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さすがに武器を持ってお店に突っ込めば退学にしてくれるよね!ねえ!!  作者: こまこま
第10章、オーストラリア編(ゲームイベント編)
148/221

第148話、詩織「当然の結果ね」鈴子「同じフィールドに立たされたら、普通こうなる」メリル「常人のフィールドデスネ…」エリス「コッソリやりたかったが、運営側チームを相手にするとね……もう無茶は出来ない」

書きあがりましたので投稿します!

今回は短めです。

昨日も投稿しましたので、確認お願いします!

四つん這いになった彼等がいた。


汗を落とし、唾を散らせ、全身から熱々しい蒸気を浮かばせていた。


「なんだコレぇ!?なんで俺達がひれ伏してるんだぁよぉ!?」


「死ぬぅ!全身が沸騰ふっとうするぅ!」


「喉から何か出そうだっ…目眩もするっ…」


「生殺しだっ、サンドバックかよ俺達っ」


「…………」(気絶中)


意識を失っているルーカス以外が、終幕した試合に悔しさを吐いていた。


そのコートで起こった事は、プロである彼等にとって悪夢に近いソレだったのだ。


そんな地獄を作り出した張本人達は、既にコートから消え去っている。


その場に残るのは、『勝者』である彼等だけだった。



────。

────。



荻野おぎの広樹ひろき姫路ひめじ詩織しおり内守谷うちもりや鈴子すずこ、メリル・キャンデロロ、エリス。


彼、彼女等は──試合に負けた。


仲間割れもなく、万全の状態で望んだ後半戦。

だが、五人は運営側に敗北したのだ。


負けた理由は多々ある。


・前半戦での得点差が大きく開いていた事。

・人体強化のスペックを、他者に訴えられない範囲にしなければいけなかった事。

熟練アスリートの外人男性五人に対して、挑むのは無熟練しろうとの少年少女達、故に身長差とテクニック差、チームワーク差が大きく開いていた事。

・etc…


では何故、試合に勝利した運営側チームが泣いているのか、四つん這いで息切れを見せているのか。


それはプロである彼等に挑む、少女達の姿が異常だったからだ。


汗を流し、息を切らして、必死な顔で走る彼等とは違って、少女達は平然な呼吸で走っていたのだ。


それもそうだ。

少女達は全力を出していなかった。

いや、戦闘力を大きく表面に出せなかったのだ。


少女達がしていたのは、超が付く程の手加減&縛りプレイ。

身体能力を強化した上での、戦闘力だと他者に指摘されない範囲内のバスケットボール。


三メートルジャンプなんかした日には、確実に中断を余儀なくされただろう。

せいぜい出来たのは、鈴子による長距離シュートや、詩織によるダンク、これでも危険範囲グレーゾーンである。


故に息切れをする事もなく、試合は続いたのだ。


彼等の嘆きの根源。

それは少女達の軽過ぎる呼吸。

手加減してますよ〜と言わんばかりに、少女達は息を乱さなかった。


その上で点数差を縮めて来たのだ。ぎりぎりの人体強化で。


それが彼等のプロ魂に火をつけ、にでも少女達の呼吸を崩そうと全力を出した。本気の顔にさせようと頑張った。


だが、結果は勝利と敗北の両方。


『試合には勝ったが、プロとしての精神プライドをズタボロにされたのだ』


それが彼等を四つん這いにさせ、男泣きさせている原因なのだった。



────。

────。



会場外に設けられた仮設型飲食店。

そこの円形テーブル席に五人が座っていた。


しかし…


「ねぇ鈴子、このタルト一緒に注文してみない?」


「別々のタルトを頼んで、詩織とシェアしてみたい」


「いいわね!」


「うん」


あの仲が悪かった二人が、あの詩織と鈴子が、


笑顔を向け合いながら、一つのメニュー表を二人で見ていた。


(((どうしてこうなった…)))


それを見つめる他三人が、同じ事を思った。

読んでくれてありがとうございます!

これからもよろしくお願いします!

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