表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/221

第23話、詩織「榛名、注文したい物があるんだけど…」榛名「ん?なに?」詩織「あのね……」

書けました!

これからもよろしくお願いします!


それとまた心配ごとありです…

後書きに記載しておきます…


それでは!多くのコメントをお待ちしております!☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆

もう家には居られない……







ピンポーン……。

「……」

人体強化発動…聴覚強化。


(足音無し…物音無し…呼吸音無し…)


詩織は自前のピッキング道具一式を廊下に広げる。

箱の中には鉄の細い棒に、電子版、コード…


ガチ、ガチ、ガチ、ピピ、ピピ、ピー…


ガチャリ……


「お邪魔します」


完璧な不法侵入だった。


「広樹ー、どこー?」


居ないことを知っているのに、あえて口から言葉を飛ばし続ける。

何故かって?返事がないから心配して入ってきたという弁明のためだ。

詩織はフローリングの廊下を抜けて、陽射しの明るさが広がるリビングに足を踏み入れた。


「ん?」


詩織はテーブルの上に置いてあった一枚の紙に目を向ける。


『友達の家に泊まります。探さないで下さい。校長の所へは週一くらいで顔を出します。広樹より』


「……は…はは……ははは」


壊れた人形がリビングのソファーに沈み込む。

長い髪が顔を覆い、天井を仰ぎ見るように上を向く。


「誰?…友達って誰のこと?」


戦闘学に転校してきたばかりの広樹には、まだ友達はいないはずだと記憶していた。


いや待て、一人だけ心当たりがあった。


「……榛名?……ははははは!」


壊れた人形は身体を揺らしながら、リビングから姿を消した。














「ちょっと帰って下さいよ!今とても冷たい悪寒が走りました!これ絶対に来てますよ!」


「いいや!残る!お前も巻き添えにしてやる!」


おもちゃ屋になっていた研究室で二人の男女が争っていた。

当然のごとく、広樹と榛名だった。


広樹は朝の始発のモノレールに乗って、研究所に訪れた。


そして、スマホで榛名に連絡を取って、何とか言って中に入れてもらい、ゲームをしながら訪れた理由を話したらこのザマ。


「最初は冗談かと思いました!詩織がそんなキャラにジョブチェンジしていたなんて!でも最近ピッキング道具の注文があって納得しました!」


「お前も手を貸してるじゃねえか!?」


「任務に使うと思ってたんですよ!そんな理由で使うとは思いませんでした!」


詩織が部屋に入れた理由を知った広樹は、憎悪の念を榛名に向かって放つ。

榛名がピッキング道具を渡したから、あのセキュリティーが意味を成さなかったんだ。


「詩織のことはよく知っていますよ!顧客なんですからね!だから分かります!絶対に来ます!だから、ここから消えて下さい!」


「行く当てがないんだよ!お前にも責任があるんだから!しっかり償え!」


榛名が顔を赤くさせながら一生懸命に広樹を押し出そうとするが、ビクともしなかった。


「くっ!私にも人体強化が使えたらっ!」


「ん?お前は戦闘力を持っていないのか?」


「私は整備士です!戦闘学の任務を受ける生徒ではなく、武器や装備を作ることが役目の可愛い女の子です!」


必死になりながら説明をしてくれる榛名。


戦闘学の敷地に住むのは戦闘力を持った者以外にもいるとは聞いたが、整備士もそうだったのかと理解した。


てか、自分で可愛いって言わなかったか。


「広樹の戦闘力でどうにかすればいいんじゃないですか!?」


「俺の戦闘力は引きこもっていて使用不可能だ!」


「どこの第九位ですか!?冗談を言ってないで、広樹一人で解決して下さいよ!」


ピピッ

「っ!?」


置いてあったタブレット端末の音に反応し、机の方へと移動した榛名。

それを追い、広樹も榛名の後ろから画面を見る。

その画面には地図が表示されていた。


「どうしたんだ?」


「来ました……」


「はい?」


「私がお気に入りの顧客に渡す武器には、失礼ながら発信機を付けているんですよ」


「それで?」


「ここから五〇〇メートル以内に、詩織の武器の反応がありました。そしてこちらへと近づいて……」


「……」


沈黙が立ち込める。


そして、広樹は精一杯の力を込めて榛名に抱きついた。


「助けてぇえ!榛名ぁあ!」


「私も助けて欲しいですよぉお!」


セクハラとかどうでもいい。もう頼れるのはお前だけなんだと、涙目で榛名に抱きつく。


「ポケットから便利な道具とか出てこない?お前ってそういうキャラに向いてるからあるよな!」


「私をどこかの誰かと一緒にしないでください!」


『距離三五〇メートルです』

タブレット端末が発するナビの声に、広樹と榛名の肩が大きく揺れる。


「ヤバイヤバイヤバイ!?おい!本当に何か出せ!この状況を打開できる道具があるだろ!」


「ああ!もう分かりましたよ!出せばいいんでしょ!出せば!」


そう言った榛名は大きなクローゼットを勢い強く開けた。


『距離二〇〇メートルです』

「榛名ぁあ!早くぅう!?」


「分かってますから!急いでますから!広樹はタブレット端末を持ってください!」


『距離五〇メートルです』

手に持つタブレットが振動を始めた。もうヤバイ。


「こっちです!早く!」


リュックを背負った榛名が広樹の腕を強く掴む。

クローゼットの底には階段があり、広樹は榛名の言葉に従って床に潜った。

















ドゴーン!!


施錠されていた扉が吹き飛ぶ。人体強化によって運動能力強化と肉体強度強化を合わせた第十位の全力パンチに扉は見る影もない。


「どこ?……」

人体強化発動…嗅覚強化


詩織はゆっくりとクローゼットに近づき、扉を開けた。

中には榛名が作ったと思われるおもちゃがいっぱいある。


「床から広樹の匂い?……」


黒い棘がクローゼットの天井から生え、勢いよく床を串刺しにした。


棘を消失させ、刺した跡には階段が見えた。


「榛名……広樹と何をする気なの……」


標的を一人追加した人形は、階段の中へと姿を消した。

榛名のポケットネタはちょっとアウトかなーと思い、警告が来ないか心配です。

では!今後もぜひ!読みに来てください!

これからもよろしくお願いします!

♪───O(≧∇≦)O────♪

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ