表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
松本という漢Ⅱ  作者: 時田総司(いぶさん)


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
11/20

第十一節 苦戦

第十一節 苦戦




「ゴシャア‼‼‼」




×2△□×高校の生徒達はドミノ倒しに倒れていった。






「おあぁ‼」




「ぐはっ!」




「ぎゃあー!」






次々と声を上げる×2△□×高校の生徒達。しかし――、




「んだコラァ‼」




無傷の者も居た。


松本を囲う。






「! それなら……‼」




身構える松本。








「オラ――――‼‼‼」








先程担いでいた、もう片方の×2△□×高校の生徒の両足を持ち、振り回して来た!






「わあ!」




「ぐあぁ‼」




「んだコイツゥ‼」






×2△□×高校の生徒達を、×2△□×高校の生徒を使ってなぎ倒していく松本。


しかし――、






「ハァ、ハァ……」


息が切れる。じわりじわりと体力を奪われていく松本。


「重てぇんだよ、ド畜生が‼」




「ぽいっ」




遂には×2△□×高校の生徒を投げ捨てる。カワイソス。


身構える松本。残る生徒は10と数名だった。




「オラァ‼」




スパナで殴りかかって来る生徒。それを――、






「ヒョイ」






避け、そして――、




「ゴッ‼」




顔面に一撃喰らわす松本。吹き飛んで行く生徒。








「ああああああああ‼」








次には素手で殴って来る者が。




「ガッ」




拳を掴む松本。そして――、






「ドッ‼」






腹部へと拳を一撃。




「かはっ」




崩れ、落ちる。






「一人一人で行くな! 一斉に掛かれ‼」




「ジリ……」




松本の正に360度を囲う×2△□×高校の生徒。




「くっ……」




松本も覚悟を決める。と――、








「お前が松本だな?」








×2△□×高校の内の一人が口を開く。






「⁉」






現れたのは×2の男だった。




(なんで高校の時点で×2なんだ……?)




松本は疑問に思う。


「松本かどうか聞いているんだ。答えろ」




「……」




数秒ほど時が流れた。そこで、




「は、ハイ。コイツが松本です」




松本の正体をばらす者が。


「! てめぇは……‼」


延安だった。


「悪ぃな松本。俺は転校して、もう○△□×(丸さんかっけぇ死角無し)高校の生徒では無くなったんだよ!」


叫ぶ延安。×2の男は口を開く。


「ご苦労。お前が松本か。ここ最近、お前とお前の学校は、喧嘩や野球部の試合で活躍している様だな」


「……?」


「俺達は自分より目立つ奴が嫌いなんだよ! 目立ち過ぎているお前は、ここで死んでもらう……! 行けぇええ‼‼‼」








「バッ!」








×2の男の号令で飛び掛かる生徒達。




「ガッ‼」


「ゴシャア‼」




正面の敵は殴打で倒す。しかし――、






「ゴッ‼」






後ろから来た敵にバットで頭を殴られる。




「くらっ」




「くっ!」


多少の目まいが。




「ツ――」




血も流れてきた。






「クソッ! がぁ‼」






松本は吠えながら応戦する。


振り向き、バットを持っていた男に蹴りを入れる。






「ドゴッ‼」




「うあぁああ!」






一蹴りで倒れる男。






「こっちがお留守だぜ!」






今度は左方向から――、




バットが襲って来る!






「ガギィン‼」


「ゴキッ」






松本は左腕でガードする。しかし、勢いよく振り込まれたバット、左腕の骨が折れる。








「がはぁっ‼‼‼」








崩れ落ちる松本。






「よぉ、さっきはよくもやってくれたなぁ?」






敵が余裕をこいて話し掛けてくる。


「今度はこっちの番だぜぇ?」






「す……」


「何だぁ? 聞こえねぇぞ?」




松本は何か呟いた。




「……すいませんでした」








「ぎゃはははははは‼ コイツぁいいや」








敵は腹を抱えて笑う。




「もっぺん言ってみろや」




敵は松本に催促する。


「す、すいませんでした」




瞬時に――、






「ゴッ‼」






右腕が唸った。




「――と言うのは冗談だ」




松本は目の前に居る敵を吹き飛ばした。






「な……何だコイツ‼」




「ひ、卑怯だぞ⁉」






「むくり」




敵の声をよそに立ち上がる松本。


そして――、






「ダッ‼」






走り出す。






「お、追え――‼ 逃がすな――‼‼」






敵は群を成して追って来る。




「ハァ、ハァ!」




ダメージの所為か、早くも息が上がっている松本。咄嗟に携帯を取り出す。




「プルルルル、プルルルル」




何者かに電話を入れた様だ。






「ガチャ……もしもし、松本君か?」


「ハァ、ハァ! すいさん‼」


電話の相手は臼井すいの様だ。






「何があったんだい?」




臼井すいは問う。


「し、質問は後だ……まずは話を聞いてくれ。助けてくれとは言わない……アドバイスをくれ」


松本は事態が急を要する事を伝えた。




「……何だ?」


「他校の連中に追われてる……ケガもした……」


臼井すいの問いに、松本は答える。


「敵の数は?」


「今は十数人だ」


「獲物は?」


「バットにスパナ、ナイフもある」




「マズいな……」


「‼」




松本は目を見開く。


「族はヤクザと違ってメンツを気にしない……とことん卑怯な手を使って来る可能性があるぞ……」


「分かった、何かアドバイスは無いのか?」






「……逃げろ。それだけだ」




「……わーったよ。じゃあな」


「ピッ」


電話を切る松本。


(逃げろ、か……)






「待て――‼」


敵の軍勢は追って来る。


「(誰が待つか)よっ!」


逃げ切ろうとする松本。しかし、俊足の敵が現れた。


しつこい様だが、松本の50m走のタイムは平凡で、6.8秒。俊足の敵は5.9秒のタイムを叩きこむ程の実力だった。ナイフを振りかざす俊足の敵。




「くっ!」






瞬間――、








「ビュン!」








何かが飛んできた。






「ゴシャア‼」






俊足の敵の顔面に当たる。








「はでぶ‼」








鼻血を出して倒れる俊足の敵。






「! 何だ⁉」








「ビュン!」








再び何かが飛んできた。






「ゴッ‼」








「ひでぶ!」








「ゴシャア‼」








「はでぶ!」








次々と倒れる敵。




「コロコロコロ」




飛んできた物体は地面に転がっていた。少しだけ後ろを見る松本。


「アレは……硬球⁉」


突如として飛んで来たモノ、それは硬球だった。




「! アイツ……」




物陰に身を潜める者が。


タカマサである。


(俺が出来る事はこれまでだ……松本、生き残ってくれ……)


松本は笑みが零れながら走る。


(恩に着るぜ……タカマサ!)




「待てコラ――‼」




しかし追手は勢いを緩めない。ひたすら走る松本――。






いつしか工場地帯に辿り着いていた。




「ハァ、ハァ‼」




松本は遂に足を止めてしまう。


(ここまで――、か……?)




「観念したか?」


「手間掛けやがって」




敵の軍勢もまた、工場地帯に辿り着く。






(サナギさん……)






サナギとは、松本にとっての伝説の師匠である。闘いのイロハ、礼儀作法、子供のしつけ方等、様々な事をサナギに教わった松本は、そのサナギを心から崇拝していた。






「け……喧嘩の……」




「なんだコイツ?」


「何かぶつくさ言ってるぞ」




様子のおかしい松本に、敵の軍勢は動揺していた。


(喧嘩の基本は自分に最小限のダメージが加わる様に攻撃する事。後はビビらせた奴が勝つ……)


サナギの教えを思い出す松本。




と、その時――






「ブーブーブー」






携帯が鳴った。


「ピッ」


電話に出てみる。


「よお、松本」


「さ……サナギさん……!」




サナギからの電話だった。




「いや、な。何となく電話したくなって。今、アメリカに居るんだけどな」




「何だ何だ?」


「電話を始めたぞ?」




ざわつく周囲。




「サナギさん……。今、ピンチです。ケガもしてます。相手は、十数人」




「そうか……」


「……」




沈黙の後、サナギは口を開く。






「『抗え、そして戦うな』そんなトコかな。電話している暇も無いだろ? 切るわ、またな」






「失礼します」


「ピッ」


電話を切る松本。




「やっと終わりやがったか」


「待ってやったんだから、落とし前は付けてもらおうか?」




敵の軍勢は口々に言う。


(『抗え、そして戦うな』……か)




「キッ」




目を鋭くさせる松本。そして――、








「ダッ!」








ダッシュで逃げ出した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ