21話 新しい生活
三日ぶりくらいの更新になってしまって本当にすみません。
次の話では日常パート的なのを書ければと思っておりますので何卒ご容赦ください。
俺は試験が終わった後アメリアの運転の元今日から寝泊まりする家に案内された。
そこは昔でいうタワーマンションだった。
「えっと...ここは?」
「ノワールさんの家ですよ?」
「あ...そうか...」
こんなところで暮らしても落ち着かなそうだけどな...
それに俺はタワマンって初めてきたのだがエントランスの広さにまず驚かされる。
そこはホテルの受付のようになっていて受付員はロボットのようだ。
俺たちはそこを抜けて奥のエレベーターに乗り込む。
何階に部屋があるのかわからなかったのでアメリアはカードキーのようなものをエレベーター内のカードスキャナーにあてるとエレベーターが動き始める。
それなりの高さに上がった後チーンと到着した音をエレベーターが告げる。
「到着しました。一番奥の部屋がノワールさんのお部屋になります。鍵はこちらのカードキーになります。合鍵なども含めてすべてお渡ししますので渡したい相手が居れば渡しておいてください。」
「じゃあとりあえずアメリアが持っててくれ。マスターの二人と会えるのはしばらく先になりそうだしな。」
それから俺は言われた通りカードキーを使って部屋の鍵を開け中に入る。
すでに家具などは入っておりかなり広い部屋だった。
まぁ、貧乏人だった俺には正直手持無沙汰な気もするけど。
リビングのテレビも見たことないサイズしているし窓から見える景色は街を一望できるほどの高さだ。
「まさかここまで作れるように科学力が復活するとはな...」
「あの日からかなり時間も経って人間も努力しましたからね。」
「中々感動するけど俺には少し広すぎる気がするけどな。」
「まぁ人を呼びたい時などがこれからできるかもしれませんからね。このくらいの広さが意外とちょうどいいかもしれません。」
「アメリアは近くに住んでるのか?」
「えぇ、車で20分ほどの距離ですからそんなに苦労しない距離ですね。」
「大変だな。どうせ部屋余るし疲れた時ここで寝泊まりしてっていいからな。」
俺はそう言いながらさわやかに下心を感じさせないように笑みを浮かべる。
アメリアは一瞬だらしない口になったがすぐに切り替えたのか。
「え、えぇ。お言葉に甘えさせていただきます。」
「それでこの後は?」
「はい。この後は特にしていただくことはないので自由に過ごしていただいて構いません。ですがまだハンター協会でのクエストは受けることができないと思います。あれだけ規格外の成績を出してしまったので判断に困っている頃でしょうから。」
「あぁーじゃあ俺がまだわかってないこと結構あるからいくつか質問してもいいか?」
「はい。私に答えられることならなんでも。」
「じゃあさ、俺の体にあるこの入れ墨みたいなのなにかわかる?目覚めたときにはもうできてたんだけど。」
「あぁ、それはわかります。それは魔力痕です。強すぎる魔力を持つ生命体が体に出てくる物のようでまだ理論などは詳しく解明できてないようですが人間にも稀に出るみたいですね。まぁ、ノワールさんの魔力痕は見たことないほど濃くて多いですが...」
「じゃあモンスターとかにもあるのか?」
「まだ確認されていませんが恐らくそうでしょう。」
「じゃあ次、どこかで少女の姿をしたモンスターの目撃情報は上がってないか?」
「そうですね...聞いたことはありません。というか知能を持った人間の言葉をしゃべるモンスターの目撃情報は上がっていませんね。」
「そうか...じゃあ最後。もともとこの街の外にあったダンジョンは誰がクリアしたんだ?」
「この街の外のダンジョン?ですか?この近くにダンジョンは今も昔もなかったですよ?」
「記録に残ってないか?ピラミッドみたいなダンジョンなんだが...」
「いえ、聞いたこともありませんね...」
「なんだと...?どういうことだ?」
おかしい。あのダンジョンは絶対近郊の人間は一度は見たことあるはずだ。
なのに何も情報がないなんてな...
「どうかされましたか?」
「あ、いやなんでもない。」
俺は動揺を隠すようにたばこに火をつける。
ふぅ~っと一息入れて時間を確認すると現在は18:30。
俺はアメリアに尋ねる。
「アメリア。おなかは減ったか?」
「えぇ、程よく。」
「そうか。俺は減っていないんだがせっかく今日が顔見知りになったタイミングだ。せっかくだし焼肉でも行くか?」
「え、えぇ!ぜひとも!」
「何食べたいとかあるのか?」
「そうですね...お寿司なんてどうでしょうか?」
「おぉ、お寿司か。いいな。」
「はい!私がよくいくお店がありますのでそこでもよければどうでしょう?」
「あぁいや待て。よく考えたら俺今の世界の金持ってないな。また今度にしよう。」
「あぁ、大丈夫ですよ。昔ハンターやってた時の貯金がありますから。」
アメリアはそう言いながらこぶしをぎゅっと握って笑いかけてくる。
「そうは言ってもひもみたいで申し訳ないしな。」
「でしたら今度はノワールさんが奢ってください!それならお互い様です!!!」
「まぁ、そういうことならそうするか。」
俺はアメリアの上手な説得に負けて徒歩でお寿司屋さんに向かった。
そういえばお休みの連絡などのためにXのアカウントを作ろうか悩んでいるのですがもしあったほうがいいなどのご意見ありましたらご連絡いただけますと幸いです。