二話目・・・ドワーフ登場!その名はダンク・リエール
「ここは・・・?」気がつくと、俺は小さな小屋にいた。どうやら俺は誰かに助けられたらしい。 まぁ、別に助けられなくてもよかったんだがな。その理由は、いたって簡単。 まず一つ目の理由は あんな高さの所から落ちておいてケガをしない訳がない。 その証拠に、血でまみれている包帯が巻かれていた。おでこに、腕に、足か・・・首がやられなくて良かったぁ~。ケガ自体は大した事じゃないんだけど、出血がひどい。だから、さっきから意識がもうろうとしてしまい、ベッドの上から起き上がれない訳だ。 ようは一つ目の理由はケガをするのが嫌なだけ。だってケガすると痛いんだよな。 そして、二つ目の理由は、こんな右も左も分からない異世界のような場所で生きていられる自信がないからだ。 そりゃぁ、翔馬がこの世界で生きているのならともかく、知り合いがいる訳でもないからなぁ~。 ・・・ついでに言えば、こんな血だらけの包帯を巻いているような人間が異世界なんかで、生きていける訳がないだろ。ようするに二つ目の理由は、この世界で生きていられるか、分からないからだ。 ほんと・・・不安だなぁ~。三つ目の理由は、聞いたら呆れるだろうが・・・死んだら肉まんになれたかもしれないから、別に助けられなくてもよかったんだよなぁ~。 でもせっかく、助けてもらったんだし、ありがたくこの生命、もらいうけるとしますかな。 というか、何時になったら、俺を助けてくれた人が戻ってくるんだろうか?「・・・どんな人かなぁ?」 ☆ ガチャ・・・キイィィ、パタン!「この小屋もだいぶ古くなったなァ」 ドアの音と、誰かの声が、聞こえてきた。声が低い音程だったから・・・たぶん、男の人だろう。 「おおっ!起きていたのか、遅くなってしまって悪かったネ」・・・この人の背ちっちゃ!もの凄い小さい! 確か身体測定の時は180センチで、この人は見たところは70センチ辺りだった。 いやー、世の中って広いんだな~。まさか、こんな小さいオッサンが本当にいるなんて。 「それと、自己紹介が遅れたネ。僕の名前は、ドワーフのダンク・リエールダ。よろしく頼むヨ」 俺もちゃんと自己紹介をしよっと。助けてくれた人だし。 「俺の名前は、天野一刃だ。よろしく頼む」 「アマノ・カズト・・・?ああ、自由人の人かナ?苗字もあるしネ」なんだか、よく分からない事を言っている。「その自由人というのは、なんなんですか?」「!?自由人なのに自分で分からないなんて、 珍しい事もあるもんダ」いや、俺からしたらアンタの方がよっぽど珍しいんだが・・・ 「その話は置いといて、とりあえず君の回復をしなくちゃネ」 「どうやってですか?」 「まぁ見てなってバ。いくヨ!」突然オッサンが何かを言い始めた。 「母なる大地のその息吹、願わくバ、我が前に横たわりしものヲ、その大いなる慈悲にて救い給エ・・・ヒール!」と、言った後、体の奥底から力が湧き上がるような感覚におそわれた。 「おおぉぉぉっ!」口では言い表せないくらいすごい。なんかしんないけど、すごい。 「それで、調子はどうかナ?」「あ、はい、だいぶよくなったと思います」 「敬語は使わなくてもいいヨ」「あ、そう?じぁあ、遠慮なく」結構、フランクな人なのか? 「それと、少しこっちにきてくれないかイ?」と、いって、ダンクは赤い本をもち、ドアを開け、外を指さした。「ああ、分かった。でもなんで、外に出るんだ?」「まあまあ、それは後のお楽しみだヨ」 「分かった。じゃあいこう」そして俺たちは、駆け足で外に向かって行った。
次話は八日ぐらいで完成すると思います。 次回もよろしくお願いします。