第32話、榛名「あっ…広樹に伝え忘れていたことが…」
書き上がりました!
ぜひ!読んで欲しいです!
色んなコメントをお待ちしております!
☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆
心配事があり、ネタバレになるので、
後書きに書きました。
シミュレーション訓練機や近接武器[E]などの例もありますので、それくらいの技術発展が……
『Aチーム、状況の報告を』
「こちらAチーム、隠し階段を使って施設への潜入に成功。現在、探索を実行中。まだ目標は発見できず」
『了解、別チームも発見に至ってない。引き続き探索を実行せよ』
「了解」
外にいる教師たちと連絡を取るのは、Aチームのリーダーを担当するジャック・ブラウン。
現在、詩織、メリル、ジャック、アンナを含んだ8人の戦闘力者が一室に留まっていた。
「アラン、まだ見つからないのか?」
「まだだ、施設が広すぎる。僕の透視でも時間を要するよ」
アランと呼ばれた少年は、透視能力を持つ戦闘力者。
その能力を発揮し目的の場所を探していた。
「中々見つからないみたいだね」
「簡単に見つかれば苦労はしないわよ」
メリルが作業の進み具合に不満をつぶやく。
当然、任務中のために英語を使っていた。
「早く帰りたい」
その会話の中にアンナも混ざる。
「私もですよ。この施設は戦闘力者にとっては忌むべき場所ですからね」
「なら、早く終わらせないと」
ひとしきりにこの任務を終わらせたいと表明し合う3人、改めてアランの様子を…
「敵複数!こっちに向かって来ている」
「「「っ!?」」」
アランの報告にこの場にいる全員が武器を強く握り締めた。
「アレは人間じゃない。soldierだ。八体のsoldier・spiderを確認。恐らく、向こうも透視能力を持ってる模様」
続く報告にジャックはいち早く、外に連絡を図った。
「こちら、Aチーム!施設内でsoldierを発見!これより交戦に入る!」
『了解、我々からも報告だ。現在電波障害が発生している。これより通信指令は破棄し、現場指示を最優先とする』
「了解!」
ジャックは通信機を切り、この場にいる全員に指示を出した。
「敵に居場所を特定された。よって今から交戦に入る。敵対象はsoldier・spider。油断するなよ」
「やはり現れましたね」
ウェイルシティーにある警察庁。
現在、空港から移動してきた戦闘学関係者が、警察関係者とそこにいた。
「soldierシリーズですか。また彼らはあの忌々しい兵器を…」
「最後にsoldierシリーズを確認したのは二年前の諸国の紛争でしたね」
「ああ、その時はWDCが反政府側に売りつけて、紛争が大きく荒れたんだ。そして政府は戦闘学に支援を要請し鎮圧した」
戦闘学関係者が会話する中で、警察関係者はその話について行けないでいた。
それに気づいたのか、一人の教師が警察関係者へと近づく。
「申し訳ありません。WDCとsoldierシリーズについては詳しく知られていませんでしたね」
「はい、それらについては政府が情報を伏せていますから、教えて頂いてもよろしいですか?」
「ええ、今回は警察組織から支援により、政府と戦闘学側から情報の共有が認められました。これよりモニターに詳しい情報を映します」
一人の教師がパソコンを操作し、部屋にあったモニターに複数の写真が映し出された。
それは黒色に染められた鉄の塊。
蜘蛛・蟻・亀など自然界の生物に酷似した姿を持っていた。
「これは、ロボットですか?」
「その通りです。しかし中身は機械だけが詰まっている訳ではありません」
「それはいったい…」
「これらの兵器の一つ一つには、人工的に作られた脳が搭載されています」
その言葉に警察関係者の表情が凍りついた。
なおも、説明は続けられる。
「soldierシリーズは戦闘力者の脳と兵器に搭載された脳を無線接続しています。それによってsoldierシリーズはその戦闘力者が持っている能力を使うことが可能になっているのです」
「その戦闘力者がsoldierシリーズを操っていると?」
「いえ、その戦闘力者たちは被害者です。WDCは非人道的手段を使ってsoldierシリーズを製作しています」
「非人道的手段?」
教師は眉間にシワを寄せながら、説明に入った。
「少し気分を害する話になりますが、 WDCは攫った戦闘力者の身体から脳を取り出し、保管しています。その保管装置から離れたsoldierに接続しているのです」
「身体から切り離した脳をですか?」
「はい、保管装置に脳を繋げており、さらにその機械は大型トラック一台に収まります。それをWDCが多くの組織に売っていました」
今回の任務にまつわる事象を聞いて、警察組織の中で顔を青くする者が現れた。
「そして今回の任務では、とある脳の回収、もしくは破壊が最重要目標となっています」
教師はモニターに一人の少女を映し出した。
「彼女の名前はアイリ・エデルマン。年齢は八歳。最近発見された戦闘力者であり、備わっている能力は『調和操作』。彼女の能力がsoldierシリーズに搭載されてしまえば、最悪の兵器が完成されてしまうでしょう」
「すいませーん!誰かいませんかー!人が一人取り残されていますよー!」
一人の少年が開かない扉を前にして、力一杯叫び続けていた。
当然、エレベーターに閉じ込められた広樹である。
(返事が返ってこない…)
閉じ込められて十五分。外から声が聞こえなくなり、広樹は孤独を味わっていた。
狭い空間をスマホのライトで照らし、何とか冷静を保っている。
だが、この冷静も長くは続かない。
(もしも火事だったら…)
外の状況が分からないことによって生まれた不安は、どんどん大きくなっていた。
(蒸し焼き?こんがり?美味しく焼けました?噛むと肉汁がジューワー?……)
「なってたまるかぁあ!?」
不安を爆発させた広樹の行動は早かった。
持っていたアタッシュケースを開けて、中身を床に広げた。
黒色をベースにした戦闘服に着替え、ポーチとホルスターに拳銃とマガジンを挿し込む。
そして右手に持った武器、Eを変形させた。
(非常事態だ!俺は何も悪くない!悪いのは助けに来ない警備員だ!)
責任を全て他者に押し付けながら、広樹はエレベーターに備え付けられた操作パネルをEで思いっきりぶっ叩いた。
ドン!ガッチ!ガチャ!と叩く事を繰り返し、表面のパネルが外れて、コードが入り組んだ奥行きのある穴が見えた。
(停電なら、電力を入れれば動くはず)
広樹の考えは単純だった。
その右手にEを持ち、差し込む構えをとった。
狙いはパネルを外し、たくさんのコードが並べられた穴。
そして、
「榛名!お前の武器のクオリティーを信じてるぞぉおお!」
この場にいない少女の名前を叫び、力一杯にEを穴に挿し込んだ。
元々はスタンガンほどの電圧しか出ないと思っていたEだが、広樹は榛名のセンスにかけたのだ。
周りから色々と言われて、無理矢理に形を変えさせられたピコピコハンマー改であるE。
変な実況から、ボールが飛び出したりと、いろんな機能を搭載したEである。
きっと、彼女はそれだけでは終わらないはず。電圧の出力などの説明もしていなかった。
広樹はその可能性にかけたのだ。
そして、その結果…
ビィリリッビィリリッ!!
「ッアアアアア!?」
穴から飛び出た火花に頬を焼かれ、広樹はとっさにEから手を離した。
手から離れたEは、放電しているのかバチバチと音を鳴らし続ける。
そして、エレベーターの電灯に光がつき、次に部屋は大きく揺れて、下に降りていくのが感覚で分かった。
(よっしゃ!成功!)
広樹の表情は喜びに溢れる。
エレベーターが動き出したということは、止まる階が設定されたことであり、その階に到着すれば、開くの当たり前と理解していた。
扉の上についていた階を示す表示を見る。
その光はついに一階と表示され…
(地下一階……あれ?)
エレベーターは下へと動く微弱な振動を続けていた。
地下一階には駐車場があり、それより下の階は存在しない。
(どうして動き続けているんだ…)
少年を乗せたエレベーターは、止まることなく下へと降りていった。
これからもよろしくお願いします!
♪───O(≧∇≦)O────♪
脳の説明がグロ表現に入って警告が来ないか心配です…
来ない事を信じようと思います。泣