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さすがに武器を持ってお店に突っ込めば退学にしてくれるよね!ねえ!!  作者: こまこま
第10章、オーストラリア編(ゲームイベント編)
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第142話、鈴子「大丈夫。これはルール違反じゃないし、一般人でも出来る……はず」

お久しぶりです!

書きあがりましたので投稿します!

どうかよろしくお願いします!

「ハァハァっっ」


とある暗い一室で、男は壁に貼ったポスターを鑑賞しながら息を荒げていた。


「広樹っ、君はやはりっ、イィイっっ!」


ポスターに映るのは、ある少年のバスケユニフォーム姿。

広樹がシュートを打ち出す瞬間を鮮明に映した光景が、ポスターの中に広がっていた。


「ほとんど試合には出ていなかったが俺は見ていたぞ!君は影でコソコソ努力していたのを!人気ひとけの無い体育館で君は頑張って練習していた!そこで何度君を影から襲いそうになったかっっはぁはぁ!!」


盗撮写真ポスターを見ながら、山本ホモは中学時代の広樹を呟き漏らす。


「表彰式に出る姿も良かった!目立つ活躍をしていなかったが、それでも俺だけはお前の輝きを知っているぞ!この輝きが染み込んだ聖布ユニフォームが証拠だっハァハァ!!」


鼻息を蒸気させる山本は、とある誰が使っていたそのユニホームを──



スーハースーハークンクンチュッチュッムチュムチュペロペロ…



────。

────。



ゾォォ〜〜っっ!!

「ッッ!?」


悪寒が走った。

突如と気持ち悪いナニかが身体の芯を冷やした。


この悪寒は以前にも、確かユニフォームを無くした時に……いや、そんな事よりも今の状況に目を向けよう!


せっかくの得意スポーツだ!俺の好きなスポーツがやってきた!


平均ノーマル以上、選手レギュラー未満の運動神経だったが、シュートだけには自信がある。

これだけは誇れる才能を持っていると自負している。


だからこそ、

自分の才能を出せる舞台だからこそ、


はっきりと伝えたい。


「一つだけ言わせてほしい」


円陣を組んで肩を寄せ合う五人。

ツルツルに磨かれた木床コートに顔を反射させながら、彼女達に注意を促す。


「お願いだから、過度チートなスーパープレイはやめてくれ」


「「分かってる(わ)」」


詩織と鈴子が答えを返す。だがどうしても心配な気持ちが拭いきれない。


何故なら彼女達は普通ではない。


不法侵入をこなしたり、ゴミ部屋で暮らせる少女達だ。


限りなく信用性の欠ける経歴があって、その言葉が薄っぺらく感じてしまう。


そしてメリルはと言うと、


「は、ハ〜イぃ」


震えながらかすんだ声を漏らしていた。どうやら詩織と鈴子の尋問がまだ抜け切れていないようだ。


だが、先ほどの暴力プレイは控えてくれそうだ。


「ラジャ〜〜」


何故かエリスも了解の声を唱える。

戦闘力を持っている組に伝えた筈だったが、エリスも流れる様に乗った。


適当に答えた?


「で、ポジションはどうするんだい?」


「ん、それは─」


経験者としての知識を役立てよう。そう思った時、


「「とにかくゴールを決めればいい(のよ)」」


エリスの質問に答えようとした矢先、詩織と鈴子の前向き過ぎる方針を唱えてきた。


同じ考えをする辺り、実は仲が良いんじゃないか?


「了解だ」


了解じゃないよエリスさん?


今回の流れは完全に運営側の策略だ。

この試合で試されるのは個人の単純な強さではない。


それらを推測できる根拠が目の前にあった。


そう、待ち構えているんだよ。

屈強な白人と黒人の外国人集団が。


ドォン!と彼等が登場して敗北を悟った。


つまり『運営側が用意したチームに勝てたら、五人全員に賞品を授与』。そうスタッフに宣告された。


サッカーの時にも思ったが、もう完全に運営側は参加者を落としにかかってる。


最後の最後で堂々と運営側から人員チームを参加させたのが良い証拠だ。


「以前は2対2だったが今は5対5。これは非常にマズイ」


「ん、かなりはっきりと言うが、その理由はなんだい?」


「人数が増えてチームワークの必要性が高まったんです」


ダブルステニスやPKサッカーと比べて、今回は人数を増やされ、チームワークの重要性が高まるスポーツとなった。


個人に尖った実力があったとしても、チームワークが無ければ勝敗に大きく影響する。


そして今回のスポーツは『バスケ』だ。


狭いフィールドで素早い動きを必要とし、様々な制限ルールもうけられた球技。


その制限ルールやぶらずかわす為に必要なのは、周囲にいる仲間とのチームプレイである。


そして自分達はと言えば、その場で組まされた『即席そくせきチーム』。恐らく運営側は『組織されたチーム』を呼び出している。


うん、無理。


白人黒人の混同チームを出された時点でも、敗北フラグが立ってるもん。


いくら詩織達の運動神経が超人並みでも、ルールの厳しいバスケで、この即席チームで運営側が用意したチームに勝てる可能性は乏しい筈だ。


「大丈夫だよ」


ん、鈴子?


「絶対に勝てるから」


一体何を根拠に言っているんだ?


「だって」


うん?

どうしてエリスと視線を合わせる?

そしてなんでエリスは笑顔でこくりと頷いているんだ?


ちょっと待て、凄く嫌な予感がするぞオイ。


「ちゃんと勉強したから」



────。

────。



「なんだあの長距離ロングシュートは!?あんな華奢きゃしゃな女の子が射てるボールじゃねえぞ!しかも入っただとぉおお!!」


試合を覗く野次馬達から賞賛の声が上がる。


うん、試合開始直後にいきなりするとは思わなかった。


もう反則範囲グレーゾーンなプレイだ。


通報とかされないよね?かなり心配なんだけど?ねえ?


メリルが目を大きく見開いてるぞ。


オーストラリア支部の前で堂々とやって大丈夫なの!?ねえ!!



────。

────。



「支配人からの情報通り、やっぱただの子供がき達じゃねえな」


「開始直後でシュートを入れられるとは──てか、なんでボールを譲ったんだよ?」


「最初から本気を出しちゃ可哀想だろ」


「可哀想になる玉じゃないだろ。アイツらは」


「それじゃあ、今から予定通りに行くか」

読んでくれてありがとうございます!


今回は第106話に出した広樹の過去設定の伏線を一部回収しました!


『(一人で表彰式か……一人はなかったな……)

戦闘学に転校する前にも、入賞者として立った機会があったが、それはチーム全員で。』


ここから始まる展開のために出した伏線なので、頑張って活かそうと思います!

ようやく広樹が活躍できる舞台になりそうです!


ぜひ次話も期待していてください!

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