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友人Aの反逆日記  作者: みくじ


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70/123

10-2

 泣き叫んで世界を悲観したところで現実は変わらないので色々と諦める。

 意識を切り替えるために意識的に諦めてため息をひとつ。

体の緊張を解して出来るだけふてぶてしい態度を作りザマス眼鏡の真正面に座る。



「それで、何用ですか?」

「そんなに慌てないでよ斎藤くん。ボクの様な事務官にはこうした交渉の場が唯一の気楽な仕事なんだよ。もう少し会話を楽しもうじゃないか」



 ニコニコ笑顔のザマス眼鏡。

 その目元を良く見ると隈があり何処か疲れた印象がある。

こういうところで妙齢の美人ではなく苦労性らしき男性が出てくるあたり主人公様と対応が違う。だからどうという事ではなのだが。



ザマス眼鏡の態度は実に面倒だが一先ず大人しくする。


 ここで俺が死ぬということはないだろう。俺1人だけが生き延びるのであればそれほど難しいことではない。


 探知外から現れた事やその気配の面倒くささから戦闘になったら勝てないだろう。

 しかし真正面から戦うだけが戦いではない。正々堂々なんてものは必要ないのでやりようはある。


 勿論今気配を露わにしている連中以外にも潜んでいる可能性はある。

 伊勢谷や早乙女クラスの人間が1人でも出て来たら終わる状況ではあるのだがそんな人間が簡単に出てくるとも思えない。それに出てきた場合終わりなので考えない。


 何を守るでもなくただ逃げるなら簡単だろう。



 とはいえそれは俺1人が逃げるだけの事。

 綾香やオセアニアさん、のじゃ子なんかは捨てることになるだろう。

よし子さんとテイラー氏からは能力を搾り取り道具と成り代わるだろう。

そこまですれば逃げ切れる。


 だが逃げられるだけの事。逃げ出したら日常に戻ることは出来ないだろう。



 それでは意味がない。

 ただ面倒から逃げて心臓を動かすだけが目的なら初めからこんな面倒をしていない。


 ここが本当の正念場なので焦らず油断せず緊張せずジッと構える。



 そんな俺を見透かしているのかザマス眼鏡は一層軽い口調で続ける。



「そうだね。手始めに斎藤くんはボクがどこの人物で何をしに来たか分かるかな」

「どうでしょう。無難に考えれば竜泉寺を使って何かしようとしている人たちの使いじゃないですか」

「ほう、なんでそう思うのかな」

「遊びは終わり、なんてこちらを知っているような口ぶりですからね。自分と関わりのある人なんでしょう。自分が知っている組織なんてそこくらいしかありませんから。自分の知らないことについては考えても仕方がないので排除しただけです」

「なるほどね。合理的だ」



 勿論、合理的などではない。単純に面倒くさがりなだけだ。

 恐らくだがザマス眼鏡もそれくらいわかっているだろう。



「ふむ。斎藤くんは会話が上手じゃないようだね。話をしていてもあまり面白くない」



 そんなことを言われてもそれがどうしたという話だ。

 何が悲しくて見知らぬおっさんと会話を楽しまなければならないのだ。

それに真面目にすべき場所くらいは理解している。そしてここはその真面目にすべき場所だ。

少なくとも俺にとってはそういう場面だ。


 もっとも、俺が会話が下手というのは否定しないが。



「このまま本題に入ってしまったらボクは直ぐに事務に戻らなければならない。折角だからボクの話を聞いてくれないかな。斎藤くんとしても今すぐに結末じゃ面白くないだろう?」

「いや、直ぐに結末で構いませんよ」

「そうかい。じゃあ少し話を聞いてもらおうかな」



 話を聞かないザマス眼鏡。

 文句を言うなり普段の様に無視して処理してしまいたいところだがグッとこらえる。

 やはり俺は所詮モブで全てを力で押さえつけることは出来ない。大勢に流されるのは癪だがここは堪え時。


 せめてものの抵抗としていつも通りスルースキルを使い長話を適当に受け流す。




 ザマス眼鏡はやはり竜泉寺を使っている組織、委員長の背後組織の使者らしい。


 委員長から逃げ出すことは想定されていたのでそのことは問題ない。誰かさんの様に逃げるだけなら問題なかったが周囲の力を求め始めたので処分が決まった。


 本来なら1人で水没村に戻ったところで処分するつもりだったが伊勢谷が現れて計画が狂った。同時に竜泉寺が面倒事を起こしたので俺の処分にまで手が回らなくなった。



 竜泉寺のごたごたが解決して再度処分を行おうとしたところ高野山に向かったので一時停止された。

 高野山では最近邪魔になっている組織が何やら企んでいるようなのでそれを邪魔してくれるなら願ったり。共倒れになれば一石二鳥と考えた。


 高野山では欧州系組織が竜泉寺に対抗すべく主人公を作る計画が進められていた。欧州系は2番手勢力でザマス眼鏡達としては目障りとのこと。


主人公は危機に陥った誰かの為に必死になる。そういう状況を作り主人公の能力発現を促す。

 結果としては失敗になったがそうして作られた主人公は絶大な力を持つため脅威になる。


同様の実験は世界各地で行われているらしい。


 その計画が失敗に終わったところで俺の延命も終わった。



 まとめるとこんなところだろう。


 それを悪ふざけや色々を加えて小一時間ほどかけて話した。

 特に反応をせず受け流していたのがあだになったのかザマス眼鏡は気持ちよさそうに話していた。


面倒な奴だ。


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