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友人Aの反逆日記  作者: みくじ


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58/123

9-3

 慰安旅行状態になっている戦力外どもが戻って来たところで事の次第を説明させられた。


 シゲノヨシコが木乃伊子だと。


 しかし、残念なことに当の本人とアッシーさんは何のことやらといった様子。

 ならば何も問題ないと流そうとしたのだが人妻さんに懇切丁寧に説明させられた。

 何が悲しくて気付かれなかった悪ふざけ告白しなければならないのか。


 人妻さんは話の流れ上どうでもいい人なのでどんな態度を取られても構わないのだが下手に意地を張ると余計面倒なのであっさり折れた。

 これがヒロイン力か。



 何のことやらと始めはポカンとしていたよし子さんだが一応子を除いた三文字、木乃伊でミイラと読めると伝えると微妙な表情になった。

 そりゃまあそうなるわな。


 どうでもいい事だが世間でも似たことがあるらしい。

 子供にシンタとつけようとして心太としたらしい。

 しかしそれでは心太ところてんと読めてしまう。


 そんな話を聞いた時、流石にトコロテンなんて名前は嫌だと思った。

 そう言う悪ふざけだ。


 無駄にそれらしい読み方を考えるあたり俺も面倒な人間だと思う。

 小一時間ほど漢和辞典と睨めっこした。


 女もコと読めるそうなので木乃伊女でシゲノヨシコも浮かんだが伊女でヨシコはちょっとあれな感じなので止めた。

 木乃伊子でもかなりあれなのだが。

 それは良いとして。



 他人に名前を求めておいてもいざもらったら文句を言うとかどうかと思う。

 文句を言うなら他人に任せなければいいと思う。


 文句を言いだしたのは当の本人ではないのだけれど。



 そもそも相手に簡単に名前など付けられない。

 それ以前に出会った直ぐの相手に思い入れも何もない。

 俺はボールを投げつけて手に入る仲間には種族名のままにするタイプなのだ。


 物語的には適当に関連性をつける、例えば花の名前とか、のだがそれもそれで面倒。

 それに大体のモノは既に踏みつぶされている。


 それでもなおつけると既存のイメージに引っ張られてしまう。

 下手にキャラの名前と被せるとお前じゃない感が強くなってしまう。


 キャラ名の着いた馬を見ると馬券を買いたくなるがそれがキャラ同様強いとは限らないのだ。

 それは良いとして。



 いよいよ面倒になって来た俺は綾香同様適当に選んでもらおうとしたが意外にもよし子さんはよし子さんでいいらしい。


 経緯や意図がどうであれもらった名前なので大切にすると。

 よし子さんは少し困った表情だったがそう呟いた。


 なんだか健気だ。

 別にグッと来ないけど。



 しかし漢字表記では問題があるのでそこだけ変えて、重乃よし子に変えた。

 よし子さん本人は気にしないといったが人妻さんが断固強行した。


 どうも人妻さんはよし子さんを女児と扱っている節がある。

 確かに依代を得て顕現した姿は小学生程度なのだが生きた年数は俺らの数十倍はあるのだが。

 それは良いとして。



 なんだか俺が悪者になるだけのイベントなのだがどう反応しても良いことは無いので大人しく時が流れるのを待った。

 結局あんまり変わっていない気がするとか余計な口は挟まない。


 こういう時の女子の団結力は面倒なのだ。

 女子ばかりというわけでもないのだけれど。



 そんな無駄な時間も無駄にするわけにもいかずせっせと地図を完成させる。



 地図が完成すると莫迦話をするのも無駄なので大人しくさせる。

 人妻さんは未だご立腹といったようだったが黙って退場して頂いた。

 よし子さんも現状使えないので退場。当然アッシーも。


 残ったのは綾香。

 その綾香も別段何かに使えるというわけでもない。

 ちょっとした状況確認と情報の把握がしたいだけだ。



「周囲の人間ですがこんな感じに配置されています。綾香はどう見ますか」

「多分お互いがけん制しているんだと思う。中央を陣取る集団を気にして周りの3つがそれぞれを監視している感じかな。今のところどこが突出しているところは無いかな。けど、それにしても細かすぎない? ちょっと怖いよ。潤にはストーカー気質でもあるのかな」



 真面目な話なのに随分な評価だ。


 生憎俺にはストーカー気質は無い。

 狂おしい程他人に執着など出来ない。

 面倒だから。



 綾香の評価など置いておくとして本来命がかかっている出来事に向き合うならこの程度の事はするべきだろう。

 一歩間違えれば自分の命が飛ぶ。

 そう考えれば無駄になる可能性が高くともやり過ぎることは悪ではない。

 寧ろ推奨されることだ。


 ホント愛と勇気と気合とその場のノリだけで何とかできる主人公様が羨ましい。

 それは良いとして。



 現在高野山付近には大きく分けて4つの集団がある。


 山の中央から全体的に居座っている集団。

 生真面目で堅苦しい雰囲気を醸し出している人たちだ。おそらく高野山の僧侶たちだろう。


 他は身体能力に特化したような集団が西にどっしりと。

 隠密を目的に行動しているような集団が北東を中心に全体的に散らばる。

 特にまとまりがなく我が儘に周囲を顧みない様な集団は南方全体に。


 中途半端に都合のいい俺の気配探知では雰囲気の傾向である程度敵の識別が出来る。

 勿論万能ではないので具体的な能力まではわからないし格下相手にしか通用しない。

 おまけに雰囲気や気配による判断なのでそれなりの手練れが探知をされること前提で隠ぺいしていたらわからない。



「潤の性癖は置いておくとして、多分だけど相手は中華系とオセアニア系。それと高野山のお坊さんと日本の隠密組織だと思う」

「普通に考えればそうですね。テイラー氏の国籍からすればアメリカ系もいそうなんですが」

「アメリカ系は大手だからね。テイラーさん程度じゃ動かないんじゃないかな。それにあそこはいま竜泉寺に御熱だから」



 何処も人材不足なのだろう。

 全てに力を注げるわけではない。

 テイラー氏程度に構っていられるのは新興勢力か中流くらいなのだろう。


 大手が出てこないというなら好都合。

 今いないだけでおくれて登場もなくはないだろうが登場されたらお終いなのでそこは考えない。


 単純に容易さを考えれば周囲など無視して本丸を攻めるのが上策。

 テイラー氏に拒まれたところで力は知れている。

 おそらく負けることは無いだろうし、よし子さんの呪術を上手く使えば問答無用に駒に出来る。


 だがそれは却下だ。


 今後を考えると俺は竜泉寺から逃げられない。あれが絡んでくる。

 そんな状態で相手に有無を言わせず力で従わせていると知れたら面倒になる。

 あれの事を考えると真っ当な手段に出るしかないわけだ。


 となると最低限の理屈が通じる理由、まずは本人の意思がいる。

 それだけではなく周囲を納得させられる、あるいは反論できない建前がいる。


 主人公様ならヒロインを助けて終わりなのだが主人公ではないので助けた後の処遇や対応も考えなければならないのだ。

 別にヒロインを助けに行くわけじゃないのだが。


 さてどこから整えてどう外堀を埋めようか。


 面倒のしどころだ。



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