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 放課後、天才科学者と戦う五人の魔女っ娘を見た。

「わははははははっ、人体に影響なく服を溶かしてしまう溶解液じゃあ。全身に被って、すけすけになるがいい。わははははっ」

 天才科学者がでっかい硬質ビーカーを倒す。

「きゃあ、何この液体!」

 魔女っ娘が液体を浴びた。みるみる服が溶けていく。

「わはははははっ」

「いやあ」

 そこにリリナがバスタオルをもってきた。

「これで肌を隠して。ここはわたしたちに任せてちょうだい」

「わかった。お願い」

 なんだか、平和なやつらである。どっかの異世界の命運をかけた戦いとか、地球の命運をかけた戦いとか、まったく無関係なような安全安心な戦いをしている。

 のどかだなあ。

 べきっ、どかっ、ばきっ、ぼこっ。魔女っ娘の攻撃で、天才科学者がぼこぼこに殴られている。

「ぐああ、痛い、痛い、この子娘たちがあ」

「さっきのお返しよ」

「わはははははっ、今日のところは退散してやる。おまえたちがこの病んだ世界を救えるというなら、救ってみるがいい。おそらく、途中で放心して、あきらめて、投げ出すのだろうがな」

「何をいうの?」

「金も男もくれてやる。それで世界を救ってみせろ」

 ごくり、と魔女っ娘がつばを飲みこんだ。

「わはははははっ、我々は学校から姿を消すことにしよう。最後の戦いは、近いうちに訪れるだろう。それまで、首を洗ってまっているがいい。わはははははっ」

 天才科学者たちは姿を消した。

 それ以後、五人の天才科学者は学校を休むようになった。うちの学級は、十五人になってしまった。学級閉鎖ぎりぎりだ。

 これが勝つことだけを目的に戦った主役たちのつくりだした結果だった。おれはこれからどうなるのか、心配で悩んでいた。


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