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友人Aの反逆日記  作者: みくじ


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13-7

 面倒をこなすにあたって目的を明確にすることは重要だ。


 現状どうにかしなければならないことは多くの人命が失われる可能性があるという事。

 だが残念ながら現状では全てを救うことは出来ない。

 全てが救えない以上どうしても優劣をつけるしかない。誰を助けて誰を見捨てるのか。


 この状況下で最も愚策は選択出来ずに全てを失うことだろう。

 あるいは全てを救おうとして結局何も救えないということ。

 恐らく主人公様はこのどちらかを選ぶことになるだろう。


 平凡で精々器用貧乏な俺には選択するしかない。

 変な夢や希望や妄想は抱かない。

 とはいえ俺には現状優先順位がない。

 自分に危険がないというのは実に気楽だ。誰が死に誰が生きようとそれ程大差ない。

 クラスメイトとか駒とか万能秘書とかそこに差が、こだわりがあるかといえば無い。なくても困らないし困ったら新たに集めればいいだけのこと。


 では何をもとに判断すべきかといえば純粋に数だろう。

 より多くを救うために多少を見捨てるのがベスト。そこに恨みや憎悪を向けられても知らん。本来全員助からない中で少しでも助けようという努力を褒めてもらいたいものだ。


 ま、褐色白髪の英霊になりたいわけではないので他者からの評価なんてどうでもいいが。

 あの方も別に評価が欲しかったわけじゃないだろうが。



「ローズマリー・キャロルを殺すといったけれど、大丈夫なの?」

「大丈夫ではないでしょうね。色々と」

「なら潤が何かをする必要は」

「まあそうなんですよね。俺が何かをする義理や義務もない。ただこのまま放置というわけにはいかないようなので諦めることにしました」

「……潤は竜泉寺零王と敵対するつもりなの?」

「どうでしょうか。少なくともその意思はないんですが、そうも言っていられないんでしょうね。本当に残念です」

「そう。私は潤に従うよ」



 綾香大明神は主人公様との明確な敵対行動に対して少し緊張しているようだった。

 主人公様と敵対するなんて死亡フラグでしかないので仕方がないか。それでも喚かず従う意思を見せるあたり流石は万能秘書。

 いちいちヒロイン気取りをしなければ本当に優秀な駒だというのに。


 一方で捨て駒さんたちは文句のひとつもない様子。流石は捨て駒。



「人一人を殺す。それだけの簡単なお仕事です」

「分かっているわ。勿論やらせてもらうわ」

「ま、それをした人は主人公様からお仕置きを受けることになるでしょうけど」

「捨て駒という以上助からないことは理解しています。ですが私たちでは彼女を殺すことが出来ても止めることは出来ませんが」

「でしょうね。ま、大丈夫だと思いますよ。そこを何とかするのが自分の仕事でしょうから」



 綾香も捨て駒さんも所詮は雑魚。面倒なことは俺がやらねばならない。面倒なことに。

 勿論伊勢谷は傍観に徹しているので無視。


 対処すべき問題はキャロルの超常的な力の暴走。

 それの解決方法は大きく分けて2つ。

 暴走を制御するか力を取り除くか。

 簡単なのは力を取り除く方だろう。


 キャロルの身体に施されている何かを処理することは俺には難しい。呪術に近いので大まかに何が起きているのかは理解できても何をどうしているのか分からない。

 ザマス眼鏡が余計なことでもしたのだろうか。まあ俺は所詮器用貧乏、何でもできるわけではないので単純に能力の限界なのだろう。


 一方で力の奪取は比較的簡単だ。

 生き生きとした現状では難しいが瀕死に陥れば容易に出来る。このあたりは人外としての性能でパワーゲームなので難しいことも悩ましいこともない。

 現在の炎上と超回復の連鎖中では難しいが瞬間的にでも力が弱まれば何とかできる。


 問題は瀕死に陥らせるために普通に仕掛けるとパァンするということ。

 まあ、普通に仕掛けなければ多少は何とかなる、はずだ。



「取り敢えずは捨て駒さんにキャロルに近づいて黒刀で心臓を突いてもらいたいと思います」

「それは斎藤君が普段使っているモノだね。それだけで何とかなるのかな」

「楽観的に見て五分五分だと思いますよ」



 キャロルの中で起きているのは暴走と超回復の連鎖。

 今はその連鎖が良い具合に繋がっているので暴発に至っていない。限界に達する前に上手く突けばガスを抜けるかもしれない。膨らんだ風船に針を刺して萎ませるイメージだ。


 もっとも、これは正直分が悪い賭けだと思っている。出来れば儲けものという感覚の方が強い。

 そのあたりのことは伊勢谷にも伝わっているだろう。


 十中八九パァンは起きる。そこまでは正直想定内だ。キャロルが死に数キロの範囲が死滅しても仕方がないと考えている。


 最悪なのが周囲を死滅させておいてキャロルは死なず再び連鎖を膨らますこと。

 そんな面倒な事を想像したくないけれど絶対にないとは言えない以上予想しなければならない。


 完璧を求めれば色々と出来ることはある。ヒロインやその他諸々の手助けが得られればある程度のことは出来る。助けられるかもしれないと可能性を残す程度の行動は出来る。

 けれど俺自身の保身の為や時間の関係上など色々と制約があるので仕方がない。


 そもそも完璧を求めるなら初めから介入している。

 ならば何故こんな中途半端に介入するのかといえば、そこが少々おかしなところだ。


 まあ考えても仕方のないことなので気にしないでおこう。


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