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第21話、榛名「もう深夜…明日に用意するなんて言わなければ良かった〜」

書けました!

いろんなコメント待ってます!

☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆

よろしくです!


間違いと訂正場所を教えてもらい、9月17日に訂正しました!

ピンポーン……

「広樹?」


インターホンを鳴らしても、部屋の主が出てこない。


「………」

人体強化発動…聴覚強化。


……。


(足音無し…物音無し…呼吸音無し…)


閉まる扉に耳を当てて中の音を調べるが、何の音も聞き取ることはなかった。


「……広樹がいない!?」


一人の少女が発狂している頃……










「っ!?」


「どうしたの?顔が青くなってるよ」


「いや、なんか悪寒が…」


広樹は研究所にいた。

訪れた目的は昨日頼んだ装備の受け取りである。


「でさ、装備なんだけど…ちょっと『ピコビリハンマー』のデザインを変更しちゃったんだ〜……周りに色々言われちゃって…」


昨日のポジティブキャラが嘘のように消えた榛名。

聞くと、あの後に研究所の人たちから色々言われて、変更させられたらしい。


「で、完成したのがコレです」


言われて目の前に出されたのは、メタリックホワイトの塗装が施された長方形の箱だった。


「筆箱?小学生の頃に使っていたのと似てるんだけど」


「うん、私もそう思った。角の所にボタンがあるから押してみて。ああ、持ち方はこうね」


持ち方を指定されてポチっと。


押したと同時に箱が変形し、長さ五〇センチの振り回せそうな長方形の箱になった。


「近接特化の武器。切るんじゃなくて、打ち付ける武器なの」


そう言われて、変形してできた取っ手を持ち、振り回すように振ってみる。


「なんかバットを振るのと同じ感覚だわ」


「まあ、刃がついた薄い武器じゃないからね。ちなみにスタンガンも搭載してあるから」


そう言われて、どこに電流が流れるのかを探ってみるが、取っ手以外は真っ平らで、特別形が変わった場所は無かった。


「これね、広樹が触れている箇所以外に電流が流れるようになっているんだ。詳しく説明すると…」


取っ手部分が赤外線指紋認証装置になっていて、変形させた後からは、広樹の手でしか触れられないようになっている。


広樹の手以外の物や人に触れれば、電流が流れる仕様なのである。


「それって俺の肩とか当たったらアウトじゃね?」


「そこは大丈夫。高いAIを搭載したから、使い手に電流は流れないよ」


安心した。

改めてピコビリハンマーを……ハンマー?


「もうハンマーじゃないよな?」


「もう原型もないしね」


トホホと顔に影を指す榛名。

もうハンマーと言うよりは、特殊な形をしたバットに近い。


「新しい名前はね…『E』」


それがこの武器の名前になった。


「Electricの頭文字を取ったの……私が名前を決めたかったのに……」


最後に不満の言葉が聞こえて来た。

どうやら名前も誰かに決められたらしい。


「…フッ…フフフっ…ははは!」


突然笑い始めた榛名。

気持ち悪くなった広樹は少しだけ身を引かせる。


「私が!この私が誰かのいいなりになると思う!私が作る武器わね!私の作品なの!子供なの!」


何かへ向けた演説を開始した。

火を付けたように顔を思いっきり上げた榛名は、


「広樹!変形したから、ボタンが一つ出てきたよね!押して!」


「お、おう」


興奮気味の要求に従う。

ポチッ…ポン…


「これは?」


「球よ!」


「うん、球だね。…なんで?」


取っ手部分から排出された球が床に転がった。


「中にね!ガスを仕込んでおいたの!それでボールを膨らませてポンという仕組みなの!」


「お、おう」


自慢げに話す榛名に、詰まった言葉で返すしかない広樹。

いろんな意味で、手に何を持っているのか分からなくなったからだ。


「さらに!ボールを出した状態でEを揺らすか振ってみて!」


言われるままにEをくるっと、


『OhーOhーOhー』

『さあ!ランナー満塁の逆転サヨナラチャンス!バッター姫路詩織に変わって!ピンチヒッターとして出てきたのは!荻野広樹だ!』

『OhーOhーOhー』


「……何これ?」


「野球実況が流れるようにしました!ちなみに他の音も流れます!」


Eから発せられたのは、テレビで聴いたことのある応援歌と実況だった。

しかもオリジナルバージョンになっている。


「ボールと棒がそろったら野球でしょ!今度やってみて!」


「おう」


これが榛名なのだと理解した。









「広樹!どこにいるの!」


不法侵入者は広樹のうちに入り、リビングで発狂していた。


「どこ!」

風呂場

「どこ!」

洗濯機の中

「どこ!」

洗濯物が干されているベランダ

「どこ!」

トイレ

「どこ!」

クローゼットのある寝室











「じゃあ次は銃の方だね。安全装置セイフティを取り外して、Eと同じように赤外線指紋認証装置を付けたよ」


テーブルに拳銃が二丁置かれた。

両方とも緑黒りょくこくの迷彩に塗装された光沢ある鉄の塊。

似ているが、一部形に違いが見えた。


「形はデザートイーグルに似ているけど、中身は全く別物になってます。名前は『アルテミス』」


狩猟と弓術を司る女神の名前だ。


広樹は出された二丁を両手に持ったが、重さに腕がぶらついた。


「これは威力を上げて反動も大きくなっているから、狙いをズレにくくするために、重さを増やしたの」


追加で説明されながら、アルテミスをテーブルに戻す。

そして、次にテーブルに出されたのは色違いの2種類の銃弾。


「次は銃弾の説明ね!一つは50AEの銃弾をモデルにして!私が作り上げた銃弾!『フォレスト』!」


アルテミスの素材を頑丈にすることによって、銃弾に使う火薬の成分を強力な物にした。

フォレストの特徴は通常の銃弾より速く飛び、威力を上げたことにあった。


「で!もう一つの銃弾ね!その名も『ディザスター』!」


ディザスターの特徴は爆発。

銃弾はただの鉄の塊ではなく、榛名が開発した爆弾。つまりは小型グレネード。衝突と同時に爆発する仕様になっていて、一発で戦車を吹き飛ばせる。


「なあ榛名、さすがに戦車を」


「二丁のアルテミスに別々の銃弾を入れて使い分けてね!呼び方も『フォレスト』と『ディザスター』でいいんじゃないかな!」


気になった疑問を妨げる榛名。


言われるままに従って、あっという間にホルスターを身体に着せられ、装備を着こなした。


近接武器…『E』

銃器…『アルテミス・フォレスト』『アルテミス・ディザスター』

日用品…『隠し傘』


「……隠し傘は何も変えなかったんだな」


「できれば内緒にして頂けるとありがたい!」


どうやら、ただの傘ということで、みんなから隠し通せたらしい。隠し傘だけに。










「広樹の匂い!?」










「でさ、今後の予定とかあるの?」


お茶を飲みながら榛名が質問をした。


「いや、まだ何も決まってないな」


「そうなんだ。詩織とチームを組んだって聞いたけど、任務とか聞いてないの?」


「何も聞いてないな。チームを組んだのも昨日からで、任務もさっぱりだ。…本当にさっぱりなんだ」


任務も戦闘学の常識があるのかと気になり続けていた。

だって、銃刀法違反を余裕でさせちゃっているし。

広樹の中で、戦闘学の任務がどんなものなのか、薄々と理解し始めていたのだ。


「適当に詩織に聞いてみるよ。お茶ごちそうさん」


「ん!武器に問題があったら持って来てね!私が修理するから!」


「おう」


椅子から立ち上がり、榛名と言葉を交わして部屋を後にした。

これからもよろしくお願いします!

また!読みに来てください!

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