18
ところがだ。
僕は、自分が画に描いたようなシチュエーションにあるのに、話始めから、何か、うまく話せずにいた。
言葉として出たのは、こんなことだった。
僕の親しい友たちは、最近、家庭を持ち、みんな、大変なことも、もちろんあるが、幸せそうにやっていて、何か、僕は、そんな彼らに自分の悩みを相談しづらい……
また、まだ、僕や兄ちゃんと同じように、独り身な友達も何人かいるんだけど、その人達は僕から見て、最近、どこか、彼ら自身のことで精一杯感があり、そんな、彼らには、また相談しづらい……
僕は、そういうことを、まず、少しシドロモドロになりながら兄に話した。
その時、僕は、話していて、
僕自身が、自分が一体何に対して『不安』なのかが、よく分かっていないような気がしてきた。
それでも、兄は、僕が買ってきた御酒を美味しそうに飲んでくれ、穏やかに僕の話を聞き続けてくれた。
そんな兄を見ながら、僕は、更にリキュールの栓を明け、それを片手に、兄に、とにかく話し続けた。
僕は、
一通りの話を、
「…弟がさ、すごく生き生きとしているのが、何か、僕、悔しいんだ…いや、ヒガンデイルわけではないし、
仮に今後、弟に、イイことがあれば、僕は、それを喜んでやれるとは思うんだけど、何か現時点で、アイツにケッコウな差をつけられているような気がしてさ…
双子ならではで、僕が、そう感じているのか?って聞かれたら、そんな気もするし、そうでもない気がするんだな……」
そう、区切りをつけて、一息ついた。
僕は、タメ息をついた。
僕は、自分が話す内容がイタダケナイと自分で思う反面、手にしているリキュール酒は、異様に旨く感じていた。
部屋内が暖かったこともあり、ちょっと、ポーッとしてきた僕に
ふいに、兄は、優しい口調で僕に話してきた。




