ねばーえんでぃんぐ すとーりー
自分を見ているから、これは、夢だと僕は、分かった。
自分の夢だから、ナンデモアリで、その夢の経緯、今の場面も、ナントナク僕は、理解できた。
『僕ら』は、不定期に地鳴りがするホコラを今、まさに、出ようとしていた。
この事の発端は、こうだ。
生活することを、それなりに、うまくやっていた僕だが、自分の生活に何か物足りなさを感じていた。
そんな僕の前に、
『魔法少女』たる者が、ふいに現れる。
彼女の見た目は、
少女と言えば、やはりショートカットやろ!
みたいな、
魔法を使う女の子と言えば、
やはり、ほどよくフリルの服やろ!!
その年齢と言えば、
さりーちゃんくらいやろ!!!
を、いい案配でミックスしたものだった。
彼女は、
宝物を探す冒険に私と行ってくれない?
お願い!!
みたいなことを言ってきて、
僕は、行こう!と思い、
そして、それに兄を誘う。
兄は、僕の誘いを二つ返事で快諾し
僕と兄と、その魔法少女とで冒険に出た。
宝探しの冒険は、楽しいアドベンチャーだった。
夢だから、チート、チートで、
僕らは、いつしか、宝の在りかに辿り着き、
その宝を守る番人が、居眠りしている間に、そーっと宝箱を持ち出そうとした。
ふと、番人が、眠りから覚める。
番人は、どらごんクエストのバラモスを人間チックにした、やはり魔族の出で立ちで、
僕ら三人は、ビクッ(*_*;となるが、
兄が、
俺は、手に何も持ってませんよ~と、ジェスチャーしながら、
その番人に近づき、
「番人さんよ…俺は、アンタに聞きたいことがあるんだ……アンタが日の当たるトコで活躍してた時、世界は、どうだったかい…?」
と、番人に話しかけ、
番人は、
真剣に考え込んだ。
(それ、今のうちだ…!)
と、兄は、僕と魔法少女に目で合図して、
僕と魔法少女は、また、コソコソと宝箱を二人で運ぶことを再開する。
来た道を戻り、戻って、
僕らが吊り橋を渡りきった時、兄が猛ダッシュで駆けてくるのが見え、兄も無事、吊り橋を渡りきり、僕らに合流すると、
怒り狂ったような形相で、門番も、こちらに走ってくるのが見え、門番が吊り橋を渡っている最中に、
僕と兄は、同時に共に腰にあったナイフを手に取り、吊り橋のロープを二方面から切ると、
吊り橋と伴に、番人は、崖の奈落に落ちて行った。
僕らは、スピーディーに、魔法少女が操縦する、どこか、近未来的な小型飛行船に宝箱を積み込こもうとした。
兄が、その作業をしながら、
「まだ、よく知らない人に、政治と宗教と、自転車競技の話は、禁句だっていう教えがあるが、アイツには、それらのハイブリッド版が一時凌ぎだが、効いたわ」と言うから、
僕も手を止めずに、
「それ、世では、最後、自転車競技じゃないよ♪」と返して、二人で笑い、
魔法少女が、
「ホコラが、もう崩れするかも…早く乗り込んで!」と、コクピットから言うから、僕は、彼女の操縦席の後ろに、ほどなく、座り、兄も、その僕の後ろの席に就こうとした時、
兄は、何かに、吹っ飛ばされ、地面に叩きつけられた。
もう少しだったんだ……
僕は、三人で宝物を山分けするつもりだったし、共に冒険した二人も、おそらく、それに何の異議も唱えなかっただろうし、
この冒険においての兄の言動は、もう、本当に、まず、みんなで無事に帰れるようベストを尽くしていた。
兄を吹っ飛ばしたのは、
満身創痍な状態ながらも、落ちたところから這い上がってきた番人だった。
地鳴りが断続的に起こる中、
小型飛行船のハッチが誤作動で閉まり、僕は、飛行船の中から、
もう力任せに、兄に対して拳を振り上げる、蹴りをする番人の、それらを、
先ほど、まず一撃で吹っ飛ばされ、何かしらダメージを受けたと思われる兄が、辛うじで交わしているのをガタガタ震えながら見ていた。
僕は、
兄が番人から、逃げまどっているのを見ながら、
魔法少女に「早く、ハッチを開けて!」と悲痛に叫ぶ。
「今、やってる、やってるから!」と、魔法少女は、本当に焦った声で、そう言いいながら飛行船の操作パネルを巧みに指でスクロールしたり、その回りのボタンを素早く押しまくっている。
ある『男』が、やはり『男』に、ある時、リアルに語った。
「以前、俺、色々あって自分の家庭で暮らせず施設で過ごしている子供たちと交流があってな…その中の、ある二人組の子供達から俺は、全く相手にされなかった。その二人組は、そこで出逢い、深い友情で結ばれているのが俺には本当に、よく分かって、俺は、彼らと距離を置こうと思った。
俺は、実際、そうして、それで、良かったと思っている」
夢を見ていた。
僕は、『夢』を見ていた。
僕には、分かるんだ。
『夢』の中の僕は、
決して、
「番人よ、宝は返すから、どうか許してくれ!!」とは言わず、ハッチが開く前に、
まずもって、いよいよ、番人より窮地に追い込まれた兄だが、
決してスマートとは言えないが、番人の大振りな打撃を、まだ何とか交わし続けているのを見て、
「兄ちゃん、番人は、サウスポーだ!本来は、サウスポーである動きをしている!!」と叫ぶ…。
兄は、それが聞こえていても、聞こえてなくても、その追い込まれている状態の中、ニターッと笑う…。
僕と魔法少女の乗っている飛行船のハッチは、ほどなく開く…。
魔法少女が僕に話を持ちかけ、彼女が行き先を示すような形で、
僕は、兄と共に冒険に出た。
夢の中、僕らは、どこまでも『自分勝手』だった…….




