第36話、アイリ「……Gau」
書き上がりました!
ぜひ!読んで欲しいです!
少しずつ書き方を勉強していきます。
ヽ( ̄д ̄;)ノ
コメント待ってます!
間違いの助言がたくさんあって、いろいろと修正しました!
まだ、修正しきれていないですが、早めになおしていきます!
何人もの子供の声がする。それは音じゃない。思考同士が絡まり、意思を疎通している何か。
(もうぼくたちは…)(助けてくれても、身体は…)(……)(先生のところに帰りたいっ)(ママにあいたいよっ)…
嗚咽する声が思考の中で鳴り響く。
アイリ・エデルマンは八歳の誕生日に家族と食事に行った。
そして、偶然にもその日に事件が起きた。
レストランの中で一人の男が両手に炎を出しながら暴れたのだ。
お客とスタッフが怯える中、その男は私を見つけ、髪を引っ張り、大きな腕で首を締め上げられた。
とても怖くて痛かった。
気がつくと、男に持ち上げられたまま、店の外に出ていた。
道路にはたくさんの黒い車とパトカーが何台も止まっていて、銃を持った大人がたくさんいた。
それを見た男は掌から炎を出し、大声で何かを叫び散らす。
そして男は私を銃を構えた大人たちの方に放り投げた。
重力が抜ける感覚に襲われながら、最後に見えたのは私の方に飛んでくる赤く燃える炎の球。
この先に見えるのは残酷な光景だと誰もが想像した。
いやだ。
その漏れた言葉を引き金に、私に放たれた炎の球は崩れた様に消滅した。
そして私は大人の人に受け止められた。
その出来事に大きく発狂した男が、もう一度炎の球を作り出し、私に飛ばす。
が、また炎の球は消滅し、男は複数の大人に取り押さえられた。
翌日、私は戦闘学に連れてこられ、検査が行われた。
診断の結果、戦闘力と未発見の能力が見つかり、戦闘学はその能力を調べたいと言って、私は承諾した。
能力名は『調和操作』。自分の指定した対象の調和を操作する力。
私が炎を消せたのは、その炎に含まれていた空気と水分の調和を乱したからだった。
戦闘学は調和操作を調べていくうちに、多くの可能性に魅入られた。
その調和は何までなら可能なのかが未知数だったからだ。
私もその未知を知りたくて、戦闘学に協力した。
そして、事件は起きた。
攫われたのだ。
目覚めた時には、白い部屋でベットに縛られ、周りにはパソコンを操作している男たち。
彼らは口々に言った。
素晴らしい能力だ。無敵のsoldierが生まれるぞ。これで私たちの研究に新たな光が。
全く理解ができなかった少女は声を上げて泣いたが、彼らは見向きもぜず、研究の邪魔だと口を布で塞ぐだけ。
そして少女は脳を抜き取られた。
次に意識が目覚めたのは暗い空間の中。
壁があるのかも分からない空間で、ポツリポツリと薄く人の影が現れた。
(ここどこ)(だれ)(暗いよ)(ママは)(うぇぇん)
それは声ではない感覚、まるで頭の中に意思が入り込んでいる感覚だった。
(あなたたちは誰?)
声を出す感覚じゃなかった。でも、声は確かに空間に響いていた。
話を聞くと、みんなも攫われてきたのだと知った。
『さあ、起きなさい』
突然声が頭の中に流れ、気がつくと視界に光が入り込んできた。
見えたのは広い空間。
身体は何かで縛られているように動けなかった。
そして眩しい照明が照らす白い床に、複数の黒い影がゆっくりと近づいてくる。
『さあ、まずは発火能力だ。目の前にいるspiderを燃やしてみなさい』
その言葉が聞こえて視界が大きく揺れる。
瞬間、目の前が紅い光で塗りつぶされた。
光が消えると、目の前に焦げた塊が転がっているのが見える。
『素晴らしい!では次は念動力だ』
その声に反応するように、視界がまた揺れ、見える光景が段々と小さくなる。
『おお!その巨体で浮けるのか!』
男の喜びの声が頭の中に流れる。
そしてようやく気が付いた。
視界が高くなっていることに。
手が黒くなっていることに。
身体全体から変な感覚がすることに。
『意識はあるかな?アイリちゃん』
「意識はあるかな?アイリちゃん」
扉から男が歩いて来た。
「そうだ、今の君の姿を見せてあげよう。上のモニターを見てごらん」
指差す方に視線をやる。
モニターに見えたのは指を指す男と、
黒いロボット?
なんで?どうして?この身体は?なに?
思考が絡まり滅茶苦茶になる。
「調和操作によって、複数の脳のパルスを操作し、単体のsoldierでも複数の能力を搭載することができた」
分からない。何を言っているの?
「今までのsoldierは1体につき1つの能力しか搭載できなかったが、調和操作がそれを可能にしたんだよ。アイリ・エデルマン、君の能力が私たちの研究に偉大な光を差してくれた」
醜悪な笑みで口を動かす。
「調和している脳の数は五十個。放出系、操作系、変化形と様々だ。ああ、素晴らしすぎる。君はとても美しいよ」
男は陶酔しながら、ゆっくりと黒い手を撫でてくる。
(なんでっ、なんでなんでなんで!)
「Gau!GauGauGau!」
人の声じゃない。出たのは野太く重たい何かの声。
「ああ、喋れるようにしたら面倒と思ってね、でも、その声の方が可愛いよ。さあ、眠る時間だ」
身体が勝手に動く。動いた先に見えるのは暗い部屋。
そこに足を踏み入れ、奥の方で動きが止まる。
「ではお休み。soldier・liger」
そして、視界が落ちる。
またあの暗い空間だ。
ああ、そうなんだ。
この子達は私が調和している脳だったんだ。
これからもよろしくお願いします!
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