4話 夜明けそして始まり
高架下に着いた俺は持ってきた水の蓋を開け一口飲み一息つく。
この世界は激しい変貌を遂げてしまった。
昨日まで誰もが笑いあっていた世界はあっという間に壊れ地上には今までいなかった架空の世界の生き物たちがあふれかえっていた。
いや、もしかしたら地上だけじゃなく海や空にもすでにいるのかもしれない。
それに敵を殺したときに聞こえるあの謎の女性の声。
漫画やゲームの世界で起きてたことが現実になったと考えるしかない...
俺はこの先生き残れるのか...
家族は無事に生きているのか...
連絡を取る手段もないなんてなんて不便なんだ...
俺は実家を出るとき手紙だけ残してほぼ家出同様の状態で家を出てしまっていた。
まさかいまさらになってその選択を後悔することになるとはな...
「だめだ...少し眠たいな...けどねてるときに襲われたら...どうすれば...」
しかし俺は眠気にあらがえず目を閉じて眠りについてしまった。
突如、大音量でアラート音が鳴り響き俺はその音で飛び起きた。
急いで周りを見渡し異変がないことを確認すると次は女性の声が聞こえてきた。
『地球の皆さん。おはようございます。私はエリス。異界の神です。』
ゴブリンを殺したときに聞こえてくる声とは違い今聞こえる声は無機質なものではなく温かい聞き心地のよい声だ。
『今回の異変に酷く戸惑っている方々も非常に多いでしょう。それもそのはずです。これは私たちが引き起こしたものですから。私たちの目的はただ一つ。本来あるべき地球に戻すことです。』
本来あるべき地球?どういうことだ?
『地球は科学の力が進歩しすぎ地球を喰い殺すところまで行ってしまいました。なのでモンスター、ダンジョン、魔法。あなた方の世界では空想のものとして扱われていたものをこちらの世界に引き込みました。これで新たな規律ある世界を皆さんで協力して作ってください』
地球を喰い殺すか...
『そして皆さんには平等に”ステータス”そして個人にあった初期スキルを送りました。ご自身のステータスを確認したいときはステータスと唱えれば確認できますので私の話が終わったら各々確認してみてください』
『また現在モンスターに占拠されているエリアはダンジョンを攻略することで取り戻すことができます』
『さて、少し長くなりましたが単純な話です。適応できないものは死に。強いものは生き続けます。
みなさんがより良い世界を作ることを私たちは祈っております』
その言葉を最後に女性の声は聞こえなくなった。
「こんな勝手なことあるのかよ...神様だかなんだか知らないがくそくらえだ...!
俺はこの世界で生き延びてやる...!」
俺は一人生き延び続けることを固く誓った。