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第71話、榛名「私の何がいけないんでしょうか」

書きあがりました!

これからもどうかよろしくお願いします!

報告が最後にあります!

「イベントに参加するなら、やっぱり銃器が必要になりませんか?だったら私の」


「支給品を使うから大丈夫だぞ」


「私のを使ってくださいよ!?」


言葉を被せあった末に、榛名は叫びながらせまるが、広樹は知らない顔を向ける。


「折り畳み傘を差し出した時点で信用が出来ない。もう完全に駄目だろお前」


「機能性は格段に上がりましたよ!それを言うなら、改良費の請求がまだでしたね!ほら下さい!払って下さい!早く!」


機嫌を悪くしたのか榛名は激しく突っかかり始める。だが、改良費の請求については既に解決していた。

口端を小さく吊り上げながら、『ほれ』と高い目線で一枚の紙を渡す。


「ん?これは……っ!最低です!博士の手を借りるなんて」


「お前からの迷惑料って事で貰ったんだよ!前にも耳にしたが、お前が渡した装備が相当危険な代物だったらしいじゃねぇか!」


「うっ…」


安全の確証が取れてない装備を渡した事実を挙げる。もし何かがあれば、その責任は上司である博士まで行くのだ。

最悪な事態を未然に防げたが、博士の責任感がそれを許せず、榛名の装備を返還した日には博士の装備を、そして今は『改良費免除』の証明書を頂いた。


「これで請求は免除だ」


「クゥゥッ〜」


悔しそうな声を漏らす榛名の前で、請求についての問題は完結したと話を切る広樹は、要件は済んだと出口に向かう。


「第一お前の装備は高い。支給品が使えるならそっちを使う」


「高いって、今の広樹のお財布事情なら大丈夫じゃないですか?」


「ん?」


扉を開けようと手を出したところで、榛名の言葉に動きを止めた。背後を振り返ると、耳に指を突っ込んでタブレット端末を操作している少女が言葉を続けていた。


「知らないという顔をしていますが、もしかして口座を確認していなかったり?詩織と同じ任務に就いたと聞いていましたが」


「口座?詩織?」


「お手持ちのスマホで口座の確認を」


榛名に促されるままに広樹はスマホを開く。そして特定のサイトから自分の口座へと移動し、パスワードを含めた個人情報を打ち込むと、すぐに榛名の言葉の意味を理解した。


「一、十、百、千、万、十万…………へ?」


「ほほう〜、やっぱりスッゴイ額が振り込まれてますね〜」


見た事の無い金額にアホな声が漏れる中、榛名は背後からそれを覗き込み、『本当に知らなかったんですね』と顔に出してコメントを付け加えた。


「あ、あ、ああ?」


「ん?驚いて発狂する流れだと思いましたが、何ですかその疑問形は?」


確かに発狂しかけたが、それはすぐに沈下ちんかした。榛名が疑問に声を漏らすが、それは広樹本人にも疑問だった。


「いや、なんか…何だろう。何かがつっかえてる?みたいな…とにかく驚けないんだ」


広樹の迷いを見せる言葉に、榛名は更に疑問を深める。


「つっかえてる?」


「何か大事な事を忘れてる様な…何でだろう。この金額は確かに驚きだ、だけど何かが足りないんだ」


「忘れてる…ふむふむ。以前に金銭関係で何かあったんじゃないですか?」


「金銭?……いや、何か単純だったんだが……大金を持っていた様な…」


「持っていた?どれどれ〜」


榛名は広樹の手にあった端末を取ると、過去の口座履歴を確認しだす。反応が遅れた広樹はすぐに取り返そうとするが、それよりも早く榛名の確認が済んだ。


「大金なんてありませんでしたよ。今回の報酬金よりも多額だったら必ず預けるはずですし」


「俺の気のせいか?」


「転校する前に危ない仕事をやっていたら別ですが」


薄笑いを浮かべながら変な冗談を言う榛名は、持っていたタブレット端末を広樹の前に差し出す。


「私のカタログです!さっ、変な紛らわせは終わらせて、現実を見ましょう!今の広樹のお財布事情なら楽々に買えますよ!」


「買わないって、じゃあ俺はもう……あ」


「ん?何か思い出しましか?」


「いや…………お前が信用出来ないからいいや」


『じゃあな』と最後に言って出口に身体を向ける。だが、歩き出そうとした足はすぐに止まり、腹と背中に圧迫感が生まれた。


「おい離せよ。そんな力一杯に抱きしめられても心に響かないからね。お前は見た目は可愛いが、中身がそれを上回って馬鹿なんだよ。魂を一度クリーニングに出してから出直して来い」


「まあまあ、今何を考えて『信用出来ないからいいや』と言ったんですか?今のは何かを頼む流れだったでしょう」


徐々に力を入れて踏み出そうとするが、それよりも榛名の踏ん張りがまさった。諦め顔になった広樹は足の力を抜いて、腹に巻かれた榛名の腕に手を置く。


「榛名聞いてくれ、俺は安全という言葉が好きなんだ。誰だって危険な事はしたくない。分かるだろ?」


「それは分かりますよ。人は誰だって安全が一番です」


「だろ」


広樹の変化を見せた態度に榛名は拘束を解く。広樹はそれを見てゆっくり背後に振り向いて言葉を続けた。


「じゃあ伝えるが」


「あ、その前に」


榛名は赤と青のボタンがある端末を手に取ると、それを扉に向けて『ポチッと』。

ガシャャャャャンと現れたシャッターによって、扉が完全に隠された。


「では続きをどうぞ」


「今消えたよ。俺の言葉と扉と希望も」


押し倒した後に早足で逃げるつもりが、出口が完全に塞がれて、考えていた手段が完全に閉ざされたのだ。

嘘の諦め顔が本物へと変わり、広樹は部屋にあった横長のソファにゆっくりと身を預けた。


「お前の用意する物は本当に怖いんだよ。だから頼みたくない」


「指名ありがとうございます!この施設ナンバーワンガールの榛名です!」


「あれ、俺はいつ榛名ちゃんを指名したのかな?何さりげなく隣に座ってるの?」


「広樹さ〜ん。私はこの『バレットM107A1』を注文して欲しいな〜」


甘い口調でタブレット端末の画面を見せられると、そこには黒い大型の銃器があった。その値段を見た広樹の返事はただ一つ。


「ふざけるな!数字七桁だぞ!俺の貯金の大半が消えるわ!」


「ええ〜、じゃあ何を頼んでくれるんですか〜」


「頼む流れに持っていくのはやめてくれ」


そう言いながら、広樹は懐から取り出したスマホを操作して、メモ帳を画面に映し出す。そこに視線を走らせた後、榛名の方へと顔を向ける。








「まず『408チェイタック』って弾丸はあるか?今回のイベント用に作られた素材のやつで」


その名前を聞いた途端に、榛名は目を丸くしたが、すぐにそれは笑みへと変わり、何かを面白がる子供の瞳を広樹に見せた。


「今はありませんが、数十分あれば用意出来ます。私以外では当日までの製作は難しいですよ」

報告です!

・55話の文章の修正が終了しました。

・誤字報告を受け付けないとなっていましたので、受け付けるに設定しました。(忘れてました)

・61話の前半部分ゲームを修正しようと思っていますが、これは後々で必要になる部分があるので、それを書いてから少し修正を行おうと思います。


後これは不安なのですが、『408チェイタック』を出しましたが、著作権が少し不安です。やはり『408○○イタッ○』か、『408チェイ……何とか』みたいにした方が……何か注意が着たら修正します!


どうかこれからもよろしくお願いします!

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[一言] 宝くじのこと忘れてるなこの主人公……
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