7話 レベルアップ
町に戻るとあることに気付く。
「昨日よりもモンスターが増えてる気がするな。」
そう、昨日は隠れながら進んだのもあって敵とほとんど遭遇することなく動けていたのだ。
しかし一日経過した今、昨日よりも数が増え2~3匹程度だが団体行動しているモンスターも増えていた。
「俺の体が今どのくらいあいつらに通用するかわからないし今は武器を使うか。そういえばゴブリンって鑑定できるのか?」
俺は気になりゴブリンに『鑑定』を使う。
種族:ゴブリン族
LV:1
通常スキル:威圧1 棒術1
「見れたが俺のステータス画面よりかなり情報が少ないな。これはモンスターだからなのか、鑑定のレベルが低いからなのかまだ分からないがこれも要確認事項だな」
観察していると一匹のゴブリンがこちらに気付いたようでもう一匹に俺を見つけているのを伝えたようだ。
二匹とも「ぐぎゃぎゃ」昨日と変わらない気色の悪い笑い声をあげながら俺のほうに走ってくる。
「ゴブリン同士はあんな風にコミュニケーションをとってるのか!いや、冷静に考えてる場合じゃない!あいつらを殺す準備をしないと俺が先に殺されちまう!」
俺はすぐに臨戦態勢を取りにゴブリンたちを正面に捉える。
最初俺に気付いたゴブリンが先陣を切って殴りかかってくるが俺はそれをバックステップで避けると同時に落ちていたコンクリートの破片を牽制として顔に投げつける。
「グギャッ!?」
それがたまたま目に当たったようでゴブリンは痛そうに眼を抑えながら声を上げる。
俺はすかさず後ろにいるゴブリンのほうに駆け出し思い切り木の棒を振りかぶる。
すると昨日は頭をつぶすだけでも精一杯だったはずだがゴブリンの体ごとつぶしてしまいただの肉塊になった。そしてその反動で木の棒も寿命が来たのか壊れてしまった。
すると、先ほど目をつぶしたゴブリンが荒々しい呼吸をしながら俺を睨んでいた。
「まずいな...武器が壊れちまったし素手で戦うしかないのか?」
独り言をつぶやくとそれを皮切りにゴブリンが飛び掛かってきた。
俺はそれをしっかり見て避けながら自分の体のことを考える。
「今の俺なら行けるか...?」
自分の人間離れした手ならもしかしたらあのゴブリンの体を素手で貫けるかもしれない。
そう考えたとき、俺の体はなぜか勝手に動いていた。
ゴブリンの攻撃と攻撃の合間に俺は前進しゴブリンに近づく。
そうしてできる限りの力でゴブリンの胸のあたりを思い切りぶん殴った。
すると、簡単に俺の手はゴブリンの体を貫きゴブリンは信じられないという表情で目をかっぴらいて俺の腕にくし刺しにされながら息絶えた。
『あなたはゴブリンを二体撃破しました。経験値を7獲得した』
『悪魔族で初めての討伐を確認。称号「原初の悪魔」を獲得した』
『地球で最初に素手での討伐を確認。特殊スキル「拳王」を獲得した』
『一定以上の経験値を確認。魂の格が上がります。』
『あなたはレベルが2に上がった』
『地球の悪魔族で一番最初のレベルアップを確認。特殊スキル「アイテムボックス」を獲得した』
「かなり多いアナウンスが流れたな。いったんステータスを確認するか。」
名前:荒田 翔
年齢:22
種族:悪魔族
LV:2
職業:侍
称号:隠密者
HP:+H
MP:+H
通常スキル:隠密 不意打ち 鑑定 索敵 闇魔法
特殊スキル:明鏡止水 拳王
固有スキル:吸収 アイテムボックス
「レベルが上がっても体感でしか感じ取れないのか。たった1レべ上がっただけでかなり上がったように思えるな。とりあえず称号から確認するか。」
原初の悪魔:一番最初に生まれた悪魔。すべての悪魔族に対し畏怖の対象として見られる。また称号をつけてる間は専用スキルをいくつか使えるようになる。
拳王:こぶしで戦う際に威力が強くなる。また適切な動きをしやすくなる。
アイテムボックス:アイテムを異空間にしまうことができる。異空間内は時間が固定化されている。
索敵:敵や罠を若干感知しやすくなる。
「ふーむ。なかなか強そうなスキルと称号だな。それにしても原初の悪魔か。かなりかっこいい響きだな。俺の今の見た目はまったくわからんが。てかなんで俺も今まで確認しなかったんだ。スマホの内カメで見ればよかった」
そしてスマホを取り出すとスマホの画面がバキバキに割れていた。
「くそっ...まじかよ。最悪だ。スマホ使えるようになったとき不便だな。まぁ切り替えよう。
いったん称号は『原初の悪魔』に付け替えるか。』
名前:荒田 翔
年齢:22
種族:悪魔族
LV:2
職業:侍
称号:原初の悪魔
HP:+H
MP:+H
通常スキル:隠密 不意打ち 鑑定 索敵 闇魔法
特殊スキル:明鏡止水 拳王
固有スキル:吸収 アイテムボックス 支配の魔眼 石化の魔眼 悪魔返り 魔の探求
かなり固有スキルが増えたな。
こんな簡単に増えるものなのだろうか...
いやエレスの話を思い出すと世界に適合しないと生き残れないらしいしこれはおそらく運がいいほうなのだろう。一応ほかの人のステータスを見る機会があればそこらへんも探ってみよう。増えたスキルの効果も確認しておかないとな。
支配の魔眼:目に映るものを支配する魔眼
石化の魔眼:目に映るものを石にする魔眼
魔の探求:謎を解き明かす力
「支配と石化の魔眼はわかるが『魔の探求』が意味が分からないな。」
そうするとアナウンスに少し似た声が脳内に響く。
『魔の探求はあなたの疑問に答えるスキルです』
「また脳内に声が響いてきやがる...つまりこのスキルはガイダンス的スキルってことか?」
『今はその認識で構いません』
「そうか...口に出さないと考えは伝わらないのか?」
『声に出さなくても答えるように設定が可能です。現在は声に出した疑問にだけ答える設定になっています』
「なら、いったんそのままでいい。」
『了解しました』
俺もなぜ脳内に声が流れて驚かなくなってしまったのか。
これがエレスの言ってた適応ってやつなのかもしれないな。
まぁせっかくガイダンスも手に入れたんだ。安全なところに行って魔法のテストでもするか。
これならなんとかある程度の強さで世界を生き抜くことができそうだ。
今回はかなり長くなってしまいましたねw
かなり見切り発車で進めてしまっているのでもしかしたらステータスとかが今後ずれが出てきたらコメントで指摘もらえると助かります!