第92話、榛名「私はずっと、詩織を見守ってますから」
書きあがりましたので投稿します!
今回は短めです。
よろしくお願いします!
──詩織!私を専属にしてくれてありがとうございます!
──詩織!これは私の自信作なんですよ!ぜひ使ってみてください!
──詩織!博士に怒られちゃいました〜!どうすればいいですか〜!
──詩織!女の価値は胸じゃないですよ!だから私の胸をモギ取ろうとするのはやめて下さい!
──私に感謝してくださいよ!
(た、す、かった…わ。榛名ぁっ…)
──どういたしまして!
走馬灯を見た。
背後で友達が笑顔を浮かべて、声援をしてくれてる姿を幻想した。
そして銃口を鈴子に向ける。
ホルスターから引き抜いたのは小型短機関銃『MP5K』。
それを横たわりながら撃ち放った。
「ッ!?」
引き抜いた僅かな音に反応して、振り返った鈴子は咄嗟に能力を発動する。
「どう…してっ…!?」
やがてマガジンの中は空になり、連続した銃声は止んだ。
「なんで敗退してないのっ?命中した筈なのにっ」
驚きを隠せない鈴子の前には、息切れをしながら立ち上がる詩織がいる。
空になったMP5Kを捨て、再び黒銃を手に取る。
「榛名っ…助かったわっ」
「その武器……その手……」
「気づいた?」
「……普通だったら終わってる」
「普通じゃない友達がいただけよ」
詩織は黒く輝く双方の拳銃を持っている。
だが、それを持った両手には力が入っておらず、皮膚に青みが見えていた。
「拳銃自体で銃弾を反らした……普通だったら粉々なのに、まだ壊れてない」
鈴子の推理通り、詩織は両の拳銃を用いて防御行動をとり、銃弾の直撃を免れた。
榛名はその武器を超強度に仕上げていた。
その結果、銃は粉砕されず、銃弾を外に反らせたのだ。
だが、その威力は拳銃から身体に響いていた。
「中指を引き金にかけてる……人差し指が使えなくなった?」
「ッ」
「それでも勝算はあるの?」
鈴子の突きつけた事実に顔が歪む。
拳銃は頑丈だったが、それを支える手がそうではなかった。
(人差し指、手首と腕、肩の関節もっ……)
改めて自分の身体状況を確認し、鈴子の言葉が精神に重くのしかかる。
「能力も封じられた上に疲弊してる……そんな状態でまだ戦うの?」
勝てる可能性は皆無に等しい。
もし実戦であれば、逃走をするだろう。
だが、
「まだ──」
「ん…?」
「まだ終わってないっ…」
痛みが声に滲み出る中、その強い意志だけは健在。
そんな詩織の宣言に鈴子は、
「人体強化…肉体強度強化はやってる?」
「っ!」
「確かめる必要もないね…運動能力を上げた時点で、動きに耐えられる様に少しはしてる筈だから」
そう言って狙撃銃を床に落とし、
「いくよ──」
「──ガァッ!?」
鈴子は詩織の目の前に一瞬で移動し、溜めていた人体強化で回し蹴りを放つ。
詩織の身体は大きく吹き飛ばされ、建物上階の長窓を突き破った。
「広樹……そこで待ってて」
「お…おう」
「色々と終わらせてくるから」
一歩後ずさる広樹を背にして、鈴子は詩織が吹き飛ばされた場所に向かって飛躍した。
読んでくれてありがとうございます!
今回の話に出てきた武器の頑丈さについてですが、第59話、詩織「私の新しい力」の時に武器の設定があり、その頑丈な部分を使いました!
やっと二人っきりになったので!ここから色々と始まります!ぜひ楽しみにしていてください!




