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友人Aの反逆日記  作者: みくじ


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15-12

 面倒を引き起こした原因が去ってしまった以上自分だけで事に当たらなければならない。幸い今の俺にはロジィという道具があるので気負う必要はない。ロジィも俺自身で作り出したものなのでひとり遊びでしかないのだけれど。



「それでこれはどういうことですの。いい加減にしてくださいますか」



 そのロジィはかなりご立腹の様子。

 説明をしていない中でフィクサー側の神崎と会話をしたのだから疎外感を覚えているのかもしれない。けれど残念なことに俺も事態を全て把握しているわけではない。神崎とは顔見知りであっても仲の良い相手ではない。そもそもフィクサー側の人間なので俺に正しい事実をくれるような人物ではない。


 とはいえそんな事を言ってロジィが納得してくれるはずもないので弁明をしておく。



「そうぷりぷりされても困るんですが。自分も全てを把握しているわけではないですし」

「そうですの? 先程は随分と仲良さそうにしていらっしゃったようですけれど」

「残念ながら表面上の話ですよ。何も情報は貰えませんでしたし」

「本当ですの?」



 疎外感を覚えたのが余程嫌だったのか面倒な絡みをしてくるロジィ。生憎主人公的な要素のない俺には面倒な辛味に付き合ってあげられる甲斐性はない。

 ただ、ロジィの気持ちも分からないでもない。

 ロジィは巻き込まれて犠牲になった立場。フィクサー側の人間に嫌悪感があるのかもしれない。嫌悪感を持っている相手と表面上仲良くしているのを見ると忌避感を覚えるのかもしれない。本体が死んだ後も意識として切り取られた現在も遊ばれていると思えてしまうのだろう。

 もっとも、ロジィの苛立ちは身勝手なモノ。俺にフィクサー側に取り入る意志なんてない。そしてその意思をロジィは知ろうと思えばできる。それも俺の口頭から知るのではなく意識に潜り込んでの嘘偽りのない感情を覗くことができる。それをせずに面倒な態度をとるのだから面倒でしかない。


 とはいえ、そんなことを口にすると面倒なので飲み込む。ただでさえ暴走した早乙女を相手にしなければならないのにこれ以上の面倒は御免被る。



「大枠として、ロジィのローズマリー・キャロルの時と同じです。ヒロインの危機に対して奮い立つ主人公。そしてその結果能力を覚醒させる。というのがあちらさんの目的なのでしょう」

「早乙女は危機に陥っていなかったはずですが」

「実際の状況はあちらさんに関係ないんですよ。目的のために道を用意する。道がないのであれば作る。脇道があれば壊す。それがあちらさんです」



 あちらさんは自分たちの目的しか考えていない。そこには登場人物の意志や価値観など考慮していない。全ては自分たちの大義のため。大義のためならば大勢の犠牲もやむなしというのがあちらさん。

 その犠牲の中に早乙女も含まれているというだけの話。彼女の生まれや存在を考えればそれも当然と思えてしまうのだが。こればかりは同情を覚える。


 ではあちらさんは犠牲を持って何をしたいのか。

 それは至極簡単。主人公様の能力の覚醒。

 その先に本来の目的があるのだけれどそこは俺に関係ない。木っ端な登場人物には大層なことではなく目先の面倒が大事なのだ。

 目先の面倒君こと主人公様の能力とは世界構築。それも無意識下に抑え込み暴走させるような殊勝な精神性を持ち合わせておらず手前勝手に現実を捻じ曲げる。

 あちらさんはここでも主人公様の持つ物語の矯正力を更なる段階へと導きたいのだろう。その為にヒロインを失いかねないという状況に追い込む。そこで主人公様は自分の身勝手を突き通す傲慢な精神を獲得する、というのがあちらさんの絵に描いた餅。


 問題があるとすれば主人公様の力がヒロインの力を上回っていないというところ。ローズマリー・キャロルの時と同じように主人公様の改変に巻き込みたいのだが現状の早乙女には意識があり抵抗力がある。


 そしてここが俺が巻き込まれた理由。

 ロジィを生み出した時のようにヒロインを早乙女を殺めるのが俺の役割。


 ニンゲンを辞めている俺にとって今更早乙女殺害に抵抗はない。ローズマリー・キャロルに手をかけておいて早乙女に躊躇う理由がない。寧ろそこから得られる能力上昇を考えれば望むところ。

 あちらさんの思惑まで考えると面倒なので気にしない。



「それであなたは早乙女に突っかかって隙を探っていたのですわね」



 俺の推測を聞いたロジィは勝手に納得してくれる。

 勿論先程までの行動にそこまでの意味はないのだけれど都合がいいので黙っておく。実際の所、猛り狂う早乙女に少なくとも一撃を入れなければならない訳ではあるのだし。


 どうやって攻略したモノかな。


 残念なことにモブな登場人物でしかない俺にはあまり猶予がない。猛り狂う早乙女とは別の場所で爆発が起き周辺がいよいよ騒ぎ出す。

 その中には吾らが主人公様が紛れていた。

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