表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
友人Aの反逆日記  作者: みくじ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

53/123

8-3


 自己紹介を終えると一先ず場所を変えた。

 別に場所を変える意味はないのだが伊勢谷が変えるといいだしたので大人しく従う。

 長いものに巻かれるべき時はしっかりまかれるのだ。


 連れてこられたのは社。

 何でもダムに沈める時に建てられたものらしくナマズさんの依代にもなっているらしい。


 一応ナマズさんは土地神とかそれなりの高位にあるらしい。

 流石は5メートル級というべきか。


 しかし社の大きさは一般の人に合わせた物なのでナマズさんは中に入れない。

 ナマズさんは会話に参加したかったらしいが諦めてもらった。


 どうにかしてヒト化出来ないか、などと呟いていたが気にしないことにした。

 ナマズがヒロインとかホントカオスすぎる。

 それは良いとして。



 社の中は様変わりしていた。

 初めてきた時は本当に水没した社といた感じでボロボロで住めたものではなかった。


 しかし今は新品の建物にしか見えない。

 しかも建物の中は完全に近代的な装いになっている。どこから引いているのか不明だがネットも使えるらしい。


 そんな空間で準備された年越しそばを食べ一服すると伊勢谷が口を開いた。



「さて、何を話そうかな。斎藤君は何が聞きたい?」



 誘導しておいて他人に振るあたりこの人は面倒な人なのだろう。



「特に必要なのはないですね。それより伊勢谷さんの方が何か目的があったんじゃないですか? ないなら無いで自分は構いませんし、雑談だけで終わるならそれでも構いませんが」

「ふむ。キミという人間があまり捉えられないね。私は情報収集家を嗜んでいるから大体の情報は把握しているよ。キミが知りたいことにも答えられると思うけれど。キミのいうところの主人公様、竜泉寺零王の物語とか面白いと思うけれど」



 確かに情報という物は大切だと理解している。

 しかしその情報が正しいかの判断こそが大切だと思う。


 どうやら伊勢谷は世界的にも信頼され標準となっているようだがだからと言って俺に正しいことを伝えるとは限らない。

 勿論俺なんかにそんな手間をかける必要があるとも思わないが、だからと言って鵜呑みにはできない。



「今のところ欲しい情報は無いですから」



 情報が全くないというのなら手掛かりに欲しいと思う事もあるが無駄に知識を入れても仕方がない。

 単純に設定やら都合やらの話はどうでもいいという話でもあるのだが。


 それに竜泉寺零王の物語。それこそどうでもいいものだ。

 今日もどこかでトラブっているのだろう。



「そうかい? 今キミは切羽詰まっていると思うけれど。仲間を増やし手勢を増やしたようだけれどそんな事ではキミの運命は変わらない。現にキミは生き永らえている。これはキミの得た仲間がそれ程大したものではないことの証明にもなると思うけれど。私ならキミの状況を変えられる方法を知っているよ」



 伊勢谷はこちらの状況を理解し心情を理解して提案をしてくる。

 それはどこか優しい手の様に思えるのだが恐らく違う。

 人は誰しも優しいわけではない。

 

 というより現在の伊勢谷はどこかのダメ生物さんに似ている。


 真っ当な事を言ってその実他人を見下し馬鹿にしている。

 そんな感じがする。


 真摯そうな伊勢谷にため息をついて一層馬鹿らしく返す。



「大丈夫ですよ。その辺は自分で考えますし。他人に聞いてばかりでは生きているとは言いませんし」

「では聞くがキミはこの状況をどうするつもりなんだい? 世界は竜泉寺を中心に回っている。その流れに不都合となればキミは矯正される。その運命から逃れるには力を得るしかない。だがキミの持っている力、キミが得た力ではキミの望みは叶えられない。それでもキミは私に何も聞かないのかい?」

「あなたの言葉が全てではないですからね。他人に従っても自分の思う通りになるとは限らない。脅しがよくあるそれですよ。生きるために他人に従ってもその約束が果たされる保証はない。寧ろ果たされない方が多いでしょう。ならば他人に任せるより自分で考えた方が面白い。それで無理なら自分はそこまでの人間なんでしょうよ」



 その返しを伊勢谷はじっくりと考え込む。

 正直なところ下手に会話の流れを変えて気分を損ねるのは生命の危機でしかないのだが仕方がない。



 死ぬのは嫌だが面倒なのも等しく嫌なのだ。



 結局、それ以降伊勢谷は追及してこなかった。

 勿論クビチョンパされることもなかった。

 何がどう響いたかは不明だが一先ず及第点をもらえたらしい。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ