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友人Aの反逆日記  作者: みくじ


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8-4

 考え込んだ後の伊勢谷は実にあっさりとした口調に戻っていた。



「さて、折角だからキミの力を観察したいのだけれど。どうだろう」



 どうだろう、と言われても正直困る。

 戦力的な話をすれば自分の力など他人にひけらかすものではない。

 能力を知られていないという事はアドバンテージになる。


 しかし、相手は伊勢谷。

 格が違い過ぎる相手だ。そんな相手に有利も何もない。

 それにある程度の事は知っているだろうから隠すことも無意味な気がするので大人しく白状する。


 気にするところとすれば教えたことが広まってしまうことだがその辺は自分で何とかするしかないだろう。



「正直どうだろうと言われても困りますね。別に観察されるのは困らないですが自分自身能力についてあまり把握していないですから」

「そうなのかい? 随分上手に使っているようだけれど。キミの中に人を匿っているだろう。それは簡単に出来ることではないのだけど。無自覚なのかな」

「出来るからやっているだけなので、どうやっているかとか理論はさっぱりですよ」



 伊勢谷は匿っているといったが俺自身の自覚ではそのつもりは無い。


 幽霊少女が依代を必要とするから自分の中にそれを構築して住まわせているだけだ。

 それも意図的ではなく効率よくするために整頓したらそうなっただけだ。


 すべては感覚。出来ると思ったからやった。そしたら出来た。

 それだけの事。


 なんだか子供っぽいが仕方がない。



「それでも本来チヤ君がキミに分けた力、人外、あるいは外道と呼ばれる力はそこまで汎用性は無いんだけど。寧ろ一点特化なはずだけど。チヤ君みたいに。そこは竜泉寺くんの影響かな」



 流石は情報収集家というべきか色々と知っているらしい。

 本来であれば色々と聞くところなのだろうが大人しくしている。


 その反応が意外だったのか伊勢谷の表情が一瞬興味深いものを見るようなモノに変わった。



「この手の話は既に知っていたのかな。チヤ君に聞いたのか。竜泉寺くんが周りに影響を及ぼしているのは」



 確かにダメ生物さんはそんなことを言っていたような気がする。

 俺自身は取り立てて何もない人間だが主人公様のおかげで熟れていると。


 しかし大人しいのはそう言う理由ではない。

 至極単純そういう話に興味がないからだ。


 とはいえそんなことも言えないのでそれらしい態度をして見せる。

 伊勢谷はそれをどう受け取ったのか不明だが説明を続けた。



「現在竜泉寺くんの力はコピー能力だと思われているが本質はそこじゃない。彼を中心に物語が動いている。それが本質だよ。だから彼の周りにいるものみんな影響を受けている。それが良いのか悪いのかは分からないけどね」



 伊勢谷レベルの人物にまでこれほど言われるという事はやはり竜泉寺零王は主人公なのだろう。

 あるいは諸悪の根源か。いずれにせよ俺には関係のない話だ。


 それにしてもコピー能力か。どうせチートか。



「おそらくだけど彼の影響を受けているからキミの力は汎用性を帯びている。あるいはそういった汎用性に特化しているというべきなのかな。その辺本人としてはどうだろう」



 竜泉寺に影響を受けていると言われると色々と思うところがあるがあれの所為でと言われれば思い当たる節はある。

 俺然り、委員長然り。



「竜泉寺が周囲に影響を及ぼしているというのであれば、あれが自分に対して汎用性を求めているというなら分からないでもないです」

「どういう事だい?」

「御話として、作り話として考えると主人公の周りには汎用性の高い、使い勝手のいい人物は必要なんですよ。主人公は基本的に気持ちだけの人、色々と足りていない。それをカバーする役割を担う人がいるものです」



 客観的に見ればいい人。苦労性。報われない友人。

 そういった相棒的立ち位置の人物は物語として必要になる。


 竜泉寺が主人公となる物語と考えるとそういった人物が必ず必要になる。

 そういう人物がいなければ話はまとまらない。

 あれには1人で何とかできる力はない。



 そんな相棒的立ち位置に選ばれてしまったのが俺なのだろう。

 そして相棒としては手広い技術が必要になる。

 それが今の汎用性ということなのだろう。



「なるほどね。竜泉寺くんがキミに何でもできる友人でいて欲しいと思うからキミは何でもできる。そう言いたいんだね」

「あれにそこまでの力があれば、ですけどね」



 勿論単なる推測でしかない。

 それに本当にそんな影響力があるのなら敵わない。

 自分の思う通りに周りを動かすとかそんなもの主人公などではない。


 一先ずその事は俺に関係ないことなので受け流す。



 何かしらを納得して見せた伊勢谷はその話をそこで打ち切った。


 後は良く分からない機材を持ち出して何かしらを始めた。

 機材には何かしらのデータが現れるらしく色々と計測していた。刀についても色々と聞かれた。

どうやら報告書を作成しているらしい。



 数分の後、出来上がった報告書を教えてもらった。



「そうだね、戦闘力はAかな。決定打を持っていないようだし。魔力量はSSかな。伸びしろはありそうだ。総合評価はAAAかな。あとは特記として器用貧乏SSS+といったところかな」



 別に高ランクである必要はないしSSS+なんていう世界最高峰と評価されるのは凄くあれなのだが。



 なんだよ、器用貧乏って。




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