第35話、詩織「あのねメリル、日本に忍者は…」メリル「ん?」詩織「……今度一緒に忍者屋敷に行きましょう」メリル「Really!?しおり!愛してイマス!」
お久しぶりです!
長く投稿できなくてごめんなさい!(´;ω;`)
書き上がりました!
ぜひ!読んでください!╰(*´︶`*)╯♡
前回の投稿後にすごい数のコメントをもらえて嬉しかったです!
ありがとうございます!
最後の部分に付け忘れがありました!
付け加えました!
それは詩織たちが通路で戦闘を繰り広げている頃である。
「……なんだ…これ…」
狭い通気口から出た広樹が最初に目にしたのは、コードに繋がれた巨大な黒い影。
薄暗い緑色の光が照らすソレは、ライオンの様な鬣を待ち、狼の様な顔をした何か。
(何でビルの地下にこんなものが?…特撮映画で使う人形か?それにしてはリアル過ぎるよな…)
広樹は子供の頃に観ていたヒーロー番組に出て来る四足歩行のロボットを思い出しながら、その巨体の周りを歩き観察する。
大型バスくらいの大きさで脚は前後に二本ずつ、七メートルを超えた長く細い尻尾を持ち、ライオンと狼を合わせた様な姿。
観察して広樹の瞳の色が変わった。
(はい、完全にロボットです。俺には分かる。これには絶対アレがある)
初めて手榴弾を投げたあの頃の瞳に戻った広樹は、コードに繋がれたロボットの身体によじ登り、手探りであるものを探し始めた。
(コックピットはどこだ?)
一人の男が子供の頃の憧れを体験しようと、搭乗席を探し始めたのだ。しかし、それらしいスイッチも扉も無かった。
そして、次に目にしたのは離れた位置にある操作パネル。
数台並んだモニターには心電図の様な表示と乱立した英数字。
(やっぱり読めないな)
溜息を吐きながら、ポケットからスマホを取り出し、自撮りモードでカシャと音を鳴らす。
(これで我慢するか)
画面の中には、巨大な顔とのツーショット写真が写っていた。それを満足そうに眺め、データファイルに保存。そして気がついた。
「圏外…」
広樹は今の状況を思い出したのだ。
「誰かいませんかー!おーい!誰かー!」
大声で助けを呼びながら、今いる場所を改めて確認する。
小学校の体育館並みの広さ。周りは白い壁に覆われ、コードに繋がれたロボットと操作パネル以外は何も置いてなかった。
扉を見つけたが、押しても引いても開く気配は無く、終いにEを全力で叩きつけたが壊れることはなかった。
(扉は開かない。助けも来ない)
薄暗い部屋で、広樹はまた行き先を見失った。
(誰も来ない…)
今になって気づいた。さっきのロボットへの興味関心は、不安になっていた自分が安心するための薬だったのだと。
だが、それは数分にして終わり、改めて自分の置かれた状況を思い出したのだ。
暗い空間で一人の状況。彼のストレスはすでに限界を迎えていた。
そして少年の中で何かが壊れた音がする。
アルテミス・フォレストをホルスターから引き抜き、引き金に指をかけた。
狙うのは、
(もう誰かに会えればそれでいいよな。うん。そうだ。だから…)
銃口を操作パネルに向け、引き金を引いた。
ドンッドンッドンッドンッドンッ
「おーい!誰か来てくれー!狂った日本人が器物破損を犯しているぞー!さっさと来ーい!」
棒読みが半分混じり込んだ声と連続する高い銃声が室内を包み込む。
マガジンをリロードし、繰り返し発砲を続ける。
操作パネルの表面は完全にバラバラになり、コードが入り組んだ構造が丸見えになった。
それを見た広樹は両手でEを握り、そのコードの底に力一杯差し込んだ。
バチバチと音を鳴らす機械。
それを見た広樹はテンションを上げ始めていた。
「もう歌ってもいいよな!じゃあさっきの続きをやってる!俺の歌声を聴けぇええ!」
完全に狂った人は、刺さったEをマイクの様に口元に寄せた。
「Der Hölle Rache kocht in meinem Herzen,
Tod und Verzweiflung,
Tod und Verzweiflung flammet um mich her!
Fühlt nicht durch dich Sarastro Todesschmerzen,
Sarastro Todesschmerzen,
So bist du meine Tochter nimmermehr.」
歌の名前は夜の女王のアリア『魔笛』。
モーツァルトが作ったドイツ語の曲。
広樹は火花が飛び散る中、大声で歌い続けた。
「So bist du meine
meine Tochter nimmermehr.
ha a a a ha ha ha ha ha ha ha ha ha,
ha a a a ha ha ha ha ha ha ha ha ha,
ha a a a ha ha ha ha, ha ha ha ha,
ha ha ha ha ha ha ha ha ha, ha ha ha ha ha ha ha ha,」
すでに操作パネルは小さな火災を起こし、絶賛炎上中。
だが、いくら壊しても人が来る気配はしなかった。
壊し足りなかったのだと考えた広樹は、次にアルテミス・ディザスターを引き抜き、火花を散らす機械に銃口を向けた。
ちょんちょん
「なんだよ!今忙しいんだ!邪魔するな!」
……ちょんちょん
「だからぁ!」
背中を突かれる感触に勢いよく後ろを振り返った。
そして、
「…………」
『…………Gau?』
広樹の魔笛によってロボットが目覚めた。
これからも読みに来てください!
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『魔笛』モーツァルト作曲より、引用してきました。




