第82話、鈴子「…………フッ」
書きあがりましたので投稿します!
ぜひ楽しんで読んでもらいたいです!
「見えない……」
確かに顔面を撃ち抜いた。数千メートルの距離がありながらも、鉄格子の上にあった頭部は確かに吹き飛んでいったのが見えた。
だが、倒れた身体を確認する事は、その鉄格子より下にある小さなコンクリートの壁が邪魔だった。
故に敗退判定の確認が取れない。
「試し撃ちはどうだ?」
それを同じチームを組んだ少年からの言葉。
「まあまあ」
「そうかい」
試し撃ちと伝えて、今の一発を撃ち放った。
結果は不明。だから、
「あと二十発くらい撃つけど……いい?」
「鈴子に全てを任せてるんだ。俺の許可は要らんぞ」
セミオートでカスタマイズされた狙撃銃。
狙撃する際の準備作業を自動で行うシステムが内蔵。
ボルトアクションとは違い、連続射撃が可能になった鈴子の武装。
「さっきは、うるさくなかった?」
「いや、本当に何も聞こえなかった。いったいどうなってるんだ?」
「ん、企業秘密」
本来であれば鼓膜を痛めるほどの発砲音が響いていた筈だった。
だが、それも全て、私の能力でどうにでもなる。
「じゃあ始めるね」
確認と予備マガジンの準備が済み、仕切り直しの連続狙撃に備える。
倒されたと確認出来なければ、念には念をと、確実に出来るほどの結果が必要だ。
だから、あの屋上に銃弾の雨を降らせる。
私の能力があれば、銃弾を真上から降らせる事が出来る。
それによって、標的の敗退を確実なものへとしようとした。
「これで終わらせる」
『攻撃の即時停止を勧告します!』
それは片耳のインカムからの声だった。
「……なんで?」
『貴女の使用した銃弾『408チェイタック』の威力が、イベントでの許容限度値のギリギリだと判断されました。敗退判定の確認を取らずの追撃の禁止及び、以後、対人相手の急所への使用を禁止とします』
「…………禁止にされたから……教えて」
突然の禁止勧告だ。それを簡単に了承する事は難しい。
故に交換条件を提示した。
「生きてるの?」
『ぁ…………』
頭の中に思い浮かべたのは、敗退不明の少女。
頭蓋は粉々に吹き飛んだ。顔面に命中した事は確かだ。
故に生き残ってる可能性は極めて低い筈。
『…………生きています』
「……そう」
『既に屋上にはいません』
「……分かった」
いないのなら撃つ必要は無くなった。
どうして即時停止を勧告したのかは、敗退した三人の少女の保護の為だろう。
だったらもう関係ないと、狙撃銃の安全装置を入れる。
「広樹…二十発は無くなった」
「いいのか?」
「無駄だと分かった」
「そうか」
無機質な質問と返事をする広樹は、依然とスマホに視線をやっていた。
その光景に何かが心の中で沸いた。
「何してるの?」
「気にするな。少しご無沙汰だったゲームをやってるだけだ」
「ゲームっ!?」
私の心を沸き立たせる単語が飛び出し、思わず立ち上がる。
そして広樹のスマホ画面に目をやった。
「…………何これ?」
「ゲームだろ」
「女の子がたくさんいる…」
「恋愛シミュレーションゲームだからな」
私の期待は一瞬で裏切られた。
てっきり最近スマホでインストールが進んでいるガンアクション系アプリだと思ったのに、蓋を開けてみれば可愛い女の子とイチャイチャするゲーム。
そんな如何わしいゲームは、私の許容出来るものじゃなかった。
「広樹、そんなゲームは消して」
「どうしてだ?」
「そんなオタクみたいなゲームをやってると、気持ち悪い男になる」
「その言葉、お前にブーメランだぞ」
「私が気持ち悪いっ…?」
「初対面の時のお前は完全にバケモノだった。ゲームであそこまで変貌する奴なんて見た事がなかったぞ」
それは変だ。不可解だ。
私がやっているゲームは世界的にも有名なオンラインFPSゲーム。
知名度で言えば、バイ○ハザードくらいに並ぶ有名なお気に入りゲーム。
それをやっているだけで、バケモノと同じ扱いは酷過ぎる。
バケモノと同じ扱いは酷過ぎる。(大事な事だから、二回思った。)
故にそれは広樹個人の考え方が悪いのだ。そんな誤解があるから、ゲームのやり過ぎは身体に毒だの、友達が出来ないだの、異性にモテないなどと語弊が生まれるのだ。
だから訂正しないといけない。
「広樹、私はバケモノじゃない。私のやってるゲームは何も悪くない。変貌なんて言い過ぎ」
「……なぁ鈴子」
「なに?」
広樹が細めた瞳で、私を真っ直ぐに見る。
人差し指をピンと立て、それを自分の目に向けた。
「俺の目元を見てみろ」
『バイ○ハザード』ですが、
『バイトハザード』や『バイクハザード』などが思いつき、可能性は無限大です!
たぶん大丈夫だと思います!
これからもよろしくお願いします!




