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友人Aの反逆日記  作者: みくじ


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24/123

5-7

*本日2度目です。

 クリスマス会を体調不良でサボり夜。


 使用人を寝室へ呼んだ。勿論年齢指定的なあれこれが目的ではない。


「年齢指定的なあれこれが目的でじゃないの? そう思って準備したのだけれど」


 呼び出された阿呆は勘違いしていたようで黒の扇情的な下着姿でやって来た。


「仮にそうだったとしたらどうするんですか」

「どうってこの様が答えだと思うけど。もしかして潤は不能さんなの?」

「いや、一応反応してますよ。ただチヤが管理しているこの家の中でナニをするつもりは無いですよ。自家発電でさえ面倒なのに」


 ホントあのダメ生物は面倒だ。何がとは言わない。

 思いだすと精神を削られるだけなので気にしない。それは良いとして。


「来てもらったのは渡すものと説明があってですね」

「あの、寒いのだけれど」

「なら部屋に戻って着て来たらどうです。別に急ぎの用事でもないので待ちますし」

「上着や何かを貸してくれるという真っ当な判断は無いのかしら」

「生憎こちらでは優しさを扱っていないんですよ。そういうのが欲しければ主人公の方へ行ってください」


 生憎俺には主人公気質は無い。ちょっとした優しさとかも持ち合わせてはいない。

 自分の行動には自分で責任を持つべきなのだ。決して美人の四肢を見ていたいとかそういう不純な動機ではない。決して。


 それに家は4LDKなので部屋は余っているので綾香にはちゃんと個室を与えている。

 使用人は主と同じ家には住めないとか床で十分とか言いだすかと思ったら普通に個室を受け入れた。現代の使用人には異世界の奴隷のような価値観は無いらしい。そらそうだ。


 部屋の家具やらも一応そろえた。わがままな契約者様は綾香だけに金を使うのは不公平だと駄々をこねて週末のお布施代1万円を要求してきた。流石ダメ生物である。


 用意した諸々には衣服も含まれているので部屋に戻れば羽織るものあるだろう。ここで俺から追い剥ぐ必要もない。

 それにしても黒か。エロいな。分かってらっしゃる。


 のんびりと行動を待っていると俺をじっと見つめた綾香は少し考えて見せたがため息をついて何か納得して見せた。だが部屋を出ていくことは無かった。

 意地なんて張らずに寒いなら何か羽織ればいいのに、と思う。

 何も貸さないけど。


 着替えるつもりがないのなら話を進めるとしよう。


「これを渡そうと思っただけなんですが」


 準備してあった二つ折りの携帯電話を渡す。


「容姿の変更と家事手伝いしか能がないとのことだったので連絡用に用意しました」

「ケータイですか。こんなものなら態々呼び出さなくても」

「こんなものとは手厳しい。色々改造してあるんだけど」

「へぇ潤は機械に明るいんですね。もしかして探偵バッヂ的に色々できるんですか?」

「いや、そこまでは無理ですよ。別に怪盗を追いかける気とかないんで最低限の機能しかないですよ。ハンズフリーで声に出さなくても通話が出来るとか電波が通じていないところでも通話が出来るとかしかないですよ」


 生憎俺は博士ではないので機械いじりなど出来ない。勿論ダジャレクイズも作れない。

 出来るのは精々妖気とやらを色々と練るくらいだ。


 仕えてもらうにあたって連絡を取れるようにするのが第一だと考えた。普通に文明の利器だけでもいい気がしたが最近の日常からすると非科学的な比重が大きいので用意した。


 俺は妖気を利用すれば文明の利器がなくとも連絡は取れる。だがそれは俺だけの話。

 綾香はあくまでも特異能力者であり原則普通の人間だ。ネコになることも出来なければボルトダッシュも出来ない。

 一方的に連絡が取れればいいかといえばそんなことは無い。双方向性がなければ利便性は落ちる。とはいえ俺もあくまでチヤのおこぼれで使えるようになっているだけでその力を御しているわけではない。他人に付与など出来るはずもない。


 取りあえず出来そうなことを暇つぶし程度に考えた。非日常に踏み入る気のない俺としては最悪文明の利器で問題は無い。精々家計が圧迫するくらいだ。

 そんな軽い感じで試行錯誤する中で簡単に目についた文明の利器をイメージして作った。電波を受信するイメージで定期的に携帯と携帯をつなぎ合わせる。そして必要な時だけ妖気に音を乗せて飛ばす。

 そんな具合に妄想して練り上げたら出来たのがこの違法電話だ。


 正直に言うと頑張って作ったというよりは作ってみたら出来てしまったという方が正しい。大正義妖気。妖気様様である。



 俺の渡した違法電話を綾香は唖然とした顔で眺めていた。

 その様を特に何も言わずに眺め反応を待った。色々と阿呆な状況になっているが取り立てて何も言わなかった。表情とか姿とか。

 数分たっぷり驚いた綾香はおずおずと訪ねてきた。


「これ、チヤ様に作ってもらったの?」

「いや、自分で作ったよ。チヤにそんなのを作るといったら莫迦にされるだろうしね」


 チヤは俺が非日常に走ることを嫌うというより莫迦にする傾向がある。

 恐らく本人曰くの逃げる、隠れる、生き延びるの精神から態々面倒に首を突っ込むことを面倒に思っているのだと思う。

 その為こういったことはチヤに話さない。


 もっとも俺自身も無暗に事件に身を投じるつもりは無いのでこの手の事はあまりしていない。精々知力向上やボルトダッシュくらい。

 これだって夕食が出来るまでの暇つぶしくらいで出来なくてもいい程度でしか作っていなかった。寧ろ出来てしまったことに困惑している。



「私も以前の職場柄こういったことに詳しいというほど知っているわけじゃないけどある程度知っているわ。けれど潤の言う妖気とはここまで便利なモノではないはずよ」

「そこはチヤ様様なんじゃないか。本人曰く都道府県では1位になれる程度の実力はあると言っていたし」

「確かにチヤ様のお力を考えればそう、だけど」



 綾香は納得していない様子だったがこればかりは俺にも分からない。

 違うと言われても出来てしまったのだから仕方がない。妖気の事、細かい設定に関しては一切興味がなかったので把握していない。


 自分の力だから把握が必要だと思うかもしれないがそんなことは無い。

人の中で自分の心肺機能や筋肉の限界などなど全てを知っている人などまずいない。健康診断だって毎年している人だって少ないだろう。

 ポッとでた力だって同じだ。そこまで過敏に心配になるなんてない。それに知らなくとも別に困ることでもないので気にしていない。非日常に首を突っ込むつもりがなく主人公様とは距離を置きたい俺としては気にするつもりもない。


 綾香は考え込んでしまったが俺には興味がなく用件も済んだのでご退室願った。


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