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第152話、詩織「今夜は」鈴子「二人で」校長『もしもし、広樹くん?』

書きあがりましたので投稿します!

今回は短めです。

よろしくお願いします!


6日間連続で投稿していますので、確認お願いします!

ゲームイベントが終わった日の夜。


「内守谷鈴子様、お荷物が届いております」


そう言って、ホテルスタッフがシルバーケースをカウンターに置いた。


「受取証書にサインをお願いします」


「ん…」


「確認しました、それではお受け取りください」


スタッフにお辞儀されながら、鈴子はシルバーケースを手に取り、カウンターを後にする。


そして歩いた先には、ロビーのソファーに座る詩織が笑顔で待っていた。


「詩織、届いたよ。色々と」


「ありがとう、校長にも改めてお礼を言わないとね」


「そうだね、これで詩織とも旅行を満喫できる、嬉しい」


「私も嬉しいわ。鈴子と旅行できる日が来るなんてね」


「「フフフフッ」」


「じゃあ広樹、私達」


「女の子同士で色々と話したいから、これで」


「「お休みなさい」」


このまま二人は部屋でキリンさんごっこでもするのだろうか。


距離が近い。肩が当たってる。笑顔を向け合ってる。ピンク色のもやが見えている(錯覚)。


どう見ても、これからキリンさんごっこをするのではないかと考えてしまう俺は、正常の筈だ。


「お休み……」


消えそうな声で二人の背中を見送った。


明日の俺は、二人の顔を真っ直ぐに見られるのだろうか……



────。

────。



自室にて、


「すみません、ちょっと整理する時間が欲しいです…」


校長が説明してくれた、詩織が此処に来た経緯。

遠回しに言われたが、つまりは気分転換らしい。

だが、それでどうして俺達の元に来たのかが曖昧だった。


『彼女は今まで娯楽を知らなかったんだ。戦闘学に貢献する義務感が働いていた所為でね。だから、この機会に友人と遊ぶ時間を満喫して貰いたいんだ』


「は、はぁ、分かりました…………特に変な事情とか隠れていませんよね?」


『…………そうだね』


ちょっと待て、なんだその間は、


「校長、もし何か隠し事をしているのなら、言ってもらえませんか?俺の勘が命の危険に繋がると言っています」


思い出そう。数週間前の詩織の姿を。


──『GAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA────!!!!』


思い出そう。数週間前の詩織の体内を。


──ネチョネチョネチョネチョネチョネチョネチョネチョネチョネチョネチョネチョネチョネチョネチョネチョネチョネチョネチョネチョネチョネチョネチョネチョネチョネチョネチョネチョネチョネチョネチョネチョ


あ、ヤバイ…


自分が喰われて身体中をねちょられた記憶が鮮明に思い浮かぶ。


そうだ。詩織は数週間前に巨大化して大変な事態となっていた。


そんな詩織が今近くにいる。

大丈夫なのかと疑って当たり前だ。


『……実は、少し気になるデータがあるんだ』


「気になるデータ?」


『博士…いや、最後に詩織くんのデータを取ってくれた人員からの報告でね……まぁ誤差範囲だから、気にしなくてもいいね』


「…………帰ったら退学届け出します」


『すまない!冗談だ!いや、少し難し過ぎる話になるから、言わなくてもいいかな〜ってね!』


退学届けをチラつかせたら、校長は素直に話してくれた。

確かに専門用語や憶測などを出され、半分も理解出来ない。


だが話の要点をまとめると、


「詩織に何らかの後遺症が残っている可能性があり、それがどんな形で現れるか分からないと?」


『ああ。だから、極力大きな行動を避けて欲しいと思っている。一応彼女は病み上がりだからね』


「……分かりました」


渋々返事を返す。

旅行でそこまで大きな事は起きないだろうと考えた結果だ。


『それで今詩織くんは?』


「鈴子の部屋にいますよ。同じホテルの部屋を取ってくれたので、寝るまで一緒にいるみたいです」


『そうか。それにしてもあの二人がね……何があったんだい?』


やはり校長も不可解に思っているらしい。

詩織と鈴子がいきなり仲良くなった事実に。


「突然仲良くなったんです。特に目立つ前触れもなく」


『それは、少し怖いね…』


「俺も怖いです」


校長とここまで考えが合致するのは初めてだ。


「だから何も聞かないつもりです。触らぬ神に祟りなし、って言葉があるくらいですから」


『同意見だね。私も追求はしないでおこう。では、そろそろ…』


「はい、では失礼します」


通話を切り、端末を机に置いてベッドに横たわる。


「…………さて、明日は」


枕元に置いてあるパンフレット。

それを見て、頬を緩ませずにはいられなかった。


これは鈴子にも伝えていない、俺だけの楽しみ……


ピッ!

ピッ!

ピッ!


「ん?」


机に置かれた端末から、三度の通知音が鳴り響いた。


『From姫路詩織』

『From内守谷鈴子』

『Fromメリル・キャンデロロ』

読んでくれてありがとうございます!

これからもよろしくお願いします!

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