第7話 ミシック
「仲間か… 何処で集めるんだ?」
「ここには掲示板が沢山あるからね。その中には、パーティのメンバーを募集してる物もある筈だよ。」
「なるほど。そいつは名案だな。」
掲示板… これか。
依頼の一覧に、要注意人物のリストか。懸賞金がかかってる奴もいるな。
「あったよ。早速確認しよう。」
どれどれ…『非戦闘パーティ 採取専門 212号室』 『上級者以外お断り 総収入1,000万リロ以上 223号室』 『シビルを持っていない人だけ! 楽しくやりましょう!225号室』
どれもピンと来ないな...いや待てよ?
「ディークス、これなんてどうだ?」
『依頼何でも 現在二人 伝説を作りましょう 215号室』
「伝説、かぁ。面白そうだね。行ってみようか。」
「215室ってのは何処にあるんだ?」
「すぐ近くにあるよ。着いて来て。」
ホールを抜け、大きな廊下に出た。
先程までの騒音とは打って変わって、辺りに静寂が広がっている。
「ここだね。早速入ろうか。」
215と書かれた艶のある木製のドアを開くと、話し声が聞こえて来た。
「上と下どっち?」
漆黒のドレスを身に纏った、赤い瞳の若い女性が話している。
蝶のデザインをした髪留めで、長い黒髪を結んでいる。
「今度こそ下だろ?そうなんだろ?」
空色の髪を持つ、短髪の青年が言葉を返す。
澄んだ目と、幼さを感じる声をしている。
「はぁ…私が引いたカードは1。カードは全部で1から10まで。という事は?」
「0が出たら勝ちってことか!今日はツイてるからな。まあ余裕だな!」
「せいぜい頑張って… ええ!?」
大きく目を見開いて、俺達の事を見つめている。
「まさか…掲示板を見てここまで?」
「ああ。伝説を作るんだろ?」
口角を上げながら問いかけた。
「そうだぜ!伝説!」
目を輝かせながら、大きな声を響かせた。
「ははは…あなた以外にもいた…頭の中がすっからかんの人間…」
「俺の頭には夢が入ってるって言ってるだろ!」
青年がムキになって反論する。
「そうだったわね… で、あなたたち名前は?」
「ラジアス•ブルーノだ。よろしくな。」
「ディークス•フリーサス。これからよろしく。」
「ラジアスにディークスね。私はクロリネ•クラチカ。よろしくね。」
「俺はカイ•ラズリ。よろしくな!」
「4人もいれば十分ね。」
「だな!パーティ結成だ!」
「それじゃ、名前は何にするの?」
名前か。一生ものだからな…じっくり考えないと…
出来ればカッコ良いやつが良いな。
「最強伝説とかどうだ?」
「そんな名前にしたら、戦闘狂に命を狙われるわよ。」
「まじかよ!やめとくか。」
慌てた様子で前言撤回した。
「ちょろい… あなた達は?何か思いついた?」
少し間を置いてから、ディークスが答えた。
「うーん…まあ、伝説っぽい名前が良いんじゃ無いかな?」
「だよな!じゃあやっぱり最強伝…」
「殺し屋の的にされるわよ?」
「最強伝説は無しにしよう!他の案を出してくれ!」
ちょろいなこいつ…
「はは… 僕は良いと思うけど…」
ディークスは苦笑いを浮かべている。
「そうだな… まあ、伝説と言えば神話だからな。ミシックで良いんじゃないか?」
ほっとした様子で、クロリネが反応する。
「ようやくマトモな意見が出た… 私は賛成。」
「僕も賛成するよ。」
「良いなそれ!みんな賛成してるし、決定だな!」
「よし、『ミシック』結成だ!」




