僕と先生
キーンコーンカーンコーン。
下校の時間を知らせるチャイムがなりました。
今僕が居るのは自分のクラス、5年4組の教室です。
下校時刻なのになぜ帰らないのかというと、担任の先生に残っておくようにと言われたからです。早く帰りたいです。
あ、ちょうど先生が来ました。
「悪いな、残らせちまって。」
「いえ、別にいいですけど。何か用ですか?」
「いやな、ちょっとお前相談に乗って貰おうかと思ってな。」
「そうですか、でも乗りたくないんで帰りますね、さようなら。」
「ちょ待てよ!」
「いや先生、全然似てません。ていうか、なんですか?」
「相談乗ってくれよ!」
ったくめんどくさいですね。
「しょうがないですね、では話してみて下さい。」
「実は…」
「あ、先生、それ長くなりますか?」
「あぁ、少しな。」
「じゃあ、無理です。見たいドラマの再放送があるんで。」「そんな冷たい事言わないでさ〜。」
「ちょっと、離して下さいよ。マヨネーズ大作戦始まっちゃうじゃないですか。」
「いいから。」
「いや、よかないですよ。離して下さい。」
「俺とお前の仲だろ?」
「いやそんなに仲良くないですよね僕達。ホント何なんですか?いいかげん離して下さい。」
「後でガリガリ君買ってやるから!」
「ブラックサンダーもいいですか?」
「わかった。」
「それならばマヨネーズ大作戦は我慢します。話して下さい。それと、離して下さい。」
「あぁ、そうだな。すまんすまん。」
「で、相談とは?」
「実は先生な、3組の竹田先生が好きなんだ。これマジで。あっ、お前これ秘密だからな!?絶対言うなよ!」
「言いませんよ。そんなどうでも良いこと。」
「どうでもいいってなんだよー、先生真剣なんだよー。」
「真剣なら僕じゃなくて、もっと他に相談できる人いないんですか?」
「や、先生お前しか友達いなくて。」
「いやいつ友達になったんですか。先生と僕が友達だなんて初耳なんですけど。」
「いいじゃん。」
「いや、まぁいいですけど。僕の他にも友達作りましょうよ。」
「えーいいよ友達なんて。」
「いや、よかないですよ。作れよ。」
「だって友達ならもうお前がいるしさ、な?鈴木。」「いや僕福田ですよ。誰だよ鈴木って。」
「惜しいっ!」
「いや全く惜しくないですよ。福田と鈴木は全然違いますよ。」
「まぁ、落ち着けよ。」
「落ち着いてるんでもう帰りますね。」
「待てよ福木。」
「誰だよ福木って。なんで混ざってんだよ。」
「冗談だって、ごめんって。」
「…はぁ、それより相談が途中でしたよね。続きをどうぞ。」
「竹田先生と結婚したい。」
「すればいいじゃないですか。」
「どうしたら結婚できるかわからんのだ。」
「そんなん僕もわかりませんよ。だいたい小学生に相談てどうなんですか大人として。」
「すごく俺らしいと思うが?」
「わかりました。あんたがバカだって事がわかりました。」
「おい福田、先生に向かってあんたはないだろ。」
「バカはいいのかよ…」
「そんな事より、竹田先生と仲良くなりたいんだよ!」
「…仲良くなればいいじゃないですか。」
「どうやったら仲良くなれるんだよー!!教えろよー!!!」
「泣かないで下さいようっとおしい。……はぁ、食事に誘ってみるとかどうですか?」
「誘うってどうやって?」
「いや普通に。」
「バカお前恥ずかしいだろ!」
「じゃあ、メールとか電話で誘えばいいじゃないですかー。」
「それだっ!福田!アドレス聞いてこい!」
「………自分で行けやぁぁぁあ!!」
「だって恥ずかしいじゃん?」「恥ずかしいじゃん?じゃあるかボケェェエ!ええ加減にせえよお前ぇ!!人任せにせんと自分で行けぇ!!!」
「わ、わかったよぅ。怒んなよぅ。」
「なら自分で行って下さい。」
「……い、いってきます。」
これでやっと帰れます。なんだか疲れました。
「待っててくれよ?」
「ちっ」
「……福田君、今舌打ちした?」
「してませんよ。」
ニコッと笑って見せる。はよ行け、その間に帰るから。
「帰ったら成績オール1にするからな?」
わかったよ帰らないよこのやろぉぉお。
「帰りませんから、早く行ってきて下さい。」
「よし、いってくる」
〜十分後〜
「ただいま!」
「どうでした聞けました?アドレス。」
「おうよ!ただ無理に爽やかに笑おうとして、フヒヒってなったのはちょっと失敗だったかな。」
うわぁ…気持ち悪い
「でも、良かったですね。ちゃんと教えてもらえたんなら。」
「おう!悪かったな、付き合わせちまって。」
「いえ、じゃあ帰りますね。さようなら。」
「また明日な!」
先生は嬉しそうにしていました。疲れたけど、良かったかなって思います。
〜翌日〜
先生は授業中ずっと
「送信エラー!送信エラー!宛先カックニーン!」
とか叫んでいたのでとりあえず爆笑しておきました。
まぁ僕の文章力なんてこんなもんです。