第168話、メリル「うぐッ…下が…すーすージマズゥ…」
長くお待たせしてしまい申し訳ありません!
書きあがりましたので投稿します。
どうかよろしくお願いします。
「チャンスは一度きりだ。すまない。俺達にはそれが限界なんだ──と、言っている」
エリスを介して、彼等の言葉を聞いた。
限界でもいい。力を貸してくれるだけで、何も持っていない俺にはありがたい。
俺は頭を下げて、彼等に感謝を伝える。
「センキュー」
「NONONO!ノープロブレム!」
彼等は笑顔で俺にそう言う。
ああ、良い外国人と出会えて良かった。
こんな場所でなければ、一緒にお茶を楽しみたいくらいだ。
「じゃあお願いします。『メリル救出作戦』を」
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「ごめんねメリル。本当に…」
「ゔぇッ…うぐぅッ…」
今も泣いているメリルに、詩織は頭を下げて謝っていた。
あともう少しのところで貞操が奪われそうになっていたのだ。
メリルのガチ泣きに、詩織は焦りを顔に浮かべていた。
「詩織の回復が間に合って良かった……」
詩織の前頭部に触れながら、鈴子は微汗を頬に流しながら言う。
「少し焦った……本当に」
「ごめんなさいね鈴子。大きな借りを作ってしまったわ」
「いい……私も無茶なお願いをしたから。……もっと考えていれば分かった筈なのに……」
鈴子は鈴子で、詩織の状況に気づけなかった自分に悔いていた。
「詩織の脳を調整したけど……あまり無茶は出来ない」
前頭部から手を離し、鈴子は今の現状を伝える。
その言葉に詩織は、
「ありがとう。ちゃんと心に留めて置くわ」
感謝を伝え、今の限界を心に焼き付ける。
もう二度と同じ失敗を犯さない。
そう決意して、再びメリルと向き合った。
「ゔぐッ…ゔぇぐッ…ぞんなにっ…悪いどぉ…思っでいまズガァ?…ゔぐッ」
「思っているわ。もし許してくれるのなら、私はどんな償い方も厭わない」
その言葉に、メリルは嗚咽を吐きながら言う。
「パンツ…」
詩織のスカートを摘みながら。
「パンツを貸じで下ざイィ…」
「「…………」」
詩織と鈴子が沈黙する。
だがその視線は迷わずに、メリルのスカートへと向いていた。
「ゔぇッ…うぐッ…破られまジダァ…」
「…………」
「……詩織、メリルに償いのパンツを」
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「広樹くん、私は怖いよ」
「エリス、俺も怖い。でも、男には逃げてはいけない時があるんだ」
メリルがどうしてホテルにいて、あの怪物に触手まみれにされていたのかは分からない。
だが、俺はメリルの為に動かなければいけない。
そう強く思う俺がいる。
「一人だったら逃げてたかもしれない。でも、今は力を貸してくれる仲間がいる」
俺の周囲にいる武装集団。
彼等のおかげで俺は、メリルを助けに行く選択肢が取れた。
まるで映画だ。
「いや、その仲間を作れてしまった広樹くんが怖いんだよ…」
「頑張れば誰にでも出来ると思うぞ」
「そんな事を簡単に言えてしまわれると、益々怖くなるね…」
エリスが俺から距離を開けた。
え?そんなに怖いのか?
『フィールドの中では敵でも、外では仲間』とか、
『今日の敵は、明日の友』とか、
敵から味方になるならまだしも、彼等は正義の警察組織で……
…………あれ?
そういえば、彼等の素性を確認してなかったな……
いや、助けてくれたんだし、きっと警察組織に違いない。
きっとそうだ。
じゃなければ、ナイフを貸してくれたり、水を飲ましてくれたり、お菓子を食べさせてくれたりしないだろう。
ましてや、メリルの救出を手助けしたりはしない。
…………念の為に確認しようかな?
彼等に怪しまれないように、エリスに耳打ちするように聞こう。
「五〇〇年の人生でこんな経験は……」
五〇〇年?
何をブツブツ呟いているんだ?
「なぁ、エリ──」
「ヘイ!」
ヘイィィイ!?
ビックリした!
「へ、ヘイ…」
「────────」
英語だから聞き取れない。
「準備は整った──と言っている」
…………大丈夫だよね。
エリスが何もないように彼等の言葉を聞き取っているから、きっと安全だ。
今はそう信じよう。
彼等は良い人。
「それにしても、まさかこんな戦法を…」
周囲を見回したエリスが関心を顔に出す。
「まるで敵の攻略法を知っているみたいだね」
「いや、偶然で思いついたんだ」
敵は三メートルを超える怪物。
放った銃弾は謎の力によって命中しない。
そんな未知の敵との戦い方は、ホテル一日目の夜に心得があった。
「鈴子に感謝だな…」
あのゲームのエイリアンが凄く厄介だった。
だが鈴子が「この能力……私の能力と親近感がある」とか言って、攻略法をたくさん出してくれて助かった。
まさかこんな場面で鈴子からの知識が活かせるとは。
その考えを彼等に説明したら、凄く感心された。ゲーム知識とは言ってないけど。
よし、メリル。今助けに行くぞ。
読んでくれてありがとうございます。
これからもよろしくお願いします。