ユウ、先輩猫のお昼ごはんを買いに行く
お昼に、誰かの携帯アラームが鳴る。いつもそれがお昼の合図だ。
ゼンさんは、いつもより少しスローペースで仕事をしながら感覚を取り戻していた。今日は部屋での作業がメインだったので、よかった。
ゼンさんの方をみると、ウトウトした表情だ。きっと疲れたのだろう。身体が船を漕いいて、耳が時折ピクピクっとする。昼のアラームの音にも気づかないようだ。
「ゼンさん、お昼ですよ」
声をかけると、ゼンさんは、ハッとしてから周りを見た。
「ああ。お昼なんだね。なんだか、ねみゅたくて、、お腹は空いてるんだけどね」
「何が食べたいですが?」
考え込んだ後、おにぎりとお茶がいいと言った。
少し人がいないところに行きたいと、上司にお願いして予約した会議室に一緒にむかった。
部屋に入ると、簡単な3人がけのソファーがあったので、そこにゼンさんは、丸まり、少し仮眠をとりたいと、眠りはじめた。
ああ、眠り猫は、大きくても可愛い。ソファーにくるんと丸くなった姿は愛らしくて、ユウは、モフモフを触りたくてウズウズするを我慢した。
その隙に、私はお昼ご飯を買いに行くことにした。
ゼンさんが買いに行くには、ちょっと厳しそうなので、ビルの隣にあるコンビニへと、私は向かった。
おにぎりとお茶をカゴに入れたのだけれど、ふと、不安になった。猫になったから、味覚が変わっているのかもしれない。猫は薄味が好きだからなぁ。
コンビニには、猫のエサのコーナーも、ちまっとあったので、猫用のサラミと、見た目が人間用に見えるカリカリを選び、紙皿と自分用のおにぎりも買い、会議室に戻った。