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Chained 〜刻鎖の英雄譚~  作者: qwert9thy
第一章 始まり、そして審判
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第8話 初依頼

 「それじゃ早速、依頼を受注しましょ。」

初めての依頼… 一体どんな内容になるんだ?胸が高鳴ってきたな。


先程のホールに、再び辿り着いた。

相変わらず騒がしい空間だな。


「すげぇ!依頼がいっぱいだな!どれにする?」

興奮冷めやらぬ様子で、カイが話した。


『失踪したペットの捜索』 『脱獄犯の確保』 『貴族の護衛』

『野草の採集』…依頼とは言っても、多種多様だな。


「これとかどうかな?」

ディークスが指で示したのは…

『失踪事件の原因解明』


失踪か…いわく付きの依頼だな。面白い事になりそうだ。

「良いな。興味深い。」


「私も。興味が湧いて来たわ。」


「俺もこれがいい!早くやろうぜ!」

待ちきれない様子で、足をバタバタさせながらカイが話した。


「こんにちは。ご用件をお伝え下さい。」


「この依頼を受注したいのですが。」


「承知致しました。では、依頼についての詳細が書かれた用紙をお渡ししますね。少々お待ち下さい…どうぞ、こちらになります。」


「ありがとうございます。」

ディークスが、少し高揚した声色をしながら受け取った。


『レーゼル邸失踪事件


 ロータシア、フェブリエ地方に位置する、現在廃墟であるレーゼル邸にて、原因不明の失踪事件が発生している。 調査に赴いたギルド団員は計12人であるが、全員の消息が絶たれている。細心の注意を払い任務に臨む事。』


「こ、怖ぇ!!」

体を小刻みに震わせ、カイが怯えている。


「誰が、何の目的で…?」

首を傾げながら、クロリネが話す。


「僕達が事件を解決すれば、真相が明らかになる筈だ。消息不明の団員も見つかるかもしれない。」


「だな。早速向かうぞ。」


「おう!ビビったままじゃ何も始まらないしな!」


 ギルドを出発して、足を動かし始めた。

「そういえば、ラジアスとディークス。あなた達ってどういう関係?結構前から一緒にいるの?」


「いや、知り合ったのは今日が初めてだよ。」


「ああ。俺がネルヴァス教団の奴に狙われて、戦ってる所を助けてくれたんだ。それで一緒にパーティを組む事にした。」

それにしてもあれは間一髪だったな。

ディークスが偶々通りかかってなかったら、アイツが行方を眩ましてるとこだった。


「なるほどね。やっぱり人の縁って不思議。」


「ああ。そっちは?」


「私達も今日知り合ったのよ。あの募集を見て、ついね。伝説なんて言う人、そうそう居ないから…」確かにな。俺達も、それに釣られてやって来た訳だしな…


「やっぱりクロリネは伝説が好きなんだな!俺の思った通りだぜ!」

得意気な表情でカイが話した。


「まあ…否定は出来ないけど…」


 そうこう話している内に、レーゼル邸が目の前に。


「ここが…レーゼル邸…」

在りし日は陽の光を跳ね返し、美しく輝いていたであろう真っ白な壁は、今となってはカビに侵食され、ツタが好き放題に広がっている。

辺りに連なる生気を感じさせない枯れ木が、より一層恐怖を煽ってくる。


「廃墟とはいえ、随分と気味が悪いね…」

流石のディークスも、この有様には顔をしかめている。


「怖え…オバケとか出るんじゃないのか?そういうの苦手なんだよ俺…」

先程までの勢いを一気に削がれたカイは、不安に駆られた顔をしている。


「折角ここまで来たんだから、踵を返す訳にはいかないわ。それに、満場一致でこの依頼にしたんだから…」

とは言いつつも、クロリネは浮かない表情をしている。


「よし、それじゃあ入ろうか…」

ディークスが重い足取りで、腐りかけの扉に近付く。


「俺は前から3番目にしてくれよ?これ冗談じゃないからな?」


「大丈夫だ、カイ。4人もいるんだ、何とかなるさ。」


「中に入ったら、大きい声は出さない様にしましょう。何かあったら、すぐに警戒して。」


ギィィィ… 今にも壊れそうな歪な音を立てて、扉が開いた。


「まさか…そんな馬鹿な…」

ディークスが声を小刻みに震わせる。


「何だよこれ…」

「これは…現実なの?」

「なっ…嘘だろ…」


視界に映るのは、大きな額縁。

そして飾られているのは…人間の…死体。

四肢にナイフが突き刺さり、一つの作品の様に固定されている。

最悪な事に、そんな趣味の悪い代物が、全部で13個。

恐らく、失踪したギルド団員も含まれている。



 「おや、気に入りましたか?貴方達なら、ご主人様と趣味が合いそうですね…フフフ…」

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