ?!仲間は!
どこにいる!突然居なくなって!
出てこいどこにいる!!!
頭に浮かぶのは大渦に飲まれる自分
そして仲間も飲み込まれ
最後まで耐えた自分は狂気に陥る。
思考が遮られ夢の中の様に一人暴れまわった。
自分が仲間の事を考えたくないと言う訳では無い
考えようとしても外的要因で思考がマイナスに
なっていたんだ。
今なら分かる死ぬ間際なんだから
全ての記憶が鮮明に思い出せる。
ここで死ぬのかとそんな無念な思いで手を突き出す
何かを掴む様に失った大切な物を
掴む様にそしてその腕は地に落ちる。
そして覚悟を決めた時フッ、と違和感を感じた。
何故だ、何故死なないのだ。
傷の痛みも引いている
弓矢が貫かれた腹は傷がなく
違和感もそれほど感じれなかった。
「起きましたか、あれ程の重傷では仕方の無い事ですかね、私はジェントルです。
では、話をしましょう、貴方のためにね」
話しかけて来たのは奇妙な服装をした
ゴブリンだった。
記憶の中で薄っすらと覚えている
ゴブリンとは違うとコボルトは感じる。
「俺が、殺しかけたゴブリンは無事なのか?」
この言葉には驚いた反応で
「ほう、殺されかけたのに殺しかけた
方の心配をするとは………ますます事情を聞かなくてはなりません、か」
ジェントルと言ったゴブリンは
どうしたものかと首を傾げる。
それもそうだアーチルからは
かなり凶暴で好戦的言葉を使わなかったと
聞いている。
だが今目の前にいるコボルトはどうだ?
戦った相手を心配し
更に会話も知性を感じさせる
落ち着いた物腰で戦った時にやってしまったと
そんな、雰囲気さえ漂ってくる。
「一つ聞きたいのですが
もしかして、戦いたくて戦った訳では無いのですか?
アーチルからは戦闘狂の様だと聞いたのですが」
コボルトはその話を聞き
頭の耳を塞ぐ
「すまない、戦った、いや、戦わされた
理由を言おう
実はある所で……そう、大きな草原で冬が来るから大移動をしていた時だったんだ。
俺は村の長として
皆の者を引っ張り移動していたんだが
そこで大きな黒い物が出て来たんだ
不気味に思ったんだ
だから近くに寄らない様にしていたんだが
……………
それは俺たちを追う様に追従し
だんだんと大きくなって行ったんだ
黒く、いや闇と言うほどの物に恐怖し
俺たちは!逃げたんだ!!
そう!逃げた!
だが!遅かった!!
その時には!もう……
もう………
ああああぁぁぁあぁあああぁぁぁあぁぁ!!!!」
コボルトの体から黒いモノが吹き出る。
それはコボルトを蝕む様に広がっていく
やがてコボルトの全身を包み込むと
「グロォイゥ!!」
「呪い?何でしょう?
分かりませんね、ダンジョンの眷属化を
跳ね除ける精神支配ですか?
ならばもっと上位の
このダンジョンより強力な何かが」
ジェントルは
襲い来るコボルトを一撃で気絶させる
そうすると黒いモノはコボルトの中に
収まる様に戻っていく。
(寄生している?
生き物の様に、
黒いモノから視線を感じたんですが………)
コボルトから視線を外さず長考する。
やがて自分では分かりかねないと
判断し寝室ではなく
鍵のある部屋に軟禁する。
(私の居ないところで暴れられると危険ですからね
少しの間だけ軟禁させて頂きます。)
ジェントルはコボルトを抱きかかえると
思考を巡らす。
そしてふっと気づいた事を口にする。
「そう言えば名前を聞いていなかったですね」
その一言を発すると
(マルクス)
思考が犯されるような
闇の底から聞こえてくる声が聞こえてくる。
ジェントルは気絶しているコボルトを見ると
(危険ですね)
思考を切ると急いで
部屋に移動させた。
(魔物に関して私より詳しい
者に聞かなければならないですか……)
ダンジョン二階層
ジェントルは二階層のボスに話を聞く
聞かなくても分かると思うがアイツの事だ。
「ラット少しばかり時間を取らして貰っても良いですか?」
その言葉に黒い毛並みのジァイアントラットは
「どうしたんだ?何があった、
時間ならいつでも空いてるが」
「そうですね、私が見たことの無い
魔物、と言えば良いのか分かりかねますが
少しこのダンジョンに良く無いものが
来たんですが。
生物に詳しい貴方なら分かると思いまして」
そのラットは顔に皺?を寄せて
「お前が知らない生物?
そんな物少数だぞ?
どんな奴なんだ?」
「体は黒く、黒い靄を出しながら寄生し、
感情の起伏が大きくなると宿主を狂暴化させます」
ラットは俯きながら
自分の記憶を探る。
「いや、知らないな
果てしなく近い生物がいるが
それは神の使いの類い
お主が言った特性とは正反対の外見に
能力だ。
が、考えれるとしたら………
いや、忠告だけしとこう、もし、最悪の事を考えるなら…………神に気おつけろ」
次の話で神について触れるZE




