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第50話、校長「天草先生…私はもう首になるかもしれないよ」天草先生「頑張ってください!」

『注意:昨日も投稿を行いました!ぜひ!確認を!』


書きあがりました!

明日も投稿します!

統括者の答えに、場は一度動揺に包まれるが、それはすぐに沈静化。


全員の意識はすぐ訪れる校長の返答に集中したのだ。


「……ご理解いただけましたか」


『ああ、君が考えていたことが分かったよ』


『統括長っ、此度の隠蔽は日本支部の』


『静粛に』


何かを言おうとした誰かを、統括者は一言で振り払った。


『前例がないから、馬鹿を言ってみたつもりだったけど、まさかね』


「受け入れ難いと思っておりましたが…」


『能力感知からの能力隠蔽、WDC研究施設への未発見ルートでの潜入、soldierで溢れる施設内を探索、存在の疑いがあった対象soldierを発見、そして操作。それと敵の反応を見る限り、彼が潜入していたことを知らなかった。そして最後彼は仲間たちを脳保管室まで誘導…』


統括者が語った荻野広樹のやり遂げた推測も含む事実は、ただの戦闘力者には成し得ないことである。

故に前例がなかった可能性に行き着いた。


『納得したよ。君が報告を省いた理由が…いや、言い訳かな』


片手を頭に添える統括者は、納得をしていない者たちの前でゆっくりと語る。


『今回のWDC研究施設の潜入作戦に際して、多重能力者の発見を報告すれば、無駄な混乱を招いていたかもしれないことだね』


「ええ、その通りです。しかし」


『ああ、続きを語ってあげるよ』


まだ足りていない説明に統括者は続きを語る。


『作戦はWDCの動きに対して急遽、作戦開始日を早めた。だが日本支部だけは序列者を一名のみしか用意できなかったね。故に彼を』


『だからって、まだ安全かも確認していない貴重な多重能力者をっ』


『だから静粛に。私が語ってるんだから口を閉じててね』


『ッッ…』


横槍を入れた者を黙らせ、統括者は続きを語る。


『実力者の派遣に従い、君は彼を派遣したわけだ』


「ええ、なにぶん開始日が早まったことで、他の序列者の準備が間に合いませんでしたので」


他の支部が派遣したのは、主に序列者二名と序列外の優秀な戦闘力者を数人。


今回の作戦では序列者を二名以上参加させることが条件に置かれていたのだ。


だが、日本支部が用意できた序列者は一名のみ。


「他を数人派遣しようと考えましたが、序列者を二名揃えないと話にならないと言及されましたので」


振り返ったのは支部長同士による作戦会議の中身。

その言及故に。


「私は彼の実力を見込んで、今回の作戦に導入いたしました」


『実力だとっ!今まで一般人として暮らしてきた学生に作戦遂行に必要な許容などあるものか!多重能力者という事実のみでの判断であろう!』


遂に我慢を爆発させる者が現れた。


『それも多重能力者だぞ!前例のない貴重な存在を送り出したんだ!その意味が分かっているのか!』


校長は統括者から視線を外し、席に座る各地の支部長たちに淡い笑顔を作った。


「彼の実力はお気に召さなかったでしょうか」


『きっ貴様ぁああ!』


『統括長!彼を処罰するべきです!』


『多重能力者という理由だけで戦闘に関した知識もない者を送り出した事実!貴様は貴重な存在を殺すつもりだったのか!』


収まることのない罵声の数々に、統括者は溜息を吐き出し、校長はゆっくりと息を吸い込んだ。


「序列者を二名用意しろ。そう言われたので、序列者と同等の実力を持った人材を派遣したつもりでしたが」


『同等だと!多重能力者という事実のみで序列者と同じ枠組みに入れたのか!』


『全ては今回の結果があってこそ言える!賭けとまったく変わらん!』


『結果が失敗に終わっていたらどう責任を取るつもりだったのだ!』


度重なる罵声の連鎖。

その中で校長は淡い笑顔を絶やさない。

そして一人、宙に浮かんでいた影が校長の前に降り立った。


『罵声は聞き飽きた。少し黙ろうか』


ッーー!?


冷たく尖ったその声は、この場にいる全員に恐怖を抱かせた。

当然それはーー


(きっ、来たぁあ!?ついに来ちゃったぁああああか!?)


ーー校長の精神を崩壊寸前に追いやっていた。

この状況を作り出した張本人でありながら、その精神は下着をちょっぴり濡らした涙目中老年男でしかない。


だが、それでもーー


「ありがとうございます」


ーー続けるしかないのだ。

ーー彼のために。


『ああ、言っておくけど、私は別に君の味方ではないよ』


精神を絞りきりお礼の言葉を伝える校長に、統括者は冷たい返答を返した。


『私も彼等に同意する気持ちがある。だから聞かせてもらうよ』


統括者は校長に矛先を向け、尋問に似た雰囲気をまとった質疑を言い放つ。

口調も変化し、それには最初に見せた軽さは存在しなかった。


『認められない理由であれば、その立場を直ちに剥奪する』


言葉を間違えれば全てが終わる。

この状況下に校長は真剣を思わせる顔へと変え、立場に相応しい雰囲気をまとった。


ーーそして


「ええ、理由はあります。そして証拠も」


校長は懐から小さな端末を取り出した。


「今回の作戦の成功確率を上げるために彼を派遣した、とお伝えしましたが」


『ああ言っていたね。だが、一ヶ月前まで一般人だった経験の浅い者を派遣したことに問題があった』


「ええ。しかし、それはーー」


端末に指先を走らせ、その場にあった全モニターが移り変わった。





「序列十位の実力を超えていれば、気にする問題でもないでしょう」





ッ!?


空気が揺れた。

それはモニターに映し出されている画像を観たからか、発言を聞いたからか。


『ぅっ、これはっ』


『まさか…』


吐き気を催す者が現れる中、校長は冷静沈着な態度を顔に被せる。


「ええ、肉体の損傷は激しいですが、面影くらいは残っているでしょう」


その発言によって、全員が抱いた疑いは確信へと移り変わった。


そこに映っていたのは『死に染まった肉塊にくかい』。


防弾チョッキで包んでいた胴体とは違い、それ以外の部位は残酷無残な姿となっていた。

肢体が繋がっているのか分からないほどの損傷。

それを一目で人間と判断するのは難しいと言えるだろう。


だが事実。その損傷した頭部の面影はこの場にいる全員が知っていた。


そう。その面影は作戦の記録映像にいた一人の人物に当てはまる。


混乱する戦闘力者を先導し、危機的状況を覆したもう一人の立役者。


『日本支部の序列十位、姫路詩織で間違いないみたいだね』


「はい」


統括者の言葉に、校長は肯定とこの場に示した。


ついに校長は隠していた『ある事実』をお披露目したのだ。

読んでいただきありがとうございます!

ぜひ!続きも読みにきてください!

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